ピアノを人前で演奏する時に、身体が冷えてしまうこと。指が思い通りに動かず、とても酷な状態ですよね。
それでも発表会、コンクール、オーディション、入学試験、採用試験、演奏会など、そういった「本番」を迎える時に、自分の最高のパフォーマンスが出せる環境で演奏できるとは限りません。ただでさえ緊張して、身体がカチコチになる本番。その上、少しでも寒い会場だと、さらに身体はガチガチになってしまい、指先のコントロールは完全に崩壊してしまいます。
筆者も寒がりで冷え性体質。子どもの頃から、何十年も悩まされていました。
一番過酷だったのは雪の降る日に、野外でイベントの本番があったこと。かろうじて屋根はありましたが、極寒でした。あの時の、恐ろしいほど指が動かなかった過酷な環境での本番、今でも忘れられません。
それは例は極端かもしれませんが、とにかくピアノを弾く人にとって寒さは大敵です。
この記事では、本番で少しでも普段の力が出せるように、寒さ対策についてお伝えします。
もくじ
ピアノの本番での寒さ対策
冬は会場内は暖房が効いていますが、廊下やトイレには暖房が効いていないこともあります。また、トイレに行って手を洗う時、冷たい水で手を洗わざる得ないことも。そうなると、さらに指はカチコチに…また、夏はエアコンが効きすぎている会場もあります。
手が冷えてしまうことを想定して、いつの季節でも本番前は、準備をすることをおすすめします。
手を温めるグッズを用意する
夏であっても、会場は舞台袖でエアコンが効きすぎる、ということがあります。その対策として、カイロ、手袋、カーディガン(羽織もの)を準備し、本番直前まで使用しましょう。冬であれば、温かい飲み物をで手を温めることも効果的です。
身体全体を温める
指を温めるために、身体全体をほぐしましょう。力が入ってそうなところを特に伸ばしたり、肩甲骨周辺の筋肉をストレッチしましょう。筋肉が固まると血行が悪くなり、冷えにつながるそうです。その逆の動作をして、温めましょう。
そして、指先(爪の付け根)を揉むと血の巡りがよくなり、温かくなります。ただし、気をつけることは、薬指はだるさや眠気を誘うことになるそうです。薬指以外を刺激しましょう。
冷え性体質を改善してしまおう
ここでは簡単な方法で出来る、末端冷え性改善方法を紹介します。
諦めていた冷え性体質
筆者は子ども時代から少しでも寒い日は、手足の末端は常に冷たく、その冷たさでは誰よりも負けないほどの冷え性でした。
そんな体質なので、ピアノの本番での寒さには、いつも苦労していました。人にとっては常温でも、私にとっては寒いのです。どうすることもできません。ピアノ弾きにはとても不利な体質だと諦めていました。
ところが10年ほど前に、あることをきっかけに冷え性が治ってしまったのです。こんな簡単な方法で冷え性が治るならば、もっと早く知っておけば、こんなに苦労しなかったのに、と今では思います。
今でも寒がりには変わりありませんが、毎年できていたしもやけが、いつの間にか出来なくなっていました。それほど明確に、冷え性は改善されていたのです。
しもやけまで治った冷え性改善方法とは
その改善方法ですが、とても簡単な方法なので、冷え性の方はいっそのこと、体質を改善してしまいましょう。それはピアノの本番のためだけでなく、健康面でもとてもメリットがあることです。
その方法とはスバリ、入浴時に水シャワーを浴びることです。
ちなみに私は、下半身だけ浴びます。その前後はもちろん温かいお湯に浸かってOK。水シャワーを浴びた後にお湯に浸かると、水をかけた部分が特に温まります。
水にかかっている間はもちろん冷たいです。その冷たさとその後のお湯の温度差で、血行がよくなるのでしょう。
慣れないうちは足先だけでも試してみてください。徐々に範囲を広げていけば、広げた分だけ、身体は温まります。かける時間は長ければ長いほど効果は大、です。
さらに効果を増やしたい時は、「湯船に浸かる→水シャワー→湯船に浸かる」このパターンを数回くりかえします。面倒ですが、やった分だけ温まります。
私はこの方法で、冬にお風呂の追い焚き機能もほとんど使わなくなりました。お風呂から上がってしばらくしても温かさが持続します。どんな冷え性対策の方法より、この方法が断トツで効果的でした。なんと言っても必ずできていたしもやけが解消されたほどですから。
それによって、それまでの「本番の冷え」の悩みからも、随分解放されました。
ただ、周りにその効果を熱弁しても、「水シャワーなんて、寒くてとんでもない」と信じてもらえず、ほとんどの人が試そうとすらしてくれません。そういう人は、元々、冷え性を克服する必要がないのかもしれませんね。
内臓系に持病などある方は、決して無理をしないようにしてください。
末端冷え性を改善した内容については、別記事でも紹介していますので、こちらをどうぞ。
まとめ:ピアノを弾く人のための寒さ対策
ピアノを弾く人にとって、本番での寒さは大敵です。寒さのせいで、まるで自分の身体ではないかのように、指がコントロールができなくなります。
いつの季節でも会場には空調が使われています。快適な室温にするためのものとはいえ、自分にとって最適な温度で本番が迎えられるとも限りません。
緊張のせいで練習してきたことが発揮できないことは「ピアノあるある」だとしても、「寒さのせいで指が動かなかった」という状況は、できるだけ避けたいものです。
カイロ、手袋、カーディガン(羽織もの)、温かい飲み物などを準備し、少しでも安心できる状態で本番を迎えるようにしましょう。
長い目で見れば、冷え性の人は体質を改善することは大きなメリットです。入試や試験を受ける予定がある人はぜひここで紹介した「水シャワー」を無理のない範囲で試してみてください。冷えが改善されると、本番や冬の生活が随分と楽ですよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。