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絶対音感って何?

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「絶対音感」という言葉を聞いたことがあると思います。音楽における、ある特別な才能がある人のことですが、どのような才能のことでしょうか。

実際には、音楽の仕事をする人でも絶対音感がある人って、意外と少ないものです。楽器演奏にも、必ずしも必要なものではありません。

これまで筆者の周りで「絶対音感」が話題になった時によく感じたことですが、言葉の意味を少し勘違いしている人が多かった印象があります。

この記事では、「絶対音感」について、間違えやすい点と、正しい内容をシンプルに説明します。

もくじ

絶対音感について知ろう

ここでは、絶対音感について、勘違いしやすい内容も含め、説明します。

絶対音感とは

絶対音感とはズバリ、「ある音の高さを他の音と比べずに判別する能力」のことです。

それは、楽器の音だけに限りません。

世の中には、楽器の音以外に、様々な音が存在します。

例えば、風の音、動物の鳴き声、車のクラクション、包丁で野菜を切る音、お湯が沸く音、時計の秒針、ドアが閉まる音、などなど。

絶対音感を持つ人は、そのように「音が特定できないような音」でも、音名(ドレミ)で聞こえてくるのだそうです。

実際には、生活音や自然音は、楽器の音で表せない音が多いものです。例えば、ピアノでは「ド」のひとつ高い音は「ド♯」ですが、『さっき吠えた犬の声は「ド」より高くて「ド♯」より低い』という曖昧な場合も多いです。

絶対音感は、そのように「楽器の音に当てはまらないような曖昧な音すら、判別できる能力」なのです。

基準の音(楽器の音など)がなくても、自分の記憶で正確な音程が分かります。

ちょっと勘違いされやすい点

流れてきた複雑な音楽をピアノで忠実に再現できたり、曲のリクエストをかっこよく楽器で演奏できたりするような、音感に優れている人・・・

そういう人は「絶対音感があるんだね」と思われがちです。少なくともこれまで、私の周りでは、そういう類の人たちのことを「絶対音感を持っている人」、と呼んでいる印象がありました。

厳密にいうと、それは「絶対音感」ではありません。

確かに、絶対音感を持っている人は、同じようなパフォーマンスができるかもしれません。

しかし、聞いた音を楽器で演奏できる能力は、実は絶対音感とは違う種類の音感なのです。

相対音感について

生活音・自然音とは対照的に、多くの楽器はほぼ共通の音程になるよう作られています

つまり、どの楽器の音も、ピアノの鍵盤にある音程で表すことができます。

ただ、弦楽器や管楽器はその時の温度や湿度などによって、音程が微妙に変わります。合奏する時は、全体を同じ音程に合わせるため、基準の音を聴いてチューニングする必要はありますが、基本的に楽器には「曖昧な音」はありません。必ず、音程があります。

このように、基準の音を聞いて音を判別することを「相対音感」といいます。だいたいの楽器演奏者や音楽家は自然と身につけているものです。訓練すれば、大人になっても伸ばすことが可能な能力です。

先ほど例にあげた、「聞こえた音をすぐに楽器で演奏できる人」は「相対音感が非常に優れている」ということになります。

音楽の仕事で必要な能力は

聞いたメロディーや和音を瞬時に楽譜に書きおこしたり、即興で演奏したり・・・そのような能力、羨ましいですよね。

くり返しになりますが、そのように楽器の音を判別する能力は、いくら才能が秀でていたとしても「相対音感」なのです。

相対音感のレベルが高い

というだけなのです。

もちろん、「絶対音感」がある人は、基準の音がなくても、音を瞬時に識別できるわけですから、その能力はとても便利です。音楽家であれば、とても役に立つ才能だと思います。

ただし、音楽の仕事をする上で必要な能力は「相対音感」の範囲内なのです。

相対音感は、レベルの差こそあれ、大人になっても(楽器未経験者でも)、身につけることは可能です。

ただし、高いレベルの相対音感を身につけたい場合は、それ相応の訓練が必要となります。

相対音感について、もっと興味のある方はこちらへどうぞ↓

手っ取り早く鍛える、音感トレーニング

まとめ:絶対音感って何?

ここまで「絶対音感」について説明しました。

絶対音感とは、「ある音の高さを他の高さを比べずに判別する能力」のことです。

それは、楽器の音に限らず、生活音や自然音のように、楽器の音に当てはまらないような曖昧な音ですら、識別できる能力です。

一方で、「基準の音を聞いて音を判別する能力」を相対音感といいます。大人になってからも身につけることは可能です。

なお、「聞いた音楽をピアノや楽器で忠実に演奏できたりする能力」は絶対音感ではなく、相対音感です。相対音感のレベルが高いと、複雑な音楽でも、聴いて即座に楽譜にできたり、演奏できたりするわけです。

なので「絶対音感があって羨ましいな」と思う必要はありません。音楽家であっても、絶対音感がなくて困ることはほぼないのですから。

それよりも、相対音感をより鍛える方が、現実的で実用的ですよ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。