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楽器の知識

ピアノの種類を紹介。特徴を知って選ぼう!

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ピアノには種類があり、その値段はピンからキリまであります。これからピアノを始めたい人や、ピアノの買い替えを検討している人にとって、ピアノ選びはとても気になる問題だと思います。ここではピアノの種類や特徴を紹介します。ぜひピアノ選びの参考にしてみてください。

もくじ

ピアノの種類と特徴

ピアノには大きく分けて、アコースティックと電子ピアノがあります。それらは音が出る仕組みが全く異なります。ここではそれぞれのピアノの種類と特徴を紹介します。

アコースティックピアノ

いわゆる「ピアノ」と呼ばれるものは、グランドピアノアップライトピアノのことで、多くの木材や天然素材が使われています。鍵盤の数は全て88鍵なので、横幅は同じです。ピアノは指先で鍵盤を押し、その力でハンマーを動かし、弦を叩いて音を出します。アコースティックピアノの豊かな響きは、弦の振動を響板が増幅させ、叩いた弦以外にもピアノのボディ全体が共鳴体となることで生まれます。鍵盤を押す力加減によって音の強弱や音色が変わるので、演奏者の表現力がはっきりと出ます。

外観としては黒塗りのタイプや木目タイプがあります。黒塗りよりも木目の方がコストがかかるため、同じグレードで比べた時は、木目タイプが高価になります。

またサイレント機能が搭載されたタイプも随分、一般的となりました。この機能があれば、時間を気にせずに練習ができます。

グランドピアノ

18世紀に発明されて以来、ほとんど形に変化はありません。コンサート用と一般家庭向けのものがあります。横幅は変わりませんが、縦のサイズは異なります。その違いにより、弦の長さや響板の面積が変わるため、楽器によって深い広がりや響きが変わります。ほんの僅かなタッチの差でも変化が出やすいので、本格的に音楽の勉強をしたい人にはグランドピアノで練習すること理想的です。価格も大きさやメーカーによって変動します。

アップライトピアノ

19世紀頃に誕生した、グランドピアノの弦を縦にした縦型のアコースティックピアノです。グランドピアノに比べてとてもコンパクトなので、音色は劣りますが、家庭用・練習用のピアノとして普及しています。ピアノの後ろを壁に向けて置くのが一般的。やはり鍵盤は88鍵なので、どの型番でも横幅はほぼ同じですが、高さは異なります。その高さによって、弦の長さ・響き方が異なります。

電子ピアノ

複雑なハンマーアクションも響板もなく、鍵盤を押すと、その動きをセンサーが感知し、電気を使って録音されたピアノの音を出します。鍵盤の数や楽器の大きさは機種によりますが、ピアノと同じ88鍵の機種も多くあります。88鍵であれば横幅はあまりピアノと変わりませんが、それ以外の部分が全体的にコンパクトで軽量であるため、設置場所を選ぶ必要がありません。また調律が不要ですし、ヘッドホンの利用もできるので、時間を気にせず練習できます。メトロノーム機能やピアノ以外の楽器の音色が付いているなど、楽しくて便利な機能も付いています。持ち運びができるタイプのものは、ピアノがない会場で演奏したりすることも可能です。

ハイブリットピアノ

「ハイブリット」とは「融合」「組み合わせたもの」という意味があります。アコースティックピアノと電子ピアノのそれぞれいいところを併せ持ったタイプのピアノと言えます。

アップライトピアノにあるハンマーアクション機構がそのまま搭載されているので、アコースティックピアノに限りなく近いタッチ感を実現しています。弦は張られておらず、最新のデジタル技術を使って音を作り出しています。鍵盤の材質はアコースティックピアノと同じ木製ということも、ピアノと同じようなタッチを実感できる理由のようです。

購入した後の特徴

楽器店で並んでいるピアノを見れば、どれも素敵で、どのタイプを購入するか、迷ってしまいます。その時に気にかけておきたいのは、時間が経つとどうなるのか、ということです。

アコースティックピアノ

ピアノの弦は強い力で張られています。また、木材やフェルトなど天然素材で構成されているので、時間がたつにつれ、音程が不安定になってきます。そこで年に1度は、調律が必要となります。古いピアノでも毎年調律し、きちんと手入れや管理をすることで、何十年にも渡って使用することができます。実際、親子2、3代受けついで使用しているという家庭もよくいらっしゃいます。調律代はアップライトで¥15000前後、グランドピアノで¥20000代くらいでしょうか。調律までの期間が長く空いたり、設置場所の環境・条件が悪かったりするともっと高くなる場合があります。

もしアップライトピアノを購入し、先々、音楽大学に進学するとなれば、グランドピアノに買い替え…という可能性も出てきます。その時に、使用していたアップライトに価値があれば、そのピアノを下取りに出して、その分の金額を差し引いて新しいピアノを購入できる、ということもアコースティックピアノならではの特権です。

電子ピアノ・ハイブリットピアノ

調律が不要である分、管理費はかかりません。その一方、電化製品なので、古くなると電子部品などが劣化し、修理不能の故障となる可能性があります。寿命については、機種ごとに異なると思われますが、アコースティックピアノほどの寿命はないと考えられます。

ちなみに筆者のグランドピアノはサイレント機能付き。ピアノとしての機能は数十年経った今も、もちろん問題はありませんが、サイレント機能においては、鳴らない音がだんだんと増えてきました。やはり、電子部分は本物よりも、寿命が短いのだな、と感じます。

ピアノを選ぶ目的

ピアノを購入する目的は人それぞれ違うものです。ここでは目的別に、どのタイプを選ぶのがよいのか、紹介します。

長期的にピアノを学びたい

お子さんが長く練習することを前提に購入を考えているのであれば、少々値段が高くてもアコースティックピアノをオススメします。電子音ではなく、楽器本来の響きを常に聴けることは、ピアノを学習するに当たり、理想的な環境だからです。鍵盤を押したタッチにより、繊細なニュアンスを表現できるため、表現力も豊かになります。中古であれば、高級な電子ピアノやハイブリットピアノより安いアップライトピアノが探せる可能性は充分あります。

住宅事情でピアノを置けない時

ピアノを長期的に学びたくても、マンションやアパートなど、住宅環境などにより、ピアノが置けない場合もあると思います。そういう時は、ハイブリットピアノが選択肢のひとつとなるでしょう。また電子ピアノでも金額が高いものであれば、グランドピアノの鍵盤と同じ材質を使ったものもあります。聴こえる音は電子音でも、表現力にこだわった設計の機種も沢山あり、機能も充実しているようです。ハイブリットピアノでも電子ピアノでも、実際に楽器店で試奏させてもらい、自分の指・耳で弾き心地を確かめみましょう。

趣味で気軽にピアノを始めたい・設置場所を選びたくない

鍵盤が88鍵欲しい、でも気軽にピアノを始めたい、という場合でも電子ピアノの種類は沢山あります。安価な機種を購入することもひとつの選択肢です。

私がイベントや訪問演奏などのために購入した電子ピアノは本体だけで5万円くらいでした。弾き心地は楽器店で確かめて、インターネットで購入しました(ネットの方が安い)。他に付属品(スタンド、持ち運び用のケース、ペダル)などを同時購入しました。家で練習用でも使用しています。使わない時はケースに入れて物置にコンパクトに収納できるので便利です。引越の可能性があるご家庭は、このくらい気軽なグレードのタイプがいい、という方もいるかもしれません。

資格取得のため(保育士や小学校教諭など)

保育士や小学校教諭の資格を目指すための練習用として購入を検討している場合。通っている学校に練習ピアノがあれば、家用のピアノは、電子ピアノで充分だと思います。その場合は、グレードは高いものでなくてもOK。可能な限り、学校のアコースティックのピアノで練習する時間を多めに取り、家のピアノでは必要最小限、そのくらいの割合が理想的です。せっかくアコースティックピアノが弾ける環境があるなら、その特権を充分に活用しましょう。

大学進学による下宿先のピアノについて

音楽大学や教育学部の音楽科への進学がきっかけで親元から離れた時。その際の練習用のピアノについて、どうしようか迷う人もいるでしょう。グランドピアノを1人暮らしのアパートに持っていくとなると、防音室や楽器OKという条件付きで物件を探す必要があります。見つかったとしても家賃が高いので、経済的な負担が気になる人は電子ピアノでも問題ないと思います。

私は大学時代、「楽器OK(特別な防音は無)」のアパートの角部屋にグランドピアノを持って行きました。しかし、家で練習した回数はほんの数回。入居の条件的にピアノの音出しはOKでも、近所への音漏れが気になり、ほとんど家では練習しませんでした。ピアノ搭載のサイレント機能は使いましたが…学校の練習室で練習した方がモチベーションが保てますし、結局は練習室での時間が圧倒的に長かったです。

当時の友人の中には、ピアノを持ってこずに、学校の練習室でだけで、充分に練習をこなしている人もいましたし、電子ピアノを部屋に置いて、普段は練習室で練習する、という人も多くいました。

事前に学校の練習室の数と学生の人数を調べて、どのパターンにするか決めるといいかもしれません。実家と大学の距離にもよりますが、グランドピアノの運搬費はとても高いです。その分で、そこそこ高価な電子ピアノを下宿先の地域で購入するのもひとつの方法かもしれません。

楽器店に質問!ピアノの値段の差

アコースティックピアノ、電子ピアノ、ハイブリッドピアノ…それぞれの種類の中で比べても価格に差があり、どれを選べばよいのか迷います。そこで、楽器店を訪問して、店員さんに尋ねてみました。

ピアノって値段が多すぎて、違いが分かりません。値段の差、って何ですか?

アコースティックピアノにおいては、大きさです。グランドピアノは奥行き、アップライトピアノは高さによって値段が比例することが多いです。またサイレント機能が付いていたり、ボディが木目調だとその分値段は上がりますよ。

中古であれば、年数やメンテナンスなどによる物の状態によって、価値が変わります。

電子ピアノ(ハイブリッドピアノ)においては、ズバリ、どれだけ本物のピアノにタッチが近いか、その差です。また、使われている材料がアコースティックピアノと同じ天然素材であれば、更に値段は上がります。

まとめ:ピアノの種類を紹介

ここまでピアノの種類と特徴について説明しました。種類によっていわゆるメリットとデメリットがあり、ピアノを購入する目的、生活環境によって人それぞれ、その時によって、合うピアノは違うと思います。

グランドピアノという種類の中だけで比べても、それぞれ弾き心地は違うし、アップライトピアノになるとやはりグランドほどの表現力の差は出ません。高価な電子ピアノが「アコースティックピアノと同じアクション機能」と説明されても、そもそものアコースティックピアノだってタッチ感は色々あるのに、と思って、やはり混乱してしまいます。

そう思うと結局は楽器店に足を運び、自分の指で弾いて、耳で聴いて感じて、体感して、自分なりに弾き心地のいいものを選ぶのが一番だと思いました。試奏する時は「ゆっくりで表現力が求められるような部分」と「速いパッセージが続くような部分」をそれぞれ弾いてみて確かめると、タッチの差が分かりやすいですよ。

すぐに購入する予定がなくても「いつかは」という想いがある方は、ぜひ楽器店へ足を運んで、体験してみましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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