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楽譜の読み方(超初心者向け)

ピアノの指番号を覚えて、正しい指づかいで学ぼう。

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ピアノを学習する上で、全ての指に番号が決められています。これを「指番号」といい、楽譜にはその曲を弾くために最適な指番号が記されています。これを「指づかい(運指)」といいます。それらはピアノを弾くに当たり、とても大切な要素です。多くのピアニストや指導者も、ピアノ関係の著書などで、その重要性について述べています。

筆者も他の記事で、「指番号」や「正しい指づかい」は、度々とり上げます。ピアノ上達のためには、はずせないポイントだからです。

ここでは、このテーマ「指番号」と「指づかい」にしぼって、お伝えします。

もくじ

ピアノの指番号を知ろう

弦楽器にも指番号がありますが、ピアノとは異なります。ここではピアノの指番号について学びます。

ピアノを弾く時、全ての指に番号が決められています。ピアノを正確に弾けるようになるためには、指番号を正確に覚え、その上で楽譜の指づかいにしたがって、練習することが大切です。

指番号は下の写真のように、中央の親指から小指に向かって、1、2、3、4、5と左右対称になります。番号をそのまま覚えましょう。

指づかい(運指)について

普段の生活では、皆さん無意識に使いやすい指を使って生活していると思います。そのため、指づかいの大切さを知らずにピアノの練習を進めてしまうと、「何となく弾きやすい指」を使ってしまいます。しかし、ピアノの上達には正しい指づかいで練習することが大切です。

ここでは、正しい指づかいについて説明します。

楽譜上の指づかい

楽譜には通常、下の楽譜のように、「その曲を弾くためにふさわしい指番号」が記されています。これを指づかいといい、運指とも呼ばれます。大切な要素であるため、初心者であるほど、譜面の指づかいを守ることが求められますし、その方が早く上達します。

下の楽譜で、赤丸で囲まれた数字が指番号です。

指づかいをおろそかにしてしまうと、スラスラ弾けるまでに時間がかかったり、ミスが増えたりする原因につながります。

ピアノの指づかいはなぜ大切?

指づかいが大切なのには理由があります。

ピアノの鍵盤は全部で88鍵あります(電子ピアノやキーボードによってはもっと鍵盤の数が少ないものもあります)。これを左右それぞれ、たった5本ずつの指で、音楽を表現するわけですから、効率の良い指の使い方をしなければ、上手な演奏はできません。音楽のフレーズが途切れたり、和音が上手く掴めなかったり、と不都合が生じてしまいます。

また、ピアノには白鍵と黒鍵があり、黒鍵は白鍵よりも少し奥にあるので、親指で黒鍵を弾くにはとても弾きにくい場所に位置しています。それを避けるために使いやすい指で弾く必要性が出てくるのです。

試しに、親指で黒鍵を弾こうとすると、下の写真のようになってしまいます。

音楽の流れの中で、黒鍵を弾く度に上のような動きをしてしまうと、移動距離が長く、とても大変です。

以上の理由から、ピアノを上手に弾くためには、指づかいがとても重要になってくるわけです。

指づかいをおろそかにしてしまうデメリット

「使いやすい指だから」、と指づかいをおろそかにしてしまうと、必要以上にミスをしてしまいます。そのフレーズを弾くのに、指が足りなくなったり、自然な弾き方ができなくなったりするためです。

また、練習をする度に違う指づかいをすると、正しい指の運びを指が覚えず、なかなか上達しません。さらに、暗譜をして弾く時にも、いつもと違う指づかいをしてしまうと、急に次の音が分からなくなったりします。

そのような理由からも、指づかいはおろそかにしてはいけないのです。

楽譜とは別の指づかいをする場合

初心者は楽譜通り、または指導者の指づかいの指示に従って弾くことが大切です。どの指もまんべんなく使うことで指が鍛えられますし、曲を弾く上で相応しい指づかいがあるからです。

ただし、どうしても弾きにくいと感じる場合は、弾きやすい指に変えて演奏してもOKです。初心者の方は指導者や経験者に相談し、不自然な指づかいにならないように気をつけましょう。また、同じ曲であっても、楽譜の出版社によって指づかいが違う場合もあります。

いずれにしても、練習する度に違う指づかいになることは効率が下がるため、早い段階でどの指を使うか決めることが理想です。それでもテンポを上げていくと、弾きにくいと感じる部分が出てくることがあります。そう感じた時に変更すれば、OK。ただし、指づかいを変えた場合は、鉛筆で楽譜に書き込み、毎回同じ指づかいで練習できるようにしましょう。

難しい曲になるほど、どの指を使っても「弾きにくい」場合がありますが、色々試してみて、自分の中で「1番まし」と感じる指づかいを探してみましょう。

自然な指づかいが分かるようになるために

練習する曲の数が増えてくると、段々と「自然な指づかい」が分かってくるものです。ピアノの基礎練習をすると、さらにそれが分かるようになります。

その中でもスケール(音階)という、ピアノを弾く上で大切な基礎練習があります。この練習は、その調に相応しい指づかいが用いられています。

例えば、黒鍵は1の指を使わないような指づかいになっています。実際に曲を弾く時も、黒鍵は極力1の指をさけるような指番号が書いてある場合が多いです。

そのため、スケールを全ての調で出来るようになると、自然な指づかいが身につくようになります。中級以上の方は、スケールの練習、おすすめです。

ピアノでスケール(音階)を練習しよう。

まとめ:ピアノの指番号を覚えて、正しい指づかいで学ぼう。

ここまで「指番号」と「指づかい」について、お伝えしました。

ピアノは多くの鍵盤を自由に、かつ音楽的に表現するために、効率よく指を使う必要があります。そのため、ピアノには全ての指に番号が決められており、楽譜に書かれている指づかいを守って練習することが、上達への近道なのです。

真面目に練習しているのにミスが多いな、と感じた時。その時々で理由は違うと思いますが、指づかいを意識して練習できているか、それを見直してみることでミスを防ぐことにつながるかもしれません。

少しでもピアノ学習が楽しくなためのヒントになれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。