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ピアノを弾く時、爪を短くすべき理由。

ピアノを弾く時、爪の長さに気を使っていますか?爪が長いと生活する上で何ともなくても、ピアノを弾く上では支障が出てしまいます。

この記事では、ピアノを弾く上で、爪を短くすべき理由について説明します。

ピアノを弾く時に爪を短くすべき理由とは

ピアノを弾く時に爪が長いと、以下のようなことが起きてしまいます。

鍵盤に爪が当たる

爪が長いと鍵盤に爪が当たり、カチカチと音がします。ピアノの音以外の音がすると、演奏に集中できません。

また、爪が鍵盤に当たることで、指のフォームに影響が出てしまうこともあります。正しいフォームで弾くためにも、爪を短くすることは大切なことです。

爪が鍵盤の間に挟まる

爪が長いと、鍵盤の間、特に黒鍵と白鍵の境目に爪が挟まることがあります。特に速い動きになった時に引っかかります。結構痛いですし、演奏の妨げになります。

爪のせいで滑る

ただでさえ、黒鍵の上は滑りやすいものです。

爪が長いと、必要以上に鍵盤の上を滑ってしまい、演奏に支障が出てしまいます。

鍵盤を傷つけないための「マナー」

レッスン、発表会、合唱の伴奏など、ピアノ学習者にとって自分の家以外の楽器を弾く機会は多いものです。そんな時、爪が長いと鍵盤に傷が付いてしまいます。

爪が短い状態で弾くことは、ピアノを弾く人の「マナー」でもあります。このマナーを、ピアノを習い始めた初期に身につけておくことは、とても大切なことです。

ピアノを弾く人の理想の爪の長さ

人によって、爪の形が違うので一概に「何ミリ切ればOK」と言うのは難しいものです。ピアノを弾く時に鍵盤に触れない長さにする必要があります。

正しい指のフォームで鍵盤に爪が当たらない、ということが肝心です。「正しい指のフォーム」とは下の写真のような、ほどよくカーブしている指の形のことです。

長すぎる爪を写真で見てみましょう。

裏から見て爪が見えているなんて、完全にアウトです。

尚、爪を切る時は皮膚との付け根に沿って同じ形(幅)になるよう、丁寧に切りましょう。1つの指につき、5、6回くらいパチン、パチンと切るイメージです。

1本の指につき、切る回数が2、3回くらいだと、雑な仕上がりになってしまいます。

そうなると、とがった部分ができてしまい、場合によっては、爪が鍵盤に当たりやすくなります。それは、少し伸びた時に、自覚なしで、鍵盤を傷つけてしまうことにもつながりかねません。

 

爪の生え方によっては、上の写真くらい(1㍉)爪があるだけで、鍵盤に爪が当たる人もいます。そういう人はもっとまめに、手入れをする必要があります。

「ピアノ弾きは爪は短め」は暗黙のルール

ピアノを弾く人は、ほぼ爪を短くしているものです。

どんなにおしゃれな人でも

ピアノの指導者や演奏を仕事にしている人は、どんなにおしゃれな人でも爪は常に短めにしているものです。ましてやマネキュアをしている人も見かけません。

おしゃれな服装、髪型をして華やかにしている人でも、そういうものです。それが、ピアノの世界では暗黙の了解と言えることでもあります。

ピアノ学習者も、先生にレッスンを受ける場合はそれが暗黙のルールです。

中学時代に恩師に爪を切ってもらった話

中学時代から師事しているピアノの恩師は、現在でも大変お世話になっています。

中学生の時、レッスン中に爪が長いことを指摘され、その場で爪を切ることになってしまいました。

ピアノを習う立場なのに、中学生にもなって爪が伸びていたことが、とんでもなく恥ずかしく、さらには恩師が見ている前で爪を切るなんて…と、とても情けない思いでした。

早くこの場が終わるように、と急いで切ったのですが、急いだ分、雑な切り方になってしまいまして。見るに見かねた恩師は、代わりに私の爪を切ってくれました。

中学生なのに人に爪を切ってもらう。それがすごく恥ずかしいことに感じたのですが、その切り方がとても細やかで丁寧で、印象的だったのです。

「爪ってこんなに丁寧に切るものなんだ」と初めて知り、感動に近い心境でした。大げさかもしれませんが、そのくらい丁寧だったのです。

今でも爪を切るときは、その時の丁寧さを頭に置いて切っています。雑になって深爪になると、弾く時に痛いですしね。

この記事で紹介した切り方はその当時に恩師から教わったことをもとに書きました。

まとめ:ピアノを弾く時、爪を短くすべき理由。

ここまで、ピアノを弾く時、爪を短くすべき理由を説明しました。

普段気にかけていないと、爪はすぐ伸びてしまいます。

長いまま弾いてしまうと、鍵盤の無駄な音がしたり、鍵盤の上で滑ったり、はさんだりしてしまいます。

またピアノ学習者はよそのピアノを使わせていただくことも多いもの。鍵盤に傷がつかないようにするためにも、爪は短いことがマナーなのです。

そのような理由からか「ピアノ弾きは爪が短い」というのは暗黙のルール。

普段から指先に気にかけて、ピアノを楽しみましょう。

少しでも参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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ピアノを弾く人のための寒さ対策

ピアノを人前で演奏する時に、身体が冷えてしまうこと。指が思い通りに動かず、とても酷な状態ですよね。

それでも発表会、コンクール、オーディション、入学試験、採用試験、演奏会など、そういった「本番」を迎える時に、自分の最高のパフォーマンスが出せる環境で演奏できるとは限りません。ただでさえ緊張して、身体がカチコチになる本番。その上、少しでも寒い会場だと、さらに身体はガチガチになってしまい、指先のコントロールは完全に崩壊してしまいます。

筆者も寒がりで冷え性体質。子どもの頃から、何十年も悩まされていました。

一番過酷だったのは雪の降る日に、野外でイベントの本番があったこと。かろうじて屋根はありましたが、極寒でした。あの時の、恐ろしいほど指が動かなかった過酷な環境での本番、今でも忘れられません。

それは例は極端かもしれませんが、とにかくピアノを弾く人にとって寒さは大敵です。

この記事では、本番で少しでも普段の力が出せるように、寒さ対策についてお伝えします。

ピアノの本番での寒さ対策

冬は会場内は暖房が効いていますが、廊下やトイレには暖房が効いていないこともあります。また、トイレに行って手を洗う時、冷たい水で手を洗わざる得ないことも。そうなると、さらに指はカチコチに…また、夏はエアコンが効きすぎている会場もあります。

手が冷えてしまうことを想定して、いつの季節でも本番前は、準備をすることをおすすめします。

手を温めるグッズを用意する

夏であっても、会場は舞台袖でエアコンが効きすぎる、ということがあります。その対策として、カイロ、手袋、カーディガン(羽織もの)を準備し、本番直前まで使用しましょう。冬であれば、温かい飲み物をで手を温めることも効果的です。

身体全体を温める

指を温めるために、身体全体をほぐしましょう。力が入ってそうなところを特に伸ばしたり、肩甲骨周辺の筋肉をストレッチしましょう。筋肉が固まると血行が悪くなり、冷えにつながるそうです。その逆の動作をして、温めましょう。

そして、指先(爪の付け根)を揉むと血の巡りがよくなり、温かくなります。ただし、気をつけることは、薬指はだるさや眠気を誘うことになるそうです。薬指以外を刺激しましょう。

冷え性体質を改善してしまおう

ここでは簡単な方法で出来る、末端冷え性改善方法を紹介します。

諦めていた冷え性体質

筆者は子ども時代から少しでも寒い日は、手足の末端は常に冷たく、その冷たさでは誰よりも負けないほどの冷え性でした。

そんな体質なので、ピアノの本番での寒さには、いつも苦労していました。人にとっては常温でも、私にとっては寒いのです。どうすることもできません。ピアノ弾きにはとても不利な体質だと諦めていました。

ところが10年ほど前に、あることをきっかけに冷え性が治ってしまったのです。こんな簡単な方法で冷え性が治るならば、もっと早く知っておけば、こんなに苦労しなかったのに、と今では思います。

今でも寒がりには変わりありませんが、毎年できていたしもやけが、いつの間にか出来なくなっていました。それほど明確に、冷え性は改善されていたのです。

しもやけまで治った冷え性改善方法とは

その改善方法ですが、とても簡単な方法なので、冷え性の方はいっそのこと、体質を改善してしまいましょう。それはピアノの本番のためだけでなく、健康面でもとてもメリットがあることです。

その方法とはスバリ、入浴時に水シャワーを浴びることです。

ちなみに私は、下半身だけ浴びます。その前後はもちろん温かいお湯に浸かってOK。水シャワーを浴びた後にお湯に浸かると、水をかけた部分が特に温まります。

水にかかっている間はもちろん冷たいです。その冷たさとその後のお湯の温度差で、血行がよくなるのでしょう。

慣れないうちは足先だけでも試してみてください。徐々に範囲を広げていけば、広げた分だけ、身体は温まりますかける時間は長ければ長いほど効果は大、です。

さらに効果を増やしたい時は、「湯船に浸かる→水シャワー→湯船に浸かる」このパターンを数回くりかえします。面倒ですが、やった分だけ温まります。

私はこの方法で、冬にお風呂の追い焚き機能もほとんど使わなくなりました。お風呂から上がってしばらくしても温かさが持続します。どんな冷え性対策の方法より、この方法が断トツで効果的でした。なんと言っても必ずできていたしもやけが解消されたほどですから。

それによって、それまでの「本番の冷え」の悩みからも、随分解放されました。

ただ、周りにその効果を熱弁しても、「水シャワーなんて、寒くてとんでもない」と信じてもらえず、ほとんどの人が試そうとすらしてくれません。そういう人は、元々、冷え性を克服する必要がないのかもしれませんね。

内臓系に持病などある方は、決して無理をしないようにしてください。

末端冷え性を改善した内容については、別記事でも紹介していますので、こちらをどうぞ。

しもやけレベルの冷え性を克服した方法

まとめ:ピアノを弾く人のための寒さ対策

ピアノを弾く人にとって、本番での寒さは大敵です。寒さのせいで、まるで自分の身体ではないかのように、指がコントロールができなくなります。

いつの季節でも会場には空調が使われています。快適な室温にするためのものとはいえ、自分にとって最適な温度で本番が迎えられるとも限りません。

緊張のせいで練習してきたことが発揮できないことは「ピアノあるある」だとしても、「寒さのせいで指が動かなかった」という状況は、できるだけ避けたいものです。

カイロ、手袋、カーディガン(羽織もの)、温かい飲み物などを準備し、少しでも安心できる状態で本番を迎えるようにしましょう。

長い目で見れば、冷え性の人は体質を改善することは大きなメリットです。入試や試験を受ける予定がある人はぜひここで紹介した「水シャワー」を無理のない範囲で試してみてください。冷えが改善されると、本番や冬の生活が随分と楽ですよ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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絶対音感って何?

「絶対音感」という言葉を聞いたことがあると思います。音楽における、ある特別な才能がある人のことですが、どのような才能のことでしょうか。

実際には、音楽の仕事をする人でも絶対音感がある人って、意外と少ないものです。楽器演奏にも、必ずしも必要なものではありません。

これまで筆者の周りで「絶対音感」が話題になった時によく感じたことですが、言葉の意味を少し勘違いしている人が多かった印象があります。

この記事では、「絶対音感」について、間違えやすい点と、正しい内容をシンプルに説明します。

絶対音感について知ろう

ここでは、絶対音感について、勘違いしやすい内容も含め、説明します。

絶対音感とは

絶対音感とはズバリ、「ある音の高さを他の音と比べずに判別する能力」のことです。

それは、楽器の音だけに限りません。

世の中には、楽器の音以外に、様々な音が存在します。

例えば、風の音、動物の鳴き声、車のクラクション、包丁で野菜を切る音、お湯が沸く音、時計の秒針、ドアが閉まる音、などなど。

絶対音感を持つ人は、そのように「音が特定できないような音」でも、音名(ドレミ)で聞こえてくるのだそうです。

実際には、生活音や自然音は、楽器の音で表せない音が多いものです。例えば、ピアノでは「ド」のひとつ高い音は「ド♯」ですが、『さっき吠えた犬の声は「ド」より高くて「ド♯」より低い』という曖昧な場合も多いです。

絶対音感は、そのように「楽器の音に当てはまらないような曖昧な音すら、判別できる能力」なのです。

基準の音(楽器の音など)がなくても、自分の記憶で正確な音程が分かります。

ちょっと勘違いされやすい点

流れてきた複雑な音楽をピアノで忠実に再現できたり、曲のリクエストをかっこよく楽器で演奏できたりするような、音感に優れている人・・・

そういう人は「絶対音感があるんだね」と思われがちです。少なくともこれまで、私の周りでは、そういう類の人たちのことを「絶対音感を持っている人」、と呼んでいる印象がありました。

厳密にいうと、それは「絶対音感」ではありません。

確かに、絶対音感を持っている人は、同じようなパフォーマンスができるかもしれません。

しかし、聞いた音を楽器で演奏できる能力は、実は絶対音感とは違う種類の音感なのです。

相対音感について

生活音・自然音とは対照的に、多くの楽器はほぼ共通の音程になるよう作られています

つまり、どの楽器の音も、ピアノの鍵盤にある音程で表すことができます。

ただ、弦楽器や管楽器はその時の温度や湿度などによって、音程が微妙に変わります。合奏する時は、全体を同じ音程に合わせるため、基準の音を聴いてチューニングする必要はありますが、基本的に楽器には「曖昧な音」はありません。必ず、音程があります。

このように、基準の音を聞いて音を判別することを「相対音感」といいます。だいたいの楽器演奏者や音楽家は自然と身につけているものです。訓練すれば、大人になっても伸ばすことが可能な能力です。

先ほど例にあげた、「聞こえた音をすぐに楽器で演奏できる人」は「相対音感が非常に優れている」ということになります。

音楽の仕事で必要な能力は

聞いたメロディーや和音を瞬時に楽譜に書きおこしたり、即興で演奏したり・・・そのような能力、羨ましいですよね。

くり返しになりますが、そのように楽器の音を判別する能力は、いくら才能が秀でていたとしても「相対音感」なのです。

相対音感のレベルが高い

というだけなのです。

もちろん、「絶対音感」がある人は、基準の音がなくても、音を瞬時に識別できるわけですから、その能力はとても便利です。音楽家であれば、とても役に立つ才能だと思います。

ただし、音楽の仕事をする上で必要な能力は「相対音感」の範囲内なのです。

相対音感は、レベルの差こそあれ、大人になっても(楽器未経験者でも)、身につけることは可能です。

ただし、高いレベルの相対音感を身につけたい場合は、それ相応の訓練が必要となります。

相対音感について、もっと興味のある方はこちらへどうぞ↓

手っ取り早く鍛える、音感トレーニング

まとめ:絶対音感って何?

ここまで「絶対音感」について説明しました。

絶対音感とは、「ある音の高さを他の高さを比べずに判別する能力」のことです。

それは、楽器の音に限らず、生活音や自然音のように、楽器の音に当てはまらないような曖昧な音ですら、識別できる能力です。

一方で、「基準の音を聞いて音を判別する能力」を相対音感といいます。大人になってからも身につけることは可能です。

なお、「聞いた音楽をピアノや楽器で忠実に演奏できたりする能力」は絶対音感ではなく、相対音感です。相対音感のレベルが高いと、複雑な音楽でも、聴いて即座に楽譜にできたり、演奏できたりするわけです。

なので「絶対音感があって羨ましいな」と思う必要はありません。音楽家であっても、絶対音感がなくて困ることはほぼないのですから。

それよりも、相対音感をより鍛える方が、現実的で実用的ですよ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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ピアノ奏者が結婚式場でのオルガニストになる方法

ピアノ奏者、経験者にとって、何かひとつでも演奏のお仕事につながることがあれば、稼ぎながらもいい経験ができ、一石二鳥です。そのひとつに、「結婚式場のオルガン演奏」というものがあります。ピアノは練習してきたけれど、オルガンは未経験だよ、という人にとっては、一見ハードルが高いと感じるかもしれません。

ピアノとオルガンは「鍵盤楽器」という点では共通していますが、どのような違いがあるのでしょう。そして、オルガン奏者になるには、どのような技術が求められるのでしょうか。

筆者もピアノ経験はありましたが、オルガンは未経験でした。なので、最初のうちは緊張、苦労、失敗の連続でした。

なお、ここで述べる結婚式場とは主に「チャペルでの挙式」のことを指し、披露宴会場での演奏はまた別のお話ということになります。

基本的に現場にはオルガニストは1人なので、仕事で実践しながら他のオルガニストの様子を見学できる機会はなかなかありません。

そこでこの記事では、筆者が15年以上に渡り式場でオルガンを演奏して感じる、オルガニストとしてお仕事をするコツを紹介します。

オルガンについて

式場のチャペルにはパイプオルガンが常設してあるところが多くあります。オルガンは鍵盤楽器ですが、同じく鍵盤楽器であるピアノとどのような点が違うのでしょうか。

ピアノとオルガンの共通点と違い

オルガンの歴史はピアノより古く、ヨーロッパで教会の楽器として普及していました。リコーダーのようなパイプに風を送り込み音を鳴らします。つまり音の鳴るしくみは、ピアノとは全く異なるものです。

またボタンの操作で音色が変わりますし、音の組み合わせによっては重厚感のある音も出ます。そして足にも鍵盤、音の強弱を調整するペダルがあります。

逆に、ピアノにあるダンパーペダル(右端のペダル)のような役割のものがないので、鍵盤から手を離すと、音の響きは残りません

オルガンは「エレクトーン」に近い

ヤマハで製造・販売されている「エレクトーン」という楽器を聞いたことがあると思います。電子オルガンのことです。機能はオルガンに近いので、きっとエレクトーン経験者にとっては、オルガンの演奏はお手の物だと思います。

式場のオルガニストに求めれられること

「鍵盤楽器」ということ以外は、ピアノとオルガンには大きな違いがあることを説明しました。しかしこの違いを把握して対策すれば、ピアノ奏者でも、式場のオルガニストになれます。

そこで、オルガニストに求められる内容を紹介します。

挙式での音楽演出

式場によって、音楽を演出する楽器の編成は異なります。オルガンのみで演奏、という式場もあれば、弦楽器、管楽器、聖歌隊、それにプラスしてオルガンという組み合わせもあり、様々です。中には常設されているのがオルガンではなく、ピアノや電子ピアノ、という式場もあります。

いずれにしろ、鍵盤楽器の存在は、ほぼ必須と言えます。

式の進行のきっかけ音づくり

挙式の進行に合わせて、音楽スタートのきっかけはほとんどがオルガンとなります。

主な進行で言うと、「新郎入場」「新婦入場」「讃美歌」「指輪交換」「ヴェールアップ&キス」「退場」…などです。聖歌隊や他の楽器は、オルガンの前奏に合わせて演奏します。そういう意味では、オルガン奏者は式の進行に慣れるまで、1番気が抜けない立場と言えるかもしれません。

式中の曲の長さの調整

そして新郎新婦の動き、場面に合わせて、音楽の長さを調整する必要があります。例えば、新郎新婦入場時は、牧師の前まで到着するまでは音楽は必ず必要です。その場合、ゆっくり歩く新婦様の場合は、曲をいつもより長めに演奏する必要があるということになります。

聖歌隊や他の楽器との共演では、奏者間での楽譜は共通ですが、曲の長さを延ばす時は、オルガン奏者が後奏を長めに弾くなど、アレンジを加える必要が出てくるのです。

レギュラー曲以外の突発的な曲対応

基本的には、使われる曲は式場によって毎回決まっていますが、時々、曲変更のリクエストが来ることがあります。そういう場合は事前に知らされることがほとんどなので、ご安心ください。奏者間で共通の楽譜を準備する必要があるからでしょう。

ただし、当日、かなり稀に「進行の流れ」が変更になることはあります。通常、挙式の流れに内容が追加される、ということです。その場合は、突発的に曲の追加が必要となり、たいていはオルガニストだけでレギュラーの曲以外の曲を弾くことが求められます。

そういうこともあり、オルガニストは指定曲以外で、ソロ曲を準備しておくと安心です。

チャペルの雰囲気やシーンに対応できるよう、厳かな曲、可愛らしい曲…などいくつかパターンがあると良いでしょう。

足鍵盤について

オルガンには音程のある「足鍵盤」があります。オルガンやエレクトーン経験者にとっては、足鍵盤の操作は難しくないと思いますが、ピアノ奏者にとってはハードルが高いものです。

ゆっくりな曲であれば、その曲だけを、足元を見ながら練習すれば弾けるようになるかもしれません。

実際、今は足鍵盤は使わない会場も増えてきています。もし足鍵盤を使う必要があり、テンポが速くて、どうしても演奏に自信がなければ、手の鍵盤のみで演奏できるアレンジを事務所などに相談してみるのはいかがでしょう。それで対応可能になる場合は充分あります。

新郎新婦様にとっては一生に一度の大切な時間です。無理に足鍵盤をマスターしようとせず、確実にノーミスで弾ける安全策を取りましょう。

音を自然につなげるための奏法

オルガンにはピアノにあるダンパーペダル(右端のペダル)がないので、演奏中に音が飛躍する時は、音が途切れて聞こえてしまいます。そうなると、大音量で演奏することが多いので、とても不自然に聴こえます。

音が大きく飛躍していなくとも、和音が連続して動くところでは、音が途切れずに弾くことは、ピアノ奏者には最初は慣れない作業になるかもしれません。

もちろん、フレーズの終わりとフレーズの始まりの間であれば、一瞬音が無くなっても問題ないです。ただし、フレーズの途中で音が一瞬でも消えると目立ちます

そこで、日頃ピアノで挙式の練習する時はもちろん、ダンパーペダルなしでの練習が必要です。

そして音が途切れて聞こえないために、「次の音を弾くまで、どこか1音だけでも音を押さえたままでいる」ということをおすすめします。

例えば、左右の手をほんの少し時間差で弾いたり、小指だけ押さえたままで次の音を弾く準備が整ったら小指もはずし次の音を弾いたり、などです。

何度か試して、感覚を掴むのが一番だと思います。それが出来れば、オルガンの弾き方は心配いりません。

なお、音の強弱は足のペダルで調整するので、表現力(音色など)はあまり問われません。正直、表現力については、ピアノの方が難しいと感じます。

曲の長さを調整するための具体的な方法

前述で、オルガニストの大切な役割で「曲の長さの調整」が必要だと述べました。最後に、その具体的な方法を紹介します。

曲を短くする必要はない

他の奏者との共演の場合、基本的には合奏なので、アドリブで短くすることは難しいです。ただし、特に入退場については、曲が長めである分には問題ありません。つまり、曲の長さを調整する上で、曲を短くすることを考える必要はないということが言えます。

曲を長めに弾く場合

楽譜通りの演奏が終わっても、まだ曲が足りない(=新郎新婦の動作が続いている)時は、オルガニストだけで演奏を続けることが必要です。自分の中で、「(楽譜の)ココに戻ろう」などと、戻る場所を決めておくと本番で焦らず弾けます。また、その時に便利なのが「コード」の活用です。

コードの活用

コードはピアノ学習者、特にクラシックを勉強している人にとっては知らなくてもいい分野かもしれません。

しかし、チャペルでのオルガン演奏においては、コードが弾けると、とっても楽です。自然なコード進行をメモしておいて、音楽が足りない時にそれを弾いておけば、ひとまず音楽は続きますから、安心です。コード弾きをするだけで、それなりに聴こえるところがオルガンのいいところだと思います。

さらに言うと、楽譜全体にコードを書いておいて、オルガンだけで簡単にメロディーと伴奏が弾けるようにしておくと安心です。

そうしておけば、たとえ本番中にイレギュラーな出来事が起きて、曲を極端に長く弾く必要ができても、焦る必要はありません。「足りない分は全てオルガニストが繋ぐ」と決めておくことで、音楽面においては、式は無事に進行するのですから。それは他の楽器にはなかなか出来ない役割だと思います。

大変な役割ではありますが、それだけなくてはならない存在だと言えます。

まとめ:ピアノ奏者が結婚式場でオルガニストになる方法

ここまで、ピアノ奏者、経験者が式場のオルガニストになる方法を説明しました。

長年この仕事を続けていると、稀に式の本番、イレギュラーなことが起きます。そういう時、最初のうちは「どうやってこの場を乗り切ろうか」ととてもヒヤヒヤしたものでした。

今では何が起きても、「曲が足りない時はオルガンに任せて。いくらでも弾くよ。」という姿勢でいれば、何も焦る必要がないことが分かりました。奏者間での打ち合わせも最小限で済みます。

そのために、コードを活用して、合奏用のアレンジ譜でもソロで弾けるようにしておきましょう。

あとはピアノのダンパーペダル(右端)がなくても、音が途切れて聞こえないような奏法に慣れることです。家ではペダルなしの練習をして、会場で少し指ならしをして、慣れましょう。

奏者の中でも重要な役割を担うオルガニスト。式中の進行の音楽は、ほぼオルガンきっかけなので、他のどの奏者よりも責任重大です。しかし、新郎新婦様の大切なシーンに貢献でき、そして経験も積めるというとてもすてきなお仕事です。

チャレンジしたいけど自信がなかった、という方はぜひこの記事を参考に前に、踏みだしてみてください。ピアノ奏者・経験者の方なら大丈夫です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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ピアノのミスタッチ〜原因を知って、ミスを減らそう。

ピアノのミスタッチ。聴いている人にはすぐに分かってしまうので、できるだけ減らしたいものです。

筆者自身、ミスタッチの多さにとても苦労してきました。長年、楽譜に忠実に、長時間ひたすら練習することでピアノは必ず上達する(→おのずとミスが減る)と信じてきました。しかし残念ながら、私の場合は長時間の練習しても、大事な場面でのミスが減らなかったのです。

ある時、ミスタッチを減らすことにつながる練習方法を偶然に知りました。ミスを減らす目的でその練習をしたわけではなかったのですが、結果として楽譜を見てピアノを弾くことが、以前よりもかなり楽に感じるようになったのです。

もちろん、ミスタッチの原因は何か、一概には言えません。練習回数を重ねればある程度は解決することかもしれませんし、一方、練習ではちゃんとできていたのに、少し緊張すると思わぬところでミスをしてまうということもあると思います。

ピアノを弾く人のレベル、曲の練習期間、曲の完成度など、条件が違うと対処法は異なりますし、プロのピアニストでもミスタッチがゼロになる訳ではありません。

ただ、少しでも減らす方法が分かれば…ピアノを弾く人にとって共通の想いでしょう。この記事ではミスタッチをしてしまう原因とそれを減らす方法についてお伝えします。

鍵盤の感覚が身に付いていない(超初心者向け)

このセクションではピアノを始めたばかりの人向けに説明します。

手元ばかり見てしまう場合

ピアノ初心者は、お子さんでも大人でも、どの鍵盤に指を置くべきかまだよく分かっていない、ということがあります。つまり、鍵盤の感覚が身についていないと言えます。

たとえ弾くべき音符が頭で理解できたとしても、脳で捉えた音と手の動きが一致していないために、手元を見ないと弾きたい音に指がいかないのです。お子さんはまだ手が小さいこともあり、隣の音ですら距離が長く感じてしまいます。

ピアノの演奏において、指先の感覚はとても大切です。その感覚が育たないと、譜読みに時間がかかります。また、楽譜と音の関係を把握する力が伸びないので、理論を身につけることも難しくなります。

パソコンには「ブラインドタッチ」という言葉があります。ピアノについても手元を見ずに弾くことは、このブラインドタッチの感覚に近いかもしれません。パソコンは訓練すれば、だいたいの人がブラインドタッチをできるようになりますし、訓練しなくても、常にパソコンを使っていればどこに何のキーがあるか感覚で分かってきます。

つまり、ピアノも鍵盤に触れる回数が増えれば、近くの鍵盤は手元を見ずに弾けるようになるのです。

ただし、パソコンはキーによって指が決まっていますがピアノは決まっていません。ピアノは鍵盤が88鍵盤もあり、パソコンと比べると押さえる数が多いので、当然かもしれません。そこがピアノの難しいところでもあります。

手の感覚だけで鍵盤を探す練習

ここで、手の感覚だけで鍵盤を探す練習を紹介します。ゆっくりでいいので、手を見ないで指を動かしてみましょう。

①右手で、ドの音に1の指を置く(ここは手元を見てよい)

②手元を見ずに、2–レ、3–ミ、4–ファ、5–ソというように指を置き、何度も弾いてみて、感覚に慣れましょう。尚、音を出す時に常に、ドレミを声に出して言うと、耳の訓練にもなります。

③次にドの音を基準に、ド→レ、ド→ミ、ド→ファ、ド→ソ、と弾いてみる…

それが出来たら、次はレの音を基準に他の音を弾いてみる…など手元を見ずに色々なパターンを弾いて、さらに感覚に慣れましょう。指先、耳、脳の3つに働きかけます

④左手でも、上記の①〜③をやってみましょう。

⑤隣同士に並んだ音をミスなく弾けることは重要な感覚です。隣同士の音に慣れてきたら、少しずつ「離れた音の鍵盤感覚」も身につけるとよいでしょう。

このように、基準とする場所に指を置いたら、後は感覚で鍵盤の位置が分かるようになると、ピアノを弾くことがスムーズになり、ミスタッチを減らすことにつながります。

練習不足、またはテンポが速すぎる

レッスンまでにある程度、練習していったつもりでも、先生の前で弾くと沢山ミスをしてしまう、ということはありませんか?自分一人で練習している時はもっとできるのに…

結論から言うとそれは、練習回数がまだまだ足りていないということになるのですが、言いかえると「今の段階では、そのテンポが速すぎる」ということです。

練習方法として、自分の声でゆっくりめにカウントしながら弾いてみましょう(下記参照)。声で数えながら弾く、という行為は難しく感じるかもしれませんが、ゆっくりのテンポであればできるはずです。逆にこれができないということは、正しく弾けていない可能性が高いということです。なので、その状態でテンポを速くしたとしても、正しく弾けるまでに、かえって時間がかかりますし、むしろミスタッチが増える原因になってしまいます。

<カウントしながら練習する方法>

カウントする時、数の後に「ト」という言葉を入れて細かく数えるようにします。まずはピアノを弾かず、声だけで数えてみましょう。どの数字も同じ幅で刻むことが大切です。速くなったり、遅くなったりしないように気をつけます(メトロノームに合わせてカウントしてもOK)。

4/4拍子の場合
1ト 2ト 3ト 4ト

3/4拍子の場合
1ト 2ト 3ト

声で正しくカウントできるようになったら、ピアノを合わせます。止まってしまったり、不安定になったりした時は、もっと遅いテンポでやるように心がけましょう。

<メトロノームに合わせる>

声のカウントで練習できるようになり、もう少し速いテンポでやる場合はメトロノームで合わせてもよいでしょう。この時、「少し遅いかな?」と思うくらいの速さを設定することがコツです。そうすることで、ハードルが下がり、より早く、正しく弾けていない部分に気がつくことが出来ます。

このように、ゆっくりでもノーミスで弾く成功体験を指に覚えさせましょう。そうすることで、確実に上達します。それさえ出来れば、その後、テンポを少しずつあげることはそれほど難しいことではありません。

ピアノの基礎練習が足りていない

曲の演奏に必要な基本的な動きが日頃から身についていれば、無駄なミスタッチをすることは少なくなります。前述で「鍵盤の感覚」について触れましたが、このセクションではもう少し経験のある人向けに鍵盤の感覚を身につける方法についてお伝えします。

その練習方法の一部には、スケール(音階)アルペジオオクターブの練習などがあります。これらの練習はハノンの「ピアノ教本」に楽譜が載っていますので、ぜひ毎日の基礎練習として行うことをオススメします。

鍵盤の感覚は、弾くことで得た筋肉の感覚からの情報を、脳に蓄積させることで身についていきます。これを意識的に行うとよりしっかりと脳に認知させることが出来ます。最初のうちは、手元を見ることも必要です。見ることで目からも情報が入り、より鍵盤の感覚が認識できるようになります。そのうち、手元を見ずに弾けるようになると、楽譜を見ながら曲を弾く時にミスタッチが減る可能性が高まります。もちろん、音が跳躍したり、必要なところでは手元を見てもOKです。

ピアノの基礎練習についてはこちら↓
ピアノ上達ヘの道!ハノンを効果的に活用する方法

指の筋肉がついていない

特に黒鍵を弾いた時、鍵盤の上で滑ることがあります。そこだけを何十回と練習しても、滑らずに弾ける確率がなかなか上がらない…それくらい難しい曲に出合うこともあります。特に黒鍵は白鍵よりも細いため、はずしてしまうのは仕方ないことかもしれません。そういう時にどのような練習が効果的なのか、著書や教則本には意外とその対策法が説明されていません。

筆者が昔、ピアノの師匠に「練習を重ねても鍵盤の上で滑る」ことについて相談し、理由を尋ねると「指の筋肉不足」と言われました。その対策として始めた練習方法は、ハノンの指練習を黒鍵で弾くことです。

ハノンの第1部には指の粒を揃えるための練習が沢山あります。本来、第1部は全てハ長調なのですが、練習として1曲選び、全て半音上げて(♯をつけて)、嬰ハ長調(変ニ長調)で弾くのです。

ハノン 第1部1番を例にとります。原曲はこれ↓(ハ長調)です。

この楽譜を半音上げると、下の楽譜のようになります。楽譜に説明があるように、ハノンの教本でも、このように黒鍵の練習を勧めています。

ただこのページは、第1部に入る前のページにあり、しかも練習の効果について特に触れていないので、誰もがスルーしてしまうような存在感でしかありません…実際、私も最近までこのページに黒鍵の練習方法が記載されているなんて、気が付きませんでした(師匠のオリジナル練習法だと思っていた)。

しかし、非常に効果のある練習であることは、皆さんにお伝えしたいと思います。

ちなみにハ長調を半音上げると理論的には上の楽譜のように「嬰ハ長調」となりますが、「嬰ハ長調」は一般的には「変ニ長調」として表されます。ですので、教本の中の他の番号を練習する時も、変ニ長調として練習すると弾きやすいと思います。

ちなみにこういうこと↓ですね。

この練習は、黒鍵ばかりで非常に弾きにくいので、リズム練習をひたすらやること、それが効果的です。そうすると随分、指が自由にコントロールでき、黒鍵に慣れてきます。私の場合は、これをしばらく続けるうちに、黒鍵の上でミスタッチする回数がかなり減りました。今でもよくこの練習をします。

ちなみに、リズム練習についてもこちらの記事で説明しています。
ピアノ上達ヘの道!ハノンを効果的に活用する方法

意外と知られていない、効果的なミスタッチ克服法とは?

楽譜を見ながら弾いていても、緊張する場面でミスをしてしまうことがあります。楽譜を見て弾くとはいえ、充分な時間をかけて準備をしているはずなのになぜ、ミスタッチをするのでしょうか?

実は筆者もそれについて長年、悩んできました。本番がある度に長時間練習していましたし、練習では間違えずに弾けていたとしても、本番で思わぬところでやってしまうのです。しかしその理由が「準備不足」以外には思い浮かばず、「次こそは完璧に!」と、さらなる練習量によって解決しようとしてきました。

ある時、練習している曲とは直接関係のない、とある練習を続けたところ、以前に比べて、指が正しい鍵盤の位置に導かれる感覚がありました。ミスタッチを減らすためにそれを行なったわけではなかったのですが、結果として、楽譜を見る→ピアノを弾く、その行為がとてもやりやすく感じたのです。それがこの記事で1番伝えたかったこと、「音感を鍛えること」です。

「音感」とは、音に対する感覚のことで、音の高低、音色などを聞きわける能力のことを言います。

音感を鍛えることで、ピアノを弾く行為がやりやすく感じるようになった理由のひとつには、耳と脳と身体をつなげる作業が音感を鍛えることで備わったことが考えられます。その作業がずれていると、長時間練習しても、非効率的な練習になってしまい、ミスタッチを防ぐにも限界があるのだと思うのです。

例えば、英語の文法を理解していないのに、難しい英文をくり返し音読しても自分の言葉として喋れない、それと似たような感じだと思います。

小さい頃から、ソルフェージュのレッスンなどをしっかり受けて、音感が身についている人にとっては、この記事は参考にならないと思います。そもそもそういう人は、ミスタッチに悩まされることがあまりないか、悩んだとしても、もっと上の次元だと考えられるからです。

しかし、調性の感覚が少しでも自信がない人にとってはぜひやってみる価値が高い方法です。

たとえミスタッチをすることになっても、同じ和声の音を弾くことによるミスは、聴いている人にはあまり違和感はないはずです。音感が鍛えられると、万が一、ミスしそうになってもその曲の調の音を弾くか、その小節の和声を弾くなど、ごまかせる余裕さえ持てます。

つまり、ミスはミスでも、「より聴衆からバレにくいミス」程度に済ませることもできるのです。そうなると、次の音からすぐに立て直せますし、弾いていて「ヒヤッ」とするようなことも減らせることになります。

それは実力の底上げにもつながります。音楽の理論という分野にも関わってくることです。

つまり、音感を鍛えることで、大切な場面でのミスタッチを減らすことができるようになりますし、練習時間も減らすことができるようになります。このように「音感を鍛える」ことは、ピアノ学習者にとっていいことだらけなのです。

一般的にはソルフェージュのレッスンを受けると音感が鍛えられます。しかし、レッスンに通うとなると、お金も時間もかかってしまいます。そこで、自分でできる方法のひとつとしては、前述の「基礎練習」で挙げたように、スケール(音階)とアルペジオの練習をやることです。あとは筆者がやっている方法があるので、それを参考にどうぞ。関連記事はこちら↓

手っ取り早く鍛える、音感トレーニング

暗譜の練習が充分でない

ピアノの発表会や、ステージでの本番など、人前で暗譜で披露する機会もあると思います。もちろん、そういう場合は楽譜ありの本番よりも一層、準備に時間をかける必要あります。その準備が充分でなければ、緊張する場所ですし、ミスタッチをしてしまいます。逆を言えば、練習が充分であればあるほど、ミスタッチは減らせる、と考えられる訳ですが、そんな単純なことでは片付けられないところが、ピアノを人前で弾くことの難しさです。

単旋律の楽器と違い、ピアノはメロディー以外に和音やバスの音、打楽器、など多くの役割をひとつの楽器で弾くので複雑な動きをします。ただでさえ緊張のあまり、急に頭が真っ白になることもあります。

また、いつもと違う指づかいをしてしまうだけでも、調子が狂ったり、その後の流れが分からなくなったりする原因となります。

そんな暗譜必須のステージの恐ろしさは、経験した人でないと分かりません。そこからくるミスタッチの解決策としては、暗譜する方法を色々試すなどをして、対策を練ると良いでしょう。

その他のミス

それ以外で考えられるミスについて説明します。

跳躍が長い

前の音と次の音に距離がある場合。距離が長いほど、ミスタッチをする可能性が高まります。そういう時は、距離のある2つの音を、何度も弾いて、手にその距離の感覚を覚えさせましょう。視覚的に捉えることも大切です。特に次の音の着地点を早めに認識し、気持ち的にも余裕を持って準備が出来るよう、練習しましょう。

身体や腕が力んでいる

思わぬところでミスタッチが発生する理由に、身体や腕が力んでいる、ということがあります。ピアノを演奏する上で、自然な呼吸が出来ていないと、音楽の流れが止まり、ミスタッチにつながってしまうのです。

難しいパッセージではついつい、力が入ってしまいそうになりますが、ピアノを弾く時は、常に身体はリラックスし、上手に呼吸をして、「歌」を感じるようにしましょう。

突発的なミス

暗譜をして人前で弾く本番では、充分な練習量で準備をして挑むものです。しかし、本番でしか味わえない緊張感の中では、暗譜をしっかりしていたとしても、突発的にミスをしてしまうことがあります。ただ、その次元でのミスタッチは、一流のピアニストですらあり得ることです。悔いのないだけ練習をしたら、本番で起きてしまうミスについてはわりきりましょう。

大切なのはその後の音楽の流れを止めないことです。あとは少なくとも、曲の出だしと、最後の音だけは外さないように、心がけましょう。そこはとても目立つところです。外せないポイントは、特に意識して練習するようにしましょう。

それ以外は、音楽を感じて魅力的に演奏すれば、多少のミスタッチは意外と気にならないものです。

まとめ:ピアノのミスタッチ〜原因を知って、ミスを減らそう。

ここまでミスタッチについて説明をしました。ミスタッチの原因は、ピアノを弾く人のレベル、曲の練習期間、曲の完成度、などによって様々です。まとめると次のようになります。

①鍵盤の感覚が身についていない。
②その時点で、弾くテンポが速すぎる。
③基礎練習が足りていない。
④指の筋肉不足(特に黒鍵を弾く時)。
⑤音感が身についていない。⇦意外と見落とされがち
⑥暗譜の練習が充分でない。
⑦身体や腕に力が入っている

時間をかけて練習すれば解決できるものもあれば、どれだけ時間をかけても、本番で上手くいかないことがあります。そんな中で「音感を身につける」ことは、ミスタッチ防止にとても効果的な技術です。音感を身につけなくても、ピアノが弾ける人はたくさんいるので、意外と見落とされがちなのですが…

筆者はこのことを知らなかったせいで、長年、苦労してきました。だからこそ、知らなかった方にはぜひお伝えしたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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手っ取り早く鍛える、音感トレーニング

「音感」とは音に対する感覚のことで、音の高低、音色などを聞きわける能力のことをいいます。 音感を鍛えると、音楽をやる上でとても役に立ちますし、より音楽が身近になります。

子どもの時から何年も真面目にピアノを練習してきたり、ソルフェージュのレッスンを受けたりした人にとっては、これから紹介する方法は必要のないことかもしれません。 そういう人たちは何年にも渡る日々の学習で、音感が身につく要素を自然と取り入れているからです。

しかし、そうではない人たちが、今から音感を身につけようとすると、そのための時間を確保するだけでも、とても大変です。

そこで、当記事では、大人になった今からでも音感が身につけられる方法を紹介します。 もちろん、お子さんでもOK。 ピアノの前に座る時間は最小限にし、忙しい人でも実用的に音感を身につけられる方法をお伝えします。

音感は子どもでないと身につかないのでは? と思った人もいるかもしれません。

私自身、20代後半までその1人でした。 ところがあることがきっかけで、それまでものすごく遅かったピアノの譜読みが、とてもやりやすくなったのです。 そのきっかけこそが、今回紹介する練習方法を知ったことだったのです。

ここでは手っ取り早く音感を鍛える方法を、筆者の経験をもとに紹介します。

音感について

音感とは、音の高さを認識する能力のことを言います。 更にその認識方法によって「絶対音感」と「相対音感」に分けられます。 ここでは、音感の種類と身につけることについてのメリットを紹介します。

絶対音感と相対音感

絶対音感とは、ある音の高さを他の音と比べずに「ドレミ」で認識出来る能力のことです。幼少期に訓練しないとなかなか身につかないと言われています。ピアノの鍵盤にある「ド」の音にも楽器によって、高めの音、低めの音、など様々な高さの「ド」の音がありますが、その細かな差異を聞き分けられる特殊な能力です。

相対音感とは、基準となる音をもとに、その音がどのくらい離れているかを認識できる能力のことです。大人になってからも訓練することで、鍛えられます。この記事でいう「音感」は、主にこの「相対音感」のことを指しています。

音感を身につけることによるメリット

音感を鍛えることで、耳と頭における音の理解が出来るようになります。その訓練と指に運動を覚えさせることを組み合わせて練習すれば、楽器の習得が効果的に身につきます。具体的に、音感を鍛えると次のようなメリットがあります。

・メロディーを聴いて、すぐに楽器で再現できるようになる。
・難しい調(キー)の曲を、別の調に移調することができるようになる。
・楽器がなくても譜面を見ながら、正しいピッチでメロディーを歌えるようになる。
・聴いたコード進行をその場で分析する力が身につき、メロディーを聴きながら即興で簡単な伴奏をつけることが可能になる。
・耳コピの効率上がったり、思いついたメロディーを楽譜なしで譜面に起こすことが出来る。
・譜読みの時間が早くなる。
・楽器演奏でのミスタッチが減る。
・音楽理論が自然と理解出来るようになる。

ちなみに声楽科である友人が音感トレーニングをしばらく続けてみたところ、声楽の先生に「急に和声的になったけど、どうしたの?」と驚かれたそうです。私もその成果については予想外でした。このことから、音感を鍛えると和声感も養える、ということが言えます。

固定ド唱法と移動ド唱法

譜面の読み方には「固定ド唱法」と「移動ド唱法」があります。「固定ド」とは曲の調に関係なく、音名で譜面を読んだり、発声したりする方法のことです。一方、「移動ド」とは、調に合わせて、「ドレミ」の位置を変えて読んだり、発声したりする方法です。その場合はその調の主音を「ド」と読むことになります。

音楽大学などの入学試験では、専門楽器に加え、新曲視唱、コールユーブンゲン、コンコーネ、聴音などの試験があります。その際は主に、固定ド唱法が使われますので固定ドで練習することが一般的です。固定ドは、音の高さと音の読みが一致しているため、譜読みをする上でも適しています。

トレーニング編

ここでは実際に、音感を鍛えるための練習を紹介します。「固定ド唱法」でトレーニングします。

聴こえた1音を音名(ドレミ)で当てよう

始めに、ピアノの前に座ります。鍵盤を鳴らさずに、まず1音決めて、聞こえてくるであろう音を頭の中で想像し、声に出してみましょう。例えば「ド」の音。声に出したら、実際に鍵盤を弾いて、ピアノの「ド」と同じ音かどうか確認します。ピアノと自分の声の音が一致するまでくりかえします。できるようになったら、ドレミファソラシド全ての音で同じ作業を、ランダムに、出来るまでやりましょう。

相対音感では基準になる音は与えられるものですが、このように基準の音なしで、自分の感覚で音をイメージ出来ると、音感を鍛える手助けとなります。ちなみにこの練習は、スマホのアプリで「ピアノの鍵盤」をインストールすれば、外出先やスキマ時間でも訓練できます。ピアノの鍵盤がシンプルに表示されて、音が出るものを選びましょう。

この「1音当て」に慣れてきたら、ネットの動画やアプリでも音感トレーニング的なものがあります。練習の成果が確認できるので、試してみましょう。

音名(ドレミ)で歌えるようになろう

ここからが当記事の本題です。ここに音源と唱歌「ふるさと」のハ長調の譜面があります。下記の①から③の順番に沿って、練習を進めましょう。ここから「主音」という言葉が出てきます。その調の音階の最初の音のことで、ハ長調でいうと「ド」のことです。

①まずは音名(ドレミ)の音当てに挑戦

下の再生ボタンで音を再生して、聴こえた音を音名(ドレミ)で想像します。この時、②の譜面はまだ見ないようにします。ちなみに、音源では次の順番で弾いています。

調(キー)の主音/ド→主和音(Ⅰ度の和音)/ドミソ→ふるさとメロディ

 

ここでは最初に主音「ド」→「和音(ドミソ)」が流れます。その時に、その調性(ハ長調)の響きをイメージします。次に、「ふるさと」のメロディーを聴き、聴こえた音を音名(ドレミ)で、歌ってみます。最初の1小節は主音と同じ音なので「ド、ド、ド」と歌えたと思います。2小節以降は自分のイメージで、ドレミに置きかえて歌ってみましょう。

音名が思い浮かばない、または自信がない音があれば、分かる音を基準に、順番に歌うなどして、該当の音が分かるまでイメージしましょう。ピアノの鍵盤を見て、音を想像してみることもいい練習となります。

②答え合わせしよう

自分の力で出来るところまで歌ってみた後は、それが正しい音名だったのか、ピアノの音を鳴らして確認しましょう。鍵盤のアプリで、または下の譜面と照らし合わせてみるのもOKです。音名で歌えなかったところが、現時点でのあなたの苦手な「音の幅」です。その前後の音を何度も歌って、ピアノでも弾いて、音を聴いて、音の幅に慣れましょう。最初のうちは難しく感じるかもしれませんが、続けると慣れていきます。

ふるさと ハ長調(Cメジャー)

③音名(ドレミ)で何度も歌おう

次に②で行った練習を通して、自分の歌っている音名をそのまま覚えてしまいましょう。譜面を見ずに歌えるところまで、またピアノで弾けるまでくり返します。自信がない所は何度もやる、そうやって「音の幅」を頭と指に染み込ませしょう。それが音感を鍛える秘訣です。続けているうちに、音に対する感覚が身についていくことが実感できると思います。

特に③の練習を、いつでもどこでも、思いつく度にやるようにします。最初の基準の音が分からなければ、アプリの鍵盤を1音鳴らす。そして歌いたいメロディーを音名で歌う…そうすれば、どこにいても練習が出来るようになります。外にいる時は自分の声がギリギリ聞こえる程度の小声でOKです。1つの曲が迷わずに歌えるようになったら、別の曲にも挑戦しましょう。童謡や唱歌など、簡単な曲から取りくむのがおすすめです。まずはハ長調から慣れましょう。

違う調(キー)でも挑戦しよう

ハ長調に慣れたら、他の調でも練習します。ハ長調以外の調では、調号により黒鍵も登場します。黒鍵を歌う・弾くときでも音名をそのまま読むだけでOK。例えば、変ロ長調の時、歌い出しは「シ♭」ですが、「シ フラット」などと読む必要はなく、「シ、シ、シ〜」と歌いはじめてOKです。ただし、頭の中では黒鍵を弾くイメージをしっかり持つことが大切です。ピアノでも必ず弾いて、黒鍵の感覚をつかみましょう

ふるさと

ヘ長調(Fメジャー)主音:ファ

ト長調(Gメジャー)

変ロ長調(B♭メジャー)
主音:シ♭

ニ長調(Dメジャー)主音:レ

この「ふるさと」の続き(後半)も、ぜひ同じように練習してみましょう。

なお、調は長調全部で12つあります。ここでは全ては紹介しませんが、ぜひ他の調でも練習してみましょう。譜面がなくても、ピアノの鍵盤を探って弾けば、音から答えは導き出せますし、その作業こそが、音感を鍛えることに直結します。

自分の課題曲を作って攻略しまくろう

ここまで紹介したことは音感を鍛える方法のほんの入り口のレベルです。やってみて出来なければ、出来るまでやる。簡単に感じてきたら、自分の中で課題曲を新しく作って、また調のレベルも上げながら、少しずつレベルアップを目指しましょう。

そしていつか「知ってる曲ならメロディーを全ての調で歌える・ピアノで弾ける」と言えるくらいまでになれば、かなり自由にピアノが弾けるようになっているはずです。この練習はスキマ時間にも出来るので、忙しい人でも続けることによって、十分成果は期待出来ます。

まとめ:手っ取り早く音感を鍛えるトレーニング

ここまで、実用的に音感を鍛えるトレーニングを紹介しました。

本来音感というのは、なかなか自然には身につく力ではありません。筆者の場合は小学校時代、ピアノを習っていたのに真面目に練習をしていませんでした。そのため、音感が身につけられないまま音楽の道に進み、とても苦労しました。ちなみに言うと、「音感がない」ということにすら気がついてなかったのです。大人になって今回の方法をたまたま知り、音楽がやっと身近に感じられるようになりました。それでも音楽を仕事にしている人と比べると音楽の技術は、まだまだかもしれません。

でも大切なのは、他人との比較ではなく、過去の自分と比較してどう変化したかということだと思います。以前より、譜読みがやりやすくなったり、ピアノのミスタッチが減ったりすれば、それは確実に実力の底上げが出来ているということになります。この方向性で練習を重ねれば重ねるだけ、あなたの音感もずっと伸び続けます。これまでよりずっと、音楽が身近なものになることでしょう。何か少しでも、読者さんのピアノ学習や音楽活動に参考になることがあれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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ピアノを独学!中学生・高校生におすすめの理由

ピアノは昔から習い事の定番のひとつで、小学校入学前から習い始める人が多い楽器です。最近ではインターネットの動画の投稿により、プロではない一般の方がピアノを頑張って練習していたり、ストリートピアノで見事に披露したりするような姿が気軽に見られるようになりました。「敷居の高いもの」という印象から、もっと「身近なもの」になってきたように感じます。そういうこともあり、中学生や高校生になって、ピアノをやってみたいと思う人もいるのではないでしょうか?その年齢になって始めるのは遅いのでは、と思っていませんか?

音楽を学ぶことは、想像力や感性が豊かになり、情操教育にも良いと言われています。大人から始めた人も一生の趣味にする人が多いほど、人気の楽器です。

中学生・高校生は大人からするととても若い年代です。何をするにも、楽しんで練習を続ければ、充分上達が可能な年齢です。また、学生だからこそ独学でもピアノが学べる理由があります。ここでは中学生・高校生へ、ピアノの独学をおすすめする理由と学習の進め方などお伝えします。

ピアノが弾けることによるメリット

指先にはたくさんの神経が集まり、脳に直結しています。そのため、楽器を練習した人ほど、集中力などに関する脳の部位が発達していることを、精神医学の分野からも明らかにされています。

特に右手と左手を同時に使うピアノは、右脳と左脳の両方を活性化させるそうです。難関大学の学生に、ピアノ経験者の割合が高いことも事実なのもそういったことが理由だと考えられます。

このような理由から、ピアノを長く続ければ続けるほど、中高生の皆さんの成績アップにも効果があることが期待できます。

中高生が幼少期からピアノを始めるより有利な理由

ピアノ学ぶにあたって大切なことは、音楽のすばらしさ・楽しさを感じることだと思います。幼少期にピアノを習い始める子どもは、親の意思で始めた人も多く、必ずしも全員が積極的に練習に取りくんでいるとは言えないのが現状です。

一方、中学生以上の年齢で始める人は、幼い子よりも理解力が早いですし、興味を持って練習する分、上達が早く見込まれます。

またその年齢になるまでピアノを弾く人を見た経験があるわけですから、ピアノを弾くことへのイメージがより具体的であると思われますし、「こんな曲が弾いてみたい」などの願望もあると思います。ピアノが弾けた先の未来を想像できると、練習にも意欲が湧くので、習得は早いです。

大人にはない、中高生がピアノ独学に有利な理由

ピアノ教室で習うことは、上達への近道です。しかし、レッスン代も安くありませんし、忙しい中、定期的に通うことは時間的な面からも大変だと思います。

教室通いが難しいとしても、中高生がピアノを独学できる環境が、大人よりも多い理由を、いくつか紹介します。

学校にはピアノがある

ピアノを学ぶという点で言うと、グランドピアノやアップライトピアノのようにアコースティックピアノの響きに勝るものはありません。

もし家にキーボードや電子ピアノしか持っていなくても、中高生の皆さんなら大丈夫。ほとんどの学校には音楽室・体育館に、グランドピアノかアップライトピアノが当たり前のように置いてあります。音楽の授業や学校行事以外には使われることはあまりありません。先生に許可をもらえば、早朝、音楽の授業の前後、昼休み、などに練習することは可能です。

キーボードや電子ピアノしか持っていない人は、練習した曲をアコースティックピアノで弾くとどのような感覚なのか、実際に弾いてタッチや響きを知ることはとても理想的です。

学校で練習する利点

私は高校時代、昼休みに友達を呼んで人前でピアノを弾く練習をしていました。放課後は吹奏楽部が音楽室を使いますので、体育館で運動部の横で練習したこともあります。また知人は高校時代、家にはアップライトピアノしかなく、グランドピアノで練習をしたいという理由で、朝課外の授業の前に音楽室で練習させてもらっていました。気軽にピアノを弾きたいだけの人には極端な例かもしれませんが、グランドピアノを使える特権が、中学生・高校生のあなたにはあります。残念ながら社会人にはこのような環境は、なかなかありません。

学校によっては、音楽の先生が非常勤講師、という場合もあります。そういう場合は、音楽室を管理している先生が別にいるはずです。その先生と顔見知りになって、気軽に練習ができる環境を作ってしまいましょう。

たとえ短時間でも学校で練習するというだけで、緊張感もあるので、家で1人で練習するよりもメリハリのある練習が出来るという利点もあります。

先生に相談する上で、明確な理由が見つからない時は、素直に「ピアノを独学で練習したいからピアノを使わせてもらえないか」などと伝えると良いと思います。

音楽の専門知識を習っても月謝は不要

学校では音楽の授業があるので、ピアノや音楽に関しての質問がある時は、先生に質問ができます。

高校生になると芸術科目が選択制となり、「音楽の授業がない」という人もいるでしょう。そういう時は質問があれば、職員室や音楽室にいる先生を訪ねてみましょう。

学校によって、音楽の先生が不在の場合もありますが、ピアノが得意な生徒がクラスにいれば、音楽に関する質問に答えてくれます。吹奏楽部員、合唱部員など、生徒数が多い学校社会では必ず誰か、音楽が得意な人がいるものです。

学生の皆さんにとってはそれは当たり前の環境だと思うかもしれませんが、大人の社会では当たり前ではありません。社会人になって、音楽という専門知識について質問したい場合、音楽教室に月謝を払って学ばないといけません。

またグランドピアノで練習したい、という時は、一般の貸しピアノを使うと安くても1時間1000円以上支払わないといけないのです。

お金もかけずに専門知識を習うことやグランドピアノを使える環境は、学生ならではの特権です。ピアノは学校の施設です。使われていない時間にぜひ、どんどん使わせてもらいましょう。

ピアノを使用する際のマナー

先生に許可をもらい、ピアノを使用できることになった際、気にかけて欲しいポイントがあります。ピアノを扱う上でのマナーとも言えることなので参考にしてください。

・できれば使う前には手を洗い、清潔な状態で使用する

・ぬれた手で触らない。手は必ず乾いた状態で弾く

・使用の前後に簡単に手入れをする

学校のピアノは手入れをあまりされていないことも多いため、鍵盤にホコリがたまっていることがあります。使う頻度の低い、高い音域や低い音域は特に汚れがちです。手を汚さないためにも、乾いた布などで鍵盤を簡単に掃除して使用することが理想です。使用した後も、簡単に手入れをする気持ちで、丁寧に扱いましょう。

ピアノの選び方

まだ家にピアノがない人はどの楽器を選べばいいのか迷いますよね。アコースティックのピアノを買おうとすると高価ですし、家には置く場所も限られます。ここでは、楽器を選ぶポイントを紹介します。

グランドピアノのタッチを知る

これから楽器を購入しようと検討している人も、そういう時こそ、学校のピアノを試しに弾いてみるといいと思います。何も弾けなくても良いのです。アコースティックのピアノのタッチや響きを知る目的で触ってみる、くらいの感覚で良いと思います。電子ピアノを購入するとしても、より本物に近い感覚を知ってから選ぶと、購入後に後悔しにくいと思います。その目的を理由にして、先生へピアノ使用についての相談をしてみるのもひとつの方法です。

目的・生活スタイルに合わせる

いずれ大学生や社会人になって、ひとり暮らしを始めたり、という可能性があることを考えれば、キーボードか電子ピアノが都合が良いかもしれません。

クラシックを弾いてみたいという人は、鍵盤の数は、ピアノと同じ88鍵が理想です。その方が、音域的な制限がありません。一方、いずれパソコンなどで作曲を念頭に置いている人はその限りではなく、MIDI機能が備わったものを優先して選ぶのが良いと思います。

なお、電子ピアノはアコースティックピアノのタッチに近いほど、金額は高いです。できれば学校で何度か弾いてみて、グランドピアノのタッチを覚えておき、楽器店や家電量販店の楽器コーナーで実際に試奏させてもらいましょう。そしてお店の人にそれぞれの楽器の特徴や値段の違いについて質問しながら、購入を検討してみるといいと思います。

筆者の例

ちなみに私の電子ピアノは、本体は約5万円。そして、別売りのスタンド、ピアノケース、ペダルはインターネットで購入しました。持ち運べるタイプが欲しかったので、実際に持って重さを確かめたり、タッチを確かめたりして選びました。約10万円の方がタッチは好きでしたが、運ぶには重すぎた為、約5万のタイプに決めました。

現在は引越の可能性があるため、家にはその電子ピアノしか置いていませんが、練習にはそれほど不自由していません。本体とスタンドが別々のタイプなので、使わない時はケースに入れて収納できます。ピアノを置いていない会場で演奏の依頼があったときにも活躍するので、可能性は広がります。

通常は部屋に、いつでも弾けるような状態でスタンドにセットしいます。鍵盤用の保護のケースは付属してないため、布を被せてホコリがたまらないよう管理しています。

タッチの違いにより、グランドピアノで練習したい時もあります。そういう時は、実家に行ったり、貸しピアノをレンタルしたりして、練習をします。

練習の進め方

楽譜を読めるようになるにはどうすればいい?楽譜は何を買えばいい?などピアノを始めるに当たっての方法を紹介します。

楽譜が読めない人はまずは教科書で

また教科書には楽譜の基本的な知識や読み方が、分かりやすく載っています。それを参考に、音符やリズムが読めるようになりましょう。初心者向けとしては、小学校時代の音楽の教科書の方が分かりやすいかもしれませんので、併せて参考にしてみましょう。

楽譜は音楽室の楽譜も参考に

ピアノの楽譜は音楽室にも置いてあることがあります。できれば購入前に、音楽準備室の楽譜コーナーを見せてもらいましょう。そして先生やピアノ経験者に参考になる楽譜がないか、アドバイスをもらいましょう。理想のものがなければ、直接、楽器店や大きな書店で手に取って、自分にとって「難しすぎず、簡単すぎないもの」を選びましょう。インターネットで初心者向けの教本を参考にすることもいいと思います。

「先生」は友達にやってもらおう

自分で出来るところまで練習したら、休み時間などを利用して、ピアノ経験者である友達に教えてもらいましょう。今は同じ中学生・高校生同志です。ピアノ経験者だからといってお金を支払う必要がないことも中高生の特権です。

将来、もしその友達が音楽大学に進学し、ピアノで生計を立てることになれば、教えてもらおうとすると、きちんと謝礼を支払わないといけなくなるのです。学生の今は、やり方次第ではとてもラッキーな環境だと言えます。

まとめ

ここまで中学生・高校生がピアノを独学するのにおすすめの理由などを紹介しました。まとめると次のようになります。

・幼少期よりも、自分の意思で学ぼうとするので習得が早い。

・学校にはグランドピアノがある。また先生や友達から音楽の専門知識を無料で教えてもらえる環境がある。

・ピアノはグランドピアノのタッチを知り、目的・生活スタイルに合わせて選ぶのがよい。

・教則本や楽譜を選ぶ時は、音楽室の楽譜も参考にしながら選ぶとよい。先生、友達、インターネットの情報も参考にする。

・ピアノ経験者に先生になってもらえるとラッキー。

自分の所属する場所にピアノがあるということはとても恵まれています。そのチャンスを活かして、ぜひピアノを少しずつ、習得してみてください。とても楽しい世界が広がること、間違いなしです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。