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ピアノ初心者向け

簡単でかっこいい曲をピアノで弾こう!(クラシック編)

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クラシック音楽には沢山のピアノ曲があります。誰でも一度は聴いたことある曲から、一般的には知られていないけれど発表会では定番の曲、など様々です。

ここではピアノ入門者でも挑戦しやすい、やさしいわりには聴き映えのするクラシック曲を、筆者の経験をもとに紹介します。ピアノの練習が嫌いでも、バイエル終了くらいの楽譜が何とか読める人であれば、挑戦できる曲が中心です。

もくじ

クラシック音楽とは

そもそも「クラシック音楽」とは何でしょう。よく耳にする言葉ですが、曲の種類も多く、知ろうとすればするほど、とても奥深いものです。ここでは、クラシック音楽について、簡単に説明します。

クラシック音楽のとらえ方

クラシック音楽というと、上品なイメージがあり、敷居が高く感じる人もいるかもしれません。元々「クラシック」の言葉の意味は「古典的」という意味であり、「クラシック音楽」は、数百年の時を超えて愛され続けてきた音楽のジャンルのことを言います。今ではクラシック音楽として定番の曲も、作曲された当初は今でいうポップス音楽のように新曲だったり、流行りの音楽だったりしたのです。決して、別格なものではありません。

もちろん、当時は作曲家本人さえも自分の曲がクラシックになるかどうか、予想していなかったことでしょう。ただし、それが数百年にも渡って後世に残るというのは、あらゆる世代の多くの人々がよい音楽だと認めた、より厳選された曲だといえます。クオリテイの高い音楽ということには、間違いありません。

曲集の中には、「ピアの初心者のためのクラシック」というような楽譜も出版されています。現代の編曲者が手を加えて、弾きやすくしたものです。耳なじみのある定番の曲をすぐに弾いてみたい方はそのようなアレンジ譜で練習するのもひとつの方法です。ただ、「少し頑張れば仕上げられる」というレベルのクラシック曲が見つかれば、ぜひ作曲家が作曲したままの原曲で挑戦してみることをおすすめします。

今のポップス音楽では、10年前に流行った曲は既に懐かしく、古さを感じてしまいます。一方、クラシック音楽はどうでしょうか。例えば筆者が30年前、子どもの頃に弾いたクラシックのピアノ曲は、今でも当たり前のように親しまれています。あなたがクラシック音楽をピアノで弾けるようになれば、数十年後でも時代を感じさせない曲として楽しめるのです。

クラシック音楽やピアノの練習に対する向き合い方

ピアノを練習するということは、地道に練習を続ける力が必要ですし、孤独との闘いでもあります。初心者であっても、毎日何時間も練習を続ければかなりの上達が見込まれますが、現実は日々の生活の忙しさから、練習時間を確保することは難しいと思います。あなたにとって無理のない方法で、練習を続けられることが、ピアノ上達への確実な道だと思います。

筆者の例(ピアノとの向き合い方)

筆者が小学校時代、ピアノの練習が大嫌いでした。当時通っていたピアノ教室での発表会は、年に1度。それに向けて生徒たちは約10か月かけて、選曲された1〜2曲の練習に取りくみます。筆者の場合、ピアノを弾いた時間といえば、ピアノ教室でのレッスン時間である、わずか「週1回、30分」のみ。家ではほとんど練習しませんでした。

それでも半年あれば、何とか譜よみが終わりますし、残りの期間で弾き込んで、発表会までにそれなりに仕上げてステージで弾くことができます。「譜よみ」とは、初めて弾く曲の楽譜を見て、正確な音符・リズムで、ある程度一定の速さで弾けるようになることです。尚、暗譜においては、ゆっくり譜よみを進めるため、譜読みが終わる頃に自然と指が覚えている、という状態でした。

そういうやり方だったので、当時、読譜力やソルフェージュの力はほとんどつきません。逆を言えば、そんな、読譜力のない小学生の私でも、人前で弾けるまでに曲を完成させられたのです。つまりピアノ入門者でも、数カ月続ければ、最少の練習時間でもピアノ曲を仕上げられるということが言えます。その時に、かっこよく聴こえる曲だと、より楽しく取りめると思うのです。

そこでピアノ入門者でも弾けるような、やさしいわりに聴き映えがする、お得な曲を紹介します。簡単なレベルのわりには、少し長めで、華やかに聴こえる曲です。

クラシックのピアノ曲にチャレンジしよう

ここでは筆者の経験から、ピアノ入門者でも挑戦しやすい、聴き映えのするクラシック曲を紹介します。

トルコ風のロンド ブルグミュラー作曲

ドイツ生まれの作曲家ヨハン・ブルグミュラー(1806-1874)の作品。ピアノの教本「25の練習曲」でも有名な作曲家です。この作品は「薔薇のコルベイユ、4つの華麗でやさしい小品Op.68」の第3曲目として作曲されています。短調でリズミカルなかっこいい曲調です。

ポロネーズ11番  ショパン作曲

ト短調KKⅡa-1 1817年、フレデリック・ショパン(1810-1849)が7歳のときの作品。記譜された現存する楽譜の中では、ショパンの最初の作品と言われており、両手を交差させたり、多様な伴奏型が用いられたりしています。

尚、「ポロネーズ」とはフランス語で「ポーランド風」の意味であり、ポーランド起源のダンス、またはそのための曲の形式のことを言います。テンポがゆっくりな4分の3拍子で、もとはポーランドの民族舞踊でしたが、一つの様式となってヨーロッパで流行しました。ポロネーズの中では「英雄ポロネーズ」が有名です。

ソナチネ N0.51楽章 ディアベッリ作曲

Op.168 ザルツブルグ近郊生まれの、アントン・ディアベッリ(1781-1858)の作品。彼は古典派を代表する作曲家ヨーゼフ・ハイドンに師事し、ピアノやギターの教師として生計を立てるようになります。作曲者として、ピアノやギターの小品、歌曲やオペラも手がけました。この曲は、冒頭のファンファーレのようなメロディが印象的な曲です。

カッコー ダカン作曲

クラヴサン曲集 第1巻 第3組曲 1番

バロック時代のフランスの作曲家、ルイ=クロード・ダカン(1694-1722)の作品。教会オルガニストとして活躍し、作品は宗教音楽が主でした。この作品では、かっこうの鳴き声を音楽で表現しています。バッハの曲でもおなじみの、バロック時代のトリル(プラルトリラー、モルデント)もよく使われています。

花の歌 ランゲ

ドイツのピアニスト、グスタフ・ランゲ(1830-1889)の作品。ランゲは生涯400以上のピアノ曲を作曲しました。この曲は現在、彼の作品でもっとも人気の曲といわれています。冒頭のゆったりとしたテンポと美しいメロディーが印象的。一方で、ニ短調や変ロ長調に転調していく展開もあり、変化に富んだ曲調です。左右ともオクターブで弾く箇所があるので、指を広げる訓練にもなります。子どもさんの場合は、ある程度手が大きくなってから挑戦したい曲です。

即興曲 Op.90-4 シューベルト作曲

変イ長調。オーストリア(ウィーン)生まれ、フランツ・シューベルト(1797-1828)の作曲です。そして即興曲は、彼の晩年の作品。4番であるこの曲は、変イ長調の同主短調である変イ短調で始まり、変ハ長調→ロ短調…と、変イ長調になるまで、転調をくり返します。また途中で曲想が変化するところも多く、ドラマチックに進んで行きます。

上記で既に紹介した5曲より、難易度は高いので、挑戦するのはこの曲が一番最後、という順番が良いと思います。とはいっても、この曲は分散和音が多く、派手に聴こえるわりには弾きやすいと思います。読譜力がなかった小学校時代の筆者の場合、週1回、30分の練習で約7〜8か月で暗譜まで仕上げました。それ以上の練習時間が確保できる方なら、ぜひチャレンジしてみて欲しいと思います。

もう少しやさしめの曲が弾きたい時は

上にあげた6曲よりも、もっとやさしめの曲から練習したい時は下記の2曲もおすすめです。発表会でも定番の曲です。

・小さなさすらい人 ランゲ作曲
・荒野のばら ランゲ作曲

長期に渡って同じ曲に取りくむメリット・デメリット

ここまで紹介した曲は、「やさしいレベル」という言い方をしていますが、ピアノ入門者にとっては、筆者の例のように、練習期間を長期間(半年以上)に設定する必要があるかもしれません。このように1曲を長期に渡ってじっくり練習することは、良い面と悪い面があります。以下を、参考にしてみてください。

<メリット>

・1週間の練習時間は短めでOK
・自分の実力よりレベル高めの曲に挑戦できる
・長期間練習するので、いつの間にか暗譜できている
・記憶に定着するので、練習しなくなった後も、なかなか忘れにくい

<デメリット>

・読譜力やソルフェージュ力がなかなか身に付かない
・年間に仕上げる曲数が少ない

まとめ:簡単でかっこいい曲をピアノで弾こう

ここまで、簡単なレベルで、聴き映えのする曲を紹介しました。
クラシック音楽は、流行りのポップス音楽と違い、これから数十年経っても色あせません。ピアの学習者にとって、数百年の時を超えて愛された上質な音楽を、作曲家が作曲した原曲のままで弾けるようになることは、すばらしい経験となります。

練習期間を長めに設定することによって、一週間当たりの練習時間が短くても、あなたにとって少しレベルが高めの曲にも挑戦できますよ。

ぜひこの記事を参考に、ピアノのレパートリーを増やしてみてください。さらに豊かなピアノライフが送れるよう、応援しています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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