音楽では、「ピッチ」とは「音の高さ」のことを言います。
ピアノのようなアコースティックの楽器は湿度や温度によって、ピッチが変わりやすい楽器です。そのため、音楽の世界ではピッチの基準が決められています。
この記事ではピアノのピッチについて、簡単に説明します。
もくじ
ピッチとは
ピッチとは一言でいうと「音の高さ」のことを言います。音は空気の振動です。空気が、1秒間に何回振動するかをHz(ヘルツ)という単位で表します。
この数値が大きいと音は高く、小さいと低い音となります。
ピアノは何Hz(ヘルツ)?
ピアノの場合、国際基準で「ラ」の音が440Hzとなっていますが、最近では442Hzで合わせることが増えているようです。
アコースティックの楽器は湿度や温度の変化から音が狂ってくるので、とってもデリケート。
バイオリンなどの弦楽器は、共演する奏者とピッチを合わせるために、演奏前には必ず「調弦」をします。ピアノの場合は、自分で調弦ができないので、調律師が調律をすることでピッチを調整します。
オーケストラやアンサンブルでは、基準のピッチをいくつに設定するかは楽団によって異なることがあります。音程が高めの方が華やかに聞こえるため、442Hzが多く、そのため最近のピアノは442Hzが多いそうです。
古いピアノの場合は
前の調律からかなり年数が経っている場合は、音程が下がっていることがあります。その場合は、一度に高い音程に上げてしまうと、楽器に負荷がかかり、よくありません。
そういう時は、440Hzや場合によっては少し低めのピッチに合わせることもあります。
また、古いピアノにおいても、楽器への負担を減らすために、高めよりは低めに合わせることが多くなります。
「フォルテピアノ」の時代
「フォルテピアノ」または「ピアノフォルテ」とはピアノの正式名称でもありますが、時に18〜19世紀前半当時使われた楽器のこと指します。それに対し、現在と同じタイプのピアノ(20世紀以降)のことをモダンピアノと呼んで区別します。
フォルテピアノはモダンピアノの先祖みたいなものですね。
前項で説明したように、モダンピアノは440Hzや442Hzが基準ですが、フォルテピアノは430Hzでした。その当時使われた同型のフォルテピアノが現代にも残っているのですが、現代演奏される際も、430Hzなのだそうですよ。
430Hzは442Hzと比べ、半音くらい差があり、例えるなら、セピア色でノスタルジックな音色なのだそう。
ベートヴェンやショパンが使っていたピアノの音色、想像すると何だかロマンチックですね。
電子ピアノのピッチは?
電子ピアノのピッチは、機種により異なるかもしれませんが、440Hzが多いようです。
ただし、設定でピッチを変更できます。筆者が持つ、約5万円のお手頃な電子ピアノでもピッチが変更できますので、おそらくほとんどの電子ピアノにおいては変更可能ではないでしょうか。
まとめ:ピアノのピッチについて簡単に学ぼう
ここまで、ピアノのピッチについて説明しました。
アコースティックの楽器はほぼ天然のものでできているため、湿度や温度によって、ピッチが変わりやすいものです。そのため、基準の音「ピッチ」に合わせる必要があります。
弦楽器は使う度に調弦をしますが、ピアノは調律師に調律をしてもらうことでピッチを調整します。
国際基準では440Hzですが、最近ではオーケストラなどで442Hzが主流のため、ピアノの多くも442Hzに合わせられるようになりました。
なお、フォルテピアノが使用されていた当初は、今よりもずっとピッチは低いものでした。ピッチの基準は時代と共に、変わっていくこともあるかもしれませんね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。