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ピアノ学習者必見!コードが分かるといい理由。

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みなさんは楽譜にある「コードネーム」を活用していますか?コードとは「和音」のことで、コードネームは英語由来のもの。ジャンルでいうと、ポップスやジャズの世界でよく使われるものです。

ピアノ学習者の中で、クラシックの曲を練習している人にとっては、無関係だと思うかもしれません。筆者もそのうちの1人でした。

しかし、ピアノは和音の楽器。だからこそ、コードが分かるととても便利で、音楽の世界がぐんと広がります。そして何より、理論的にも音楽を学ぶことが「楽」になります。

この記事ではピアノ学習者の方へ、コードを知るメリットを中心にお伝えします。そしてコードを学ぶ、最初の一歩のところまで、学習してみましょう。

もくじ

コードとは?

複数の音を同時に鳴らしたものを「コード」といいます。つまり「和音」のことです。ここでは、コードを構成する音の組みあわせについて説明します。

コードネームとは?

和音を表す記号のことで、3和音以上のかたまりのことをいいます。下の楽譜にある記号を見たことありますか?

このように譜面上に、アルファベットで書かれてある記号のことを「コードネーム」と呼びます。主に、ポップスやジャズの楽譜に登場します。

コードネームがあると、楽譜に音符が書かれていないとしても、和音が分かります。

ピアノ学習者はコードと出合う機会が少ない?

ピアノを習っていても、コードに出合う機会はなかなかないかもしれません。

というのも、ピアノ学習者がピアノを習う上で使用する教本やクラシックの楽曲は、通常は楽譜のト音記号とヘ音記号で書かれた「大譜表」で書かれてあり、和声も全て音符で表されています。

そのため、コードの表記がないことがほとんどなのです。

次の楽譜はシューマンの「トロイメライ」です。

楽譜のどこにも、「コードネーム」らしき記号はありません。このようにクラシック楽曲は、コード表記がないのが一般的です。

このように、多くのピアノ学習者、特に幼少期からの習い事としてピアノを習っている人は、クラシックの曲を練習することが多いため、長年練習を続けても、「コード」を勉強しない人は珍しくありません。

特にコードを知らなくても、楽譜が読めれば、何も困ることはありませんから、当然といえば当然と言えるでしょう。

一方、ポピュラー音楽の楽譜でピアノを楽しんでいる人は、コードを見かけることがあるかもしれませんね。

コードが分かるメリット

コードを知らなくても楽譜が読めれば困ることはありません。しかし、コードを理解できると、実はいいことが沢山あります。それについて説明します。

伴奏パートが書いていない楽譜でも演奏できる

コードが分かれば、簡単に和音をつけられます。ピアノ譜は他の楽器より音符が多い譜面が多いです。その分、伴奏であっても、譜読みに時間がかかることはよくあります。

一方、コードネームさえあれば、ピアノ譜(大譜表)に書かれた音符を全て弾かなくてもOK。コードを弾けば、和音が分かるので、その曲の感じがすぐに掴めてしまいます。つまり、読譜力が身に付いていなくても、簡単に伴奏がつけられるので、とてもお得です。

また、一段譜(メロディーのみの楽譜)でも、コードがあれば和音が分かり、簡単な伴奏づけができます。

曲をアレンジできやすい。

特にポピュラー音楽は、作曲者が楽譜を作るのではなく、編曲者(アレンジャー)が、譜面に起こしています。弾く対象者に合わせて、自在にアレンジしているのです。そのため、ピアノを弾く側からすると「このアレンジは物足りないな」とか逆に「難しすぎるな」とか感じることがあります。

そんな時に、コードさえあれば、既存の楽譜を自分が弾きたいレベルで弾くことも可能なのです。

他の人とセッションする時でも、合わせやすい。

同じ曲であっても、楽譜や弾く人によって和声の進行が異なることがあります。譜面にコードがあると、同じ和声を演奏することができるので、最後まで同じ和声の進行で、曲をセッションすることができます。

音楽理論を理解しやすくなる

コードが分かる最大のメリットのは何といってもこれなんです。

筆者は学生時代、音楽理論の授業が大嫌いでした。和声記号(後述します)や和音進行など、理論を学ぶ必要性などを理解できず、苦手意識は消えないままでした。

しかし、卒業後、コードネームを知る機会があり、少しずつ使うことに慣れていくと、あら不思議…!大の苦手だったはずの音楽理論までもが、すんなりと頭に入ってくるではないですか。

難しそうな音楽理論の本は、実はそんなに難しいことは言ってなかったんですね。和声記号で書かれると複雑に感じていましたが、コードで理解できるととってもシンプルでした。

「音楽理論」は音楽を理解するために必要な知識を、補足してくれるためのとってもありがたいものです。その目的を筆者の場合は、コードを理解するようになって、ようやく知ったのでした。

もし、「音楽理論」に対して、苦手意識がある人は、コードを学習してみることを特にオススメします。ピアノ初心者でも、コードが分かると、ピアノや音楽の仕組みを理解するのがとっても楽にできるようになりますよ。

和声記号とコードネーム

ここからはコードを構成する音の組みあわせについて学びましょう。

和声記号

長調や短調の音階に基づいてローマ数字(ⅠやⅡ)で記されるのが和声記号です。和声記号は音楽理論の「和声法」で使用されることが多く、主にクラシック音楽に使用されます。

なお、音楽大学の入試などで、和声に関する知識で必要とされるのは、この「和声記号」表記がほとんどです。

コードネーム

和音を表す記号のことです。3和音以上のかたまりをコードネームといいます。基本的には、3つの音を3度ずつ積み重ねた時に1番低い音(基準になる音)の英語音名がコードネームとなります。

ハ長調を例にみていきましょう。

1.ハ長調の音階と英語音名

ドレミ・・・という読み方はイタリア語音名です。英語音名で表すと以下のようになります。

 

C、D、E…の読み方はそのままシー、ディー、イー...とアルファベット読みです。

2.各音に3度関係で和音を積み上げる(=三和音)

ここでいう「3度」は音階でいう「ひとつとばしの音」のことです。三和音になると以下のような和音となります。

見ため的にも、規則性が感じられますね。

3.三和音にコードネームと和声記号をつける

先ほどの「三和音」に、コードネーム和声記号を記してみます。

1番低い音(基準になる音)の英語音名がコードネームとなります。また、この基準になる音を「根音(ルート)」といいます。

ダイアトニックコード(固有和音)

音階の7音で構成される和音(コード)を「固有和音」、英語では「ダイアトニックコード」といいます。

すなわち「ハ長調のダイアトニックコード」は以下の7つの和音、となります。

つまり、ハ長調の曲には、この7つのコードが使われるということになります。コードの読み方としては次のようになります。

C 「シー/シーメジャー」

Dm 「ディーマイナー」

Em「イーマイナー」

F「エフ/エフメジャー」

G「ジー/ジーメジャー」

Am「エーマイナー」

Bdim「ビーディミニッシュ」

ただし、ダイアトニックコードであっても、よく使われる和音、その次によく使われる和音、使用頻度が少ない和音、などあります。

さらには、例えば、ハ長調であっても、「ハ長調のダイアトニックコード以外」のコードが使われることもあります。それが、曲がとてもおしゃれに聞こえる秘密だったりします。ここから先の詳細は、また別の記事でお伝えします。

まとめ:ピアノ学習者必見!コードが分かるといい理由。

ここまで、コードが分かることのメリットと最初の一歩となる部分をお伝えしました。まとめると次のようになります。

・コードとは和音を表す記号のことで、3和音以上のかたまりをコードネームといいます。

・和声記号とは長調や短調の音階に基づいてローマ数字(ⅠやⅡ)で記されるもので、主に音楽理論やクラシックの楽曲に用いられます。

・その調(キー)の音階で構成される和音(コード)を「固有和音」、英語では「ダイアトニックコード」といいます。

【コードが分かるメリット】

①簡単に伴奏付けができる

②曲をアレンジしやすい

③他の人とセッションしやすい

④音楽理論が理解しやすい

クラシックを中心にピアノを学習してきた人にとっては、コードは無縁だったかもしれません。しかし、ピアノは和音の楽器です。音楽という分野では、和声は大切です。和声記号でだけでなく、コードが分かるととっても楽で、便利なんです。

ピアノ初心者の方にとっても、音楽の仕組みが早く理解できるので、楽譜の読み方を覚えると同時に、コードを学ぶことはオススメですよ。

ぜひ学習を続けてみてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。