ピアノ学習者にとって、練習時間の確保は課題の1つです。ピアノの練習を継続させることは、上達への大きなカギとなるからです。
大人は、仕事、家事、家族の時間など、自分のためだけに使える時間は多くありません。一方、お子さんにおいても、親御さんの共働きの関係で、保育園や学童の時間が長かったり、習い事や部活が忙しかったりと、在宅の時間が短い子も珍しくありません。
そういった理由から、大人も子どもも、練習時間がなかなか取れないものです。
この記事では、忙しい中でもピアノの練習時間をどうやって作り出すか、その方法について説明します。
もくじ
ピアノの練習時間の確保の難しさ
子どもも大人も忙しい。そんな中で練習時間を毎日確保することは難しいことです。その理由や工夫の方法について、お伝えします。
住宅事情により、夜間は練習できない
練習するのが電子ピアノやサイレントピアノであれば、時間の制限なく、夜でも練習できるでしょう。そうでない限りは基本的に、ピアノは練習できる時間帯が限られています。
地域性、マンション住まいかどうか、家の密集度合など、それぞれの条件にもよると思いますが、せいぜい21時頃まで練習できればいい方ではないでしょうか。
そうなると平日の帰宅後、練習できる時間はほとんどない、という人も多く、継続してピアノを練習することが難しいのも無理はありません。
「練習時間がない」という本当の理由
前項のように、時間的に練習が難しい人がいる一方、リラックスする時間はあるのに、「練習時間がない」と思い込んでいるタイプの人もいます。
どんなに忙しい人でも、スマホを触ったりする時間はあるでしょう?何気なくスマホの画面を見ていると、あっという間に20、30分過ぎるということもあると思います。
それが、ピアノの練習が出来ない夜間の時間帯なら、問題ありません。
例え好きで始めたピアノであっても、疲れている時は、ピアノの練習の優先順位が低くなる、そうなってしまうことは自然なことです。
わずか10分の練習であっても、意識しなければ、練習しない毎日なんて、気が付かずに過ぎていくもの。
もし、音出しOKな時間帯にスマホを無意識に触っているならば、あなたには練習時間を持てる可能性がまだあるということです。工夫は必要ですけれど。
中学生や高校生は学校で練習も
ピアノをもっと練習したいけれど、どうしても帰りが遅くて練習できないという中学生や高校生の場合。
筆者の高校時代、同じ門下生だったその彼女は、毎朝、早朝に学校の音楽室でピアノを練習していました。課外授業が始まる前なので、それはもう信じられないほどの早い時間です。
もちろんそういう場合は、先生への相談や許可は必要ですが、音楽の道を検討しているのであれば、学校はきっと応援してくれるでしょう。
学校のピアノを使用できるのは、学生の特権です。特権はどんどん利用すべきです。
ピアノは習慣化が1番簡単
学校や仕事を終えて、お疲れの中の練習というのは、なかなか大変なことです。だからと言って、練習時間を確保しないと、ピアノの上達は見込めません。
ピアノの上達のコツは、毎日の積み重ねだからです。
どんなに疲れていても、ご飯は食べるし、ハミガキ、お風呂は毎日するでしょう。それらは、多少面倒くさい気持ちはあっても、何も考えずに行動に移せるものです。それは習慣となっているからですね。
そこで、ピアノの練習を、それらの習慣のどこかに取り入れてしまいましょう。おやつを毎日食べる人は、「ピアノの練習→おやつ」という順番でお楽しみを後に持ってくるもよし、「ご飯の前の30分を練習に」というパターンでもよし。どのパターンであれば、あなたにとって無理なく行動ができるか、試してみましょう。
習慣化するまでは大変だと思いますが、一度定着してしまえば、エネルギー最小限でピアノに向かえます。
ピアノは登校前、出勤前もオススメ
学校や仕事からの帰宅後でももちろんいいのですが、可能な人は、登校や出勤前に練習することがおすすめです。
それであれば、習い事をしているお子さんでも、平日の練習が減ることはありません。お仕事の人は、残業で帰宅時間が遅くなり、練習時間が減るという影響も受けません。
前述のように毎日の「習慣化」となることが、エネルギー最小限で取り組めますので、「毎日練習ができる時間帯」を作ることが理想です。
早すぎる時間帯は近所迷惑になる場合もあるかもしれませんが、家を出る前に少し練習するくらいなら差し支えないのではないでしょうか?ピアノの練習時間分、少し早起きすれば、解決すると思います。
しかも、頭もスッキリした朝の方が練習が捗りやすく、家を出るまでのわずかな時間で集中力も増すので、効率の良い練習ができます。
週末中心の練習
特に大人は、平日は仕事で練習できない人は多いでしょう。そうなると、練習するのは週末中心となります。実行に移すためのコツを説明します。
週末に「ピアノの練習」を予定に入れる
ピアノのは練習は週末に…そのつもりでいても、いざ週末となると、たまった家事をしたり、ゆったり過ごしたりして、なかなかピアノモードにならないこともあります。
平日にできない予定も入るため、週末なんてあっという間に終わってしまうもの。
そこで、ピアノの練習時間は、ぜひ予定の1つとして入れ込みましょう。手帳に予定を書き込むのと同じように、ピアノの練習も書き込んでしまうのです。
ポイントは、時間帯と練習したい内容まで書き込むことです。前もって予定しておくことで、いざその時間になった時、迷わずに行動に移せます。
自分の集中できる時間を知る
もう1つのポイントとなることなのですが、あなたの集中できる時間帯はいつでしょうか?
せっかくピアノの練習という予定を手帳に書き込んでいても、集中できる時間帯でなければ、やる気がなくなってしまい、実行に移さず終わってしまうかもしれません。筆者は何度もその失敗経験があります。
人によって集中できる時間帯は違います。いつもよりも気持ちが緩んでいる休日は、平日よりも練習の意欲が失せることもあります。
なので、できれば1日が始まってすぐに取りかかることが望ましいです。午前中の方が集中できる、という人も多いでしょう。
午前中から予定がある、という人は、平日と同じように早起きして、家を出る前に練習するという方法もあります。起きる時間や朝の支度の準備の時間を差し引いて、計画的に行動すれば、練習の時間は多少は作りだせるでしょう。
もちろん、予定が終わってからの時間の方が無理なく練習ができるという方は、それでOK。
あなたにとって無理なくピアノが練習できる時間帯を知り、予定に入れ、必ず実行できるような工夫をしましょう。
まとめ:ピアノの練習時間、どうやって作り出す?
ここまで、忙しい中でもピアノの練習時間をどうやって作り出すか、その方法について説明しました。
子どもも大人も忙しい中で、どうやって練習時間を確保するのか。ピアノの上達において差ができるのはその工夫や意識の差とも言えるかもしれません。
なぜ練習ができないのか。逆に、いつなら練習できるのか。いつなら練習に集中できるのか、そういう可能性をまずは考えて、あなたなりに無理のない方法を探すことが大切です。
1番エネルギーが要らないのは、ピアノの練習を習慣化させること。同じ時間帯が難しければ、生活習慣の一部に無理やり取り入れて、定着させることです。無意識で行動できれば、自然とピアノは上手になっていきます。
何か1つでもヒントになりましたら幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。