「ピアノをいつか弾いてみたい」、そう思いながらも、楽譜を読んだり、両手で弾いたりするハードルの高さを考えると、ピアノへ最初の一歩がなかなか踏み出せない人が多いと聞きます。
そこで、この記事ではあるエピソードから、ピアノはもっと気軽に取りくめる楽器だと言うことをお伝えします。
もくじ
音楽未経験者が合唱曲伴奏のオーディションに挑戦
友人のお子さん(小学校6年生)の話です。
そのお嬢さんは、ピアノ未経験であるにもかかわらず、卒業式のお別れ会で歌う合唱曲の伴奏の校内オーディションに立候補しました。ピアノどころか、他の楽器も未経験であるため、楽譜は全く読めません。
立候補した際に彼女は、「(お別れ会で)私は、絶対に伴奏を弾く。」と、楽譜を手にする前から宣言していたそう。
オーディションまでわずか2週間あまり。そんな短期間で弾ける自信と根拠がどこから来るのか、話を聞いた当初、筆者はそう思いました。しかも、大人数を前にしての伴奏です。
ピアノを人前で弾く大変さを知らない未経験者だからこそ言えたのだろう、むしろそう思っていました。
楽譜は読みたくないという12才の彼女に
友人(ママ)は娘の宣言を半ば呆れながらも、「未経験者の娘でも弾きやすいように」と伴奏譜をアレンジし、楽譜面においてできる限りの協力をしました。
五線譜から、コード譜にしてあげたり、難しいところは簡単にアレンジしてあげたり・・・必要なコードはなんとか覚えさせ、鍵盤をどう押さえるべきか、工夫してアレンジ譜の読み方を教えてあげました。
そんな友人の工夫やお嬢さんの練習の経過をリアルタイムで聞いていたけれど、それでも、全くの音楽&ピアノ未経験者です。たった2週間で間に合わせるのは難しいだろう、と思っていました。
ところが、そんな筆者の心配をよそに、彼女はオーディション当日までに、友人(ママ)のアレンジバーションで、スラスラと弾けるようになっていたのです。
オーディションの結果
アレンジバージョンを練習した甲斐あって、なんと無事にオーディションに合格。その後、さらに昼休みにお友達と練習をくり返しながら、少しずつ音数を増やしていったそうです。
そして、本番当日までには、限りなく原曲に近い形で仕上げたそう。お別れ会当日も見事に、お役目を果たし、未経験だったことを忘れさせるような完成度に、周囲は驚きを隠せず、称賛の嵐だったのことでした。
ちなみにその友人(ママ)も、楽譜嫌い。そして、ピアノのテクニック的なことは、特に教えなかったそうなんです。その代わりに「YouTube」を参考に練習していたのだとか。
それでも、スパルタな練習はさせていないし、何より、ピアノのテクニックはゼロだったはずなのに、驚きですよね?
ピアノ譜の難しさとコード譜のお手軽さ
そのお別れ会が終わったのが、この記事を書いている約2週間前。そのお嬢さんは、今でも五線譜は読めません。コード譜だけ、しかもその合唱曲の譜面のコード限定です。メロディー的なものはおそらく暗譜だったのでしょう。
一般的に、ピアノへのハードルが高いと感じる理由のひとつとして、「楽譜の読み方」を挙げる人は多いもの。特にピアノは両手で弾くので、譜面も「大譜表(二段譜)」となっています。しかも、和音を表す時は、音符が重なって出てくるので、音符が読めるようになっても、初心者には難しく感じます。
一方、「コード譜」はどうでしょう。和音を表すときでも、「C」「F」「G」など、アルファベットが和音(コード)を表すので、瞬時にその和音の構成音を認識できます。つまり、初心者でも和音がすぐに弾けるので、単音で弾くよりもずっと楽しく感じられるというメリットもあります。
筆者は大人になってコードが読めるようになったのですが、コードが分かるようになったことで、ピアノが弾きやすくなったとも感じました。
今回の彼女のエピソードは、譜面の読みやすさは、ピアノへのハードルを下げるということをあらためて実感した出来事でした。
ピアノのテクニックがゼロだった彼女が、「鍵盤をどう押さえるべきか」を知ることで、テクニック的なハンデもカバーできたということになったのです。すごいことではありませんか?
なお、コードが読めるメリットについてもっと知りたい方はこちらをどうぞ→ピアノ学習者必見!コードが分かるといい理由。
望むことは叶う前提で言葉にする大切さ
あともう一つ彼女から学んだことですが、やると決めたことに対し、「私は絶対に弾く」と強く思っていたことが、成功の理由として大きかったのではと感じました。
人は未来のことに対して「もし出来なかったらどうしよう」と考えてしまったり、願望があっても「弾けるようになりたい」という表現をしたりします。自信を持って「絶対に弾く!」「絶対こうなる!」など、なかなか言えるものではありません。少なくとも筆者はそうでした。
一方で、成功者の考え方として「望む未来は、叶う前提で言葉にすると叶う」、そのように紹介されていることを、これまで何度も耳にしたことがあります。
12才の彼女は、それは現実だということを、身をもって証明してくれたのでした。
まとめ:ピアノをもっと気軽に!12才の未経験者が教えてくれたこと。
ここまで、音楽未経験者である、12才のお嬢さんのエピソードをお話しました。
筆者は、そのお嬢さんが伴奏のオーディションに立候補した時、ピアノを人前で弾くことって、そんなに簡単なことではない、という気持ちが正直ありました。
しかし、その想いが見事に覆されましたし、それどころか、彼女の言動から大きく、2つのことを学びました。
・楽器未経験者にとっては、時には楽譜(五線譜)より、コード譜から入った方が学びやすい
・望むことは、叶う前提で言葉にすると現実になる
言葉って、とても大きな力を持つのですね。
コードの学習については、推奨する先生とそうでない先生がいらっしゃいますが、コードの知識はピアノ学習にとても役に立つことを、あらためて感じました。
ピアノは「方法によっては、気軽に取りくめるもの」、それが少しでもお伝えできれば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。