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ピアノ上達に向けて

ピアノのオクターブ奏法、難しい本当の理由と克服方法。

ピアノの作品で、オクターブの音型が出てくると、単音だけのフレーズに比べて、ものすごく難易度が上がると思いませんか?

一般的に、手が大きい人はオクターブを掴むのに有利だと思われています。しかし、比較的手の大きな筆者はオクターブ奏法がとても苦手でした。

ポピュラー音楽であれば、ちょっと楽をして「オクターブを単音だけ弾く」という方法もありなのですが、クラシックはやはり楽譜通り弾かなければいけません。特にメロディーでのオクターブは、豊かに美しく歌うように奏でたいものです。

この記事では、なぜオクターブが多用される音型が難しいのか、その意外と知られていない理由と克服する方法について、またオクターブを練習するメリットについて説明します。

オクターブ奏法が苦手な理由

オクターブが連続して登場する音型は、難易度がとても上がります。そんな時でも、大柄なピアニストは楽々と弾きこなしているように見えますよね。

オクターブを弾くには、やはり手が大きくないと不利なのでしょうか。それについて説明します。

手が小さいのはオクターブ奏法に向かない?

「オクターブが届かない」という人は、「自分は手が小さいから」というのが理由だと思うでしょう。

意外と知られていないのですが、オクターブ奏法を苦手と感じる人の特徴は「手が小さいから」というだけではありません。

実は、中学生以上になれば、手の小さい人でも、オクターブはちゃんと届きます。物理的には可能なのです。では、オクターブの苦手な人は何が理由なのでしょうか。

オクターブ奏法は手の関節が柔らかい人が有利

知り合いに、とっても小柄で、手が小さいバイオリニストがいます。しかし彼女は、ピアノの鍵盤はオクターブを楽々掴めます。ピアノはほぼ未経験で、手が小さいにも関わらず、です。なぜでしょうか。

実は彼女は身体が生まれつき柔らかく、ヨガをしても伸ばすところがないくらい、極端に柔らかい関節を持っています。そのため、指の関節もとても柔らかいのです。

ある日、彼女がピアノのオクターブを楽々と掴んでいるのを見た時、オクターブ奏法が困難な人は、手の大きさよりも、手の関節の硬さの方に原因があるのだとあらためて気がつくことになりました。

あなたの関節はどう?硬い人は自分で対策を

筆者は学生時代から師匠に、「あなたは手が大きくていい手をしているのに、なぜオクターブがきれいに弾けないの?」とよく言われてきました。

オクターブの連続を弾くと、どうしても隣りの音まで触ってしまうのです。ただの練習不足だと思い、そういう所は他よりも余計に練習しました。それなのに一向に上達しなかったのです。

そんな時、前項のバイオリニストのエピソードがあり、自分がなぜオクターブ奏法が苦手なのか明確になりました。

実は筆者は、極端に身体が硬い人間。人と比べて硬いことを、少しは自覚していました。ただし、それがピアノのテクニックにまで影響しているなんて、長いこと気が付かなかったのです。

つまりこういうことです。

身体が硬い→手の関節も硬い→手が広がりにくい→ピアノのオクターブが掴みにくい→オクターブ奏法が苦手

これに気が付かなかったため、オクターブが苦手という認識も薄く、「オクターブの基礎練習」が人よりも多く必要だということを、長年、自覚すらできなかったのです。

楽曲の中にあるオクターブ奏法をがむしゃらに練習したところで、技術力がなかなか上がらなかったのは、その根本的な原因が分かっていなかったから。そして、楽曲だけのオクターブの練習では不十分だったのです。

オクターブ奏法が苦手と感じる人の中には、筆者と同じように、単なるテクニック不足や練習不足が原因でなく、「身体や関節が硬い」ことが原因の人がいるということです。

そのような人は、人よりも多くオクターブの練習すべきなのですが、残念ながら、そこを指摘してくれる指導者はなかなかいません。自分で対策をすべきなのです。

オクターブ奏法が苦手だと、脱力できない

オクターブ奏法が苦手な人は、手を広げる時につい、手や腕に力が入ってしまうという特徴があります。それにより、本来の力が発揮できないという残念な演奏になってしまうことも多い。

ピアノの奏法では「脱力」はテーマとしてもよく取り上げられる程、大きな課題です。

オクターブ奏法が苦手な人はぜひ、基礎練習をして、克服することをお勧めします。そうすることで、和音もしっかり掴みやすくなり、上手に脱力しやすくなります。それは、奏でる音楽に深みが増すということにもつながり、とても効果的です。

オクターブの練習をすることは、ピアノ経験者だけでなく、大人のピアノ初心者さんにとっても効果的です。

その基礎練習については、次の項で紹介します。

オクターブの連続を苦手に感じないために

オクターブの奏法が苦手にならないために、子どもの時にできること、大人になってからでもできる対策について説明します。

子ども世代にこそ多く練習すべき

小学校の高学年くらいになると、オクターブを使う楽曲が少しずつ出てくると思います。

中には、まだオクターブが届かないという子もいるでしょう。クラシックは楽譜通り弾くことが前提です。しかし、オクターブ届かない時期であれば例外的に、音を抜いて単音で弾くということをよしとする先生もいます。

左手のバスとして登場する場合は、シンプルな形が多いため、初めてでも挑戦しやすいです。ところが、右手のメロディーとしてのオクターブは、左手よりも少し複雑なこともあるので、まだ単音で弾こう、とする子がいると思います。

そのように、右手のオクターブの練習の開始が遅くなってしまうと、左手よりも右手のオクターブの方が苦手となってしまう可能性があります。

子どもは身体が柔軟です。関節も柔らかい。少し頑張れば届く、という状況であれば、出来るだけ早いうちにオクターブ奏法にトライすることが理想です。若いうちに、練習量が多いほど、大人になっても、ずっと関節の柔らかい手を維持できるからです。

オクターブが苦手な人は、日頃から基礎練習を

もちろん、大人でも練習すればオクターブ奏法が楽になります。

楽曲で出てきたオクターブの難しい箇所を集中して練習することも大切ですが、「オクターブの基礎練習」を追加するとより効果的です。

ピアノ学習者定番の教本、「ハノンピアノ教本」の中に、オクターブの練習方法がいくつか載っています。

少しでも苦手と感じる人は特に、普段の基礎練習の中に、オクターブの練習を取り入れることが大切です。

尚、身体や関節が硬い人は、一度手が広がりやすくなっても、基礎練習を辞めてしまうとすぐに元に戻ってしまうのでご注意。この基礎練習は、常日頃から行うようにしましょう。その必要性、きっと周りからは指摘してくれませんので、自分で気がついて実行した者勝ちですよ。

まとめ:ピアノのオクターブ奏法、難しい本当の理由と克服方法。

ここまで、なぜオクターブ奏法が難しいのか、その意外な理由と克服方法について、説明しました。

手が小さい人は、オクターブ奏法に不利だとよく言われますが、苦手の原因が、身体や指の関節が硬いことだというのは意外と知られていません。関節が硬いと、手の開き方が狭く、オクターブを掴むことが人よりも困難です。

オクターブは若いうちから練習するのが理想ですが、大人の学習者でも、基礎練習を続ければ、随分と掴むのが楽になり、腕の脱力もできるようになります。

ぜひ、ハノンピアノ教本などを利用して、オクターブの基礎練習をし、オクターブで自由に弾けるようになりましょう。きっとテクニックが上がって、ピアノがより身近になりますよ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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ピアノ上達に向けて

ピアノの練習時間、どうやって作り出す?

ピアノ学習者にとって、練習時間の確保は課題の1つです。ピアノの練習を継続させることは、上達への大きなカギとなるからです。

大人は、仕事、家事、家族の時間など、自分のためだけに使える時間は多くありません。一方、お子さんにおいても、親御さんの共働きの関係で、保育園や学童の時間が長かったり、習い事や部活が忙しかったりと、在宅の時間が短い子も珍しくありません。

そういった理由から、大人も子どもも、練習時間がなかなか取れないものです。

この記事では、忙しい中でもピアノの練習時間をどうやって作り出すか、その方法について説明します。

ピアノの練習時間の確保の難しさ

子どもも大人も忙しい。そんな中で練習時間を毎日確保することは難しいことです。その理由や工夫の方法について、お伝えします。

住宅事情により、夜間は練習できない

練習するのが電子ピアノやサイレントピアノであれば、時間の制限なく、夜でも練習できるでしょう。そうでない限りは基本的に、ピアノは練習できる時間帯が限られています。

地域性、マンション住まいかどうか、家の密集度合など、それぞれの条件にもよると思いますが、せいぜい21時頃まで練習できればいい方ではないでしょうか。

そうなると平日の帰宅後、練習できる時間はほとんどない、という人も多く、継続してピアノを練習することが難しいのも無理はありません。

「練習時間がない」という本当の理由

前項のように、時間的に練習が難しい人がいる一方、リラックスする時間はあるのに、「練習時間がない」と思い込んでいるタイプの人もいます。

どんなに忙しい人でも、スマホを触ったりする時間はあるでしょう?何気なくスマホの画面を見ていると、あっという間に20、30分過ぎるということもあると思います。

それが、ピアノの練習が出来ない夜間の時間帯なら、問題ありません。

例え好きで始めたピアノであっても、疲れている時は、ピアノの練習の優先順位が低くなる、そうなってしまうことは自然なことです。

わずか10分の練習であっても、意識しなければ、練習しない毎日なんて、気が付かずに過ぎていくもの。

もし、音出しOKな時間帯にスマホを無意識に触っているならば、あなたには練習時間を持てる可能性がまだあるということです。工夫は必要ですけれど。

中学生や高校生は学校で練習も

ピアノをもっと練習したいけれど、どうしても帰りが遅くて練習できないという中学生や高校生の場合。

筆者の高校時代、同じ門下生だったその彼女は、毎朝、早朝に学校の音楽室でピアノを練習していました。課外授業が始まる前なので、それはもう信じられないほどの早い時間です。

もちろんそういう場合は、先生への相談や許可は必要ですが、音楽の道を検討しているのであれば、学校はきっと応援してくれるでしょう。

学校のピアノを使用できるのは、学生の特権です。特権はどんどん利用すべきです。

ピアノは習慣化が1番簡単

学校や仕事を終えて、お疲れの中の練習というのは、なかなか大変なことです。だからと言って、練習時間を確保しないと、ピアノの上達は見込めません。

ピアノの上達のコツは、毎日の積み重ねだからです。

どんなに疲れていても、ご飯は食べるし、ハミガキ、お風呂は毎日するでしょう。それらは、多少面倒くさい気持ちはあっても、何も考えずに行動に移せるものです。それは習慣となっているからですね。

そこで、ピアノの練習を、それらの習慣のどこかに取り入れてしまいましょう。おやつを毎日食べる人は、「ピアノの練習→おやつ」という順番でお楽しみを後に持ってくるもよし、「ご飯の前の30分を練習に」というパターンでもよし。どのパターンであれば、あなたにとって無理なく行動ができるか、試してみましょう。

習慣化するまでは大変だと思いますが、一度定着してしまえば、エネルギー最小限でピアノに向かえます

ピアノは登校前、出勤前もオススメ

学校や仕事からの帰宅後でももちろんいいのですが、可能な人は、登校や出勤前に練習することがおすすめです。

それであれば、習い事をしているお子さんでも、平日の練習が減ることはありません。お仕事の人は、残業で帰宅時間が遅くなり、練習時間が減るという影響も受けません。

前述のように毎日の「習慣化」となることが、エネルギー最小限で取り組めますので、「毎日練習ができる時間帯」を作ることが理想です。

早すぎる時間帯は近所迷惑になる場合もあるかもしれませんが、家を出る前に少し練習するくらいなら差し支えないのではないでしょうか?ピアノの練習時間分、少し早起きすれば、解決すると思います。

しかも、頭もスッキリした朝の方が練習が捗りやすく、家を出るまでのわずかな時間で集中力も増すので、効率の良い練習ができます

週末中心の練習

特に大人は、平日は仕事で練習できない人は多いでしょう。そうなると、練習するのは週末中心となります。実行に移すためのコツを説明します。

週末に「ピアノの練習」を予定に入れる

ピアノのは練習は週末に…そのつもりでいても、いざ週末となると、たまった家事をしたり、ゆったり過ごしたりして、なかなかピアノモードにならないこともあります。

平日にできない予定も入るため、週末なんてあっという間に終わってしまうもの。

そこで、ピアノの練習時間は、ぜひ予定の1つとして入れ込みましょう。手帳に予定を書き込むのと同じように、ピアノの練習も書き込んでしまうのです。

ポイントは、時間帯と練習したい内容まで書き込むことです。前もって予定しておくことで、いざその時間になった時、迷わずに行動に移せます。

自分の集中できる時間を知る

もう1つのポイントとなることなのですが、あなたの集中できる時間帯はいつでしょうか?

せっかくピアノの練習という予定を手帳に書き込んでいても、集中できる時間帯でなければ、やる気がなくなってしまい、実行に移さず終わってしまうかもしれません。筆者は何度もその失敗経験があります。

人によって集中できる時間帯は違います。いつもよりも気持ちが緩んでいる休日は、平日よりも練習の意欲が失せることもあります。

なので、できれば1日が始まってすぐに取りかかることが望ましいです。午前中の方が集中できる、という人も多いでしょう。

午前中から予定がある、という人は、平日と同じように早起きして、家を出る前に練習するという方法もあります。起きる時間や朝の支度の準備の時間を差し引いて、計画的に行動すれば、練習の時間は多少は作りだせるでしょう。

もちろん、予定が終わってからの時間の方が無理なく練習ができるという方は、それでOK。

あなたにとって無理なくピアノが練習できる時間帯を知り、予定に入れ、必ず実行できるような工夫をしましょう。

まとめ:ピアノの練習時間、どうやって作り出す?

ここまで、忙しい中でもピアノの練習時間をどうやって作り出すか、その方法について説明しました。

子どもも大人も忙しい中で、どうやって練習時間を確保するのか。ピアノの上達において差ができるのはその工夫や意識の差とも言えるかもしれません。

なぜ練習ができないのか。逆に、いつなら練習できるのか。いつなら練習に集中できるのか、そういう可能性をまずは考えて、あなたなりに無理のない方法を探すことが大切です。

1番エネルギーが要らないのは、ピアノの練習を習慣化させること。同じ時間帯が難しければ、生活習慣の一部に無理やり取り入れて、定着させることです。無意識で行動できれば、自然とピアノは上手になっていきます

何か1つでもヒントになりましたら幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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ピアノ上達に向けて

「ただ弾いているだけ」のピアノにならないために

ピアノのレッスンで、「ただ弾いているだけの演奏になっている」などと、先生から言われたことありませんか。筆者は何度もありました。

楽器って言葉がないから難しい。しかし、中にはおしゃべりしているかのように表情たっぷりにピアノが弾ける人もいますよね。

筆者はそのための方法が分からず、長年苦労しました。ピアノを続ける限り、その課題は続くと思いますが…

この記事では歌心のない筆者でもできる、『ただ弾いているだけのピアノ』にならないための方法について説明します。

なぜ「ただ弾くだけ」になってしまうのか

ピアノの音色はとても美しいけれど、一方でとても損な楽器といえます。

他の楽器の多くは、メロディーや自分のパートにだけに集中すればいいですが、ピアノは音楽のあらゆる要素を担当しなければなりません。メロディー、伴奏、合いの手(ハモリなど)、バスパートなど・・・

そのため、ピアノの楽譜には膨大な数の音符があり、楽譜を鍵盤上に移し替えるという行程だけでも、十分に大変な作業です。「弾くだけで精一杯」となるのも無理はありません。

クラシックの曲は、楽譜通りに弾くことがもちろん基本。作曲家の意図を楽譜から読みとり、音楽として形にしなければなりません。

しかし、音楽的にピアノを弾くためには、楽譜を正確に弾くだけでは足りないのです。ピアノに限らずですが、楽器の学習の最終的な目標は「自分で作り出す音楽」だからです。

音楽のしくみを理解すると随分変わる

ピアノは音楽の要素、ほぼ全てを1人で担うため、他の楽器奏者よりも、さらに楽譜の内容をしっかり読みとる必要があります。そのための方法について説明します。

弾く前に音楽の内容を理解する

楽譜に書かれている内容を理解することは、練習する上でとても大切なことです。

楽譜を見て、メロディー(旋律)、伴奏、副旋律(合いの手など)、バスの役割を理解する。そして、メロディーを中心に、全体の音楽の流れを理解する。そうするだけで、それぞれのパートをどのように弾くことが大切かが見えてきます。

この作業を、実際に音を出す前に確認することがポイントです。

音楽の流れや呼吸を考える

メロディーを音楽の流れの中で、どう歌うべきかを考えます。実際にメロディーを、声に出して歌ってみると分かりやすいです。難しい場合は、メロディーパートのみ、弾いてみてもOK。

例えばですが、音型がだんだんと上昇していく場合は、そこに記号がなくても、クレッシェンド気味に弾くことが自然です。もちろん例外はありますが、音楽には暗黙のルール的なものが存在しますから、初心者の方は、メロディーをどのように歌うべきか、先生に指導してもらうとよいでしょう。

また、歌や管楽器と違って、ピアノは実際に「呼吸」をしなくても弾けてしまう楽器です。そのため、どうしても「音楽的な呼吸」を忘れがちになってしまいます。

どんな楽器であっても、歌う時と同じように、音楽は呼吸するのが自然です。呼吸は指にも音にも影響します。

「フレーズの切れ目で呼吸する」など、歌う時と同じように呼吸します。長いフレーズでは長く、静かなフレーズでは静かに、激しいフレーズでは鋭くなるはずです。やはりここでも、メロディーを実際に歌ってみると感覚が掴みやすいと思います。

メロディーに応じた伴奏を考える

言うまでもなく、音楽の主役はメロディーです。伴奏では、主役を目立たせるために相応しい弾き方をする必要があります。

具体的にはメロディーを引き立たせるために、伴奏をどのような音質・音量で弾くべきかということですね。バランスが大切です。

基本的には、伴奏は和声を担当します。和声感は大切にし、メロディーがある場所では、基本的には極力出しゃばりすぎないことがポイントです。

バス(ベース)も大切な存在

メロディーの次に大切なのは、実はバス(ベース)です。低音部が響くと、音楽全体に深みが増します。逆に、バスをおろそかに考えると、薄っぺらい音楽になってしまいます。

ピアノはメロディーのような高音域も担当できるし、バスのような低音域も担当できる。それって、ものすごい可能性のある楽器だと思いませんか。

テクニックよりも大切なこと

ここまで説明したように、音楽のしくみを理解してメロディーを歌うことはとても大切です。これらを意識すると、あなたのピアノの指先のテクニックがこれまでと同じであっても、奏でるピアノの表情はガラッと変わります。

楽器を学習する上で大切なのは、いかに指をコントロールできるかということよりも、「自分で作り出す音楽」です。

自分の意思を持って豊かに表現をすれば、多少のミスなんて、聴いている人にとっては案外気にならないものです。正しい音よりも大切なことが、音楽にはたくさんあるからです。

まとめ:「ただ弾いているだけ」のピアノにならないために

ここまで、『ただ弾いているだけのピアノ』にならないための方法について紹介しました。

心を込めて弾いているつもりでも、言葉ほどに反映されないのがピアノの難しいところです。その気持ちが、音としてあらわれないといけません。

音楽のしくみを理解し、メロディーをどう歌うか、それに相応しい伴奏の弾き方も重要でした。

また呼吸も大切です。歌うように呼吸すれば、だんだんと歌うように弾けるようになっていきます。

生き生きと表情豊かに弾くためのヒントはまだまだあります。形にすることは難しいですが、ここで紹介した内容は、方法の一つとして試してみてくださいね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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ピアノ上達に向けて

ピアノのレッスンの学びを最大に吸収する方法

せっかくピアノ教室でピアノを習うなら、その学びを2倍にも3倍にもできたらいいですね。

同じ先生から習っていても上達が速い人と遅い人がいます。その理由のひとつは、レッスンの受け方にあります。

この記事では、上達するレッスンの受け方について、お伝えします。

レッスン時間の過ごし方

レッスンで学んだことを、100%以上吸収するための過ごし方についてお伝えします。

注意やアドバイスを楽譜に書き込む

必ずレッスン中は鉛筆を譜面台のところに置き、先生からのアドバイスをいつでも書き込めるようにしましょう。

先生が置いてくださっていることもありますが、ここはぜひ自分のものを使いましょう。

楽譜は生徒さんの所有物なので、書き込みは基本OKであるはずです。お勧めは「鉛筆」。鉛筆であれば、後で消すこともできます。

シャーペンはおすすめ出来ません。芯が折れた場合、ピアノの中に入ると取り出せなくなってしまうからです。

レッスンを録音する

レッスンで教わることを、その場では理解したつもりでも、意外と忘れてしまうものです。前項でお伝えしたように、楽譜へのメモも必要ですが、全てをメモするのは難しいです。

そこでお勧めなのがレッスンを録音すること。後で聞き返すと、細かな注意点など、忘れている内容は多いものです。録音を聞くことで思い出せます。

録音すると、レッスン中はリアルタイムでメモを取らなくてすむので、先生の言葉に集中することができます。

また自分の演奏を聞くことにもなるので、たくさんの気づきに出合えます。

もっと上手に弾いているつもりだったのに、そうでもなかったりすることも。むしろ学習者にとっては、そのようなギャップを感じることの方が多いと思います。

自分の演奏を聞くのは恥ずかしくて勇気がいることかもしれませんが、現実を知れば、自分でも課題が見つけられます。それは、効率よく上達することにつながるのです。

尚、レッスンを録音する際は、ひと言先生へ許可をもらうことを忘れずに。

次のレッスンまでの過ごし方が上達へのカギ

特に大人の皆さんは忙しい。だからと言って、レッスン時間の約30分だけで上達を目指すのは、限界があります。ある程度、自宅の練習時間は確保したいものです。

そこでレッスン後から、次のレッスンまでの過ごし方について説明します。

自宅での練習量が上達と比例する

レッスンは、自分が分からないことを先生から教わる場です。練習するための時間ではありません。

自分1人で出来ることは可能な限り、自宅で練習し、できるようになっておきましょう。

そうすることで、次回のレッスン時間を有意義なものにできます。自宅での練習量が、上達に比例すると言っていいでしょう。

大人は練習時間を確保することは大変だとお思います。自分に合うやり方を探りながら、練習を習慣にしましょう。

レッスンの録音を早い段階で聞く

つい日々の忙しさの中でやりがちなのが、せっかくレッスンを録音しても、聞かないまま次のレッスンを迎えてしまうことです。

特にレッスンが毎週、ということであれば、気がつけば1週間なんてあっという間ですよね?2週間でもすぐやって来ます。しかし聞かないまま、というのはとてももったいない。

レッスンの当日、または次の日までに、意識して聞き返すことがお勧めです。自分への課題が早い段階で分かると、効率よく練習ができるからです。

忙しいのであれば、せめて、移動中とか、ながら聞きでも構いません。全く聞かないよりは何倍も気付きがあるでしょう。

レッスンの録音を聞き返すかそうでないかで、レッスンで学んだ価値を2倍にも3倍にもできるのです。

レッスンの学びをもっと有効活用したい人は

1度のレッスンをもっと有効活用したい時は、A4サイズのスケッチブックやスクラップブックを購入して、楽譜をコピーして練習用に使うのがおすすめです。

毎回のレッスンの録音内容は、一言一句、全てこれに書きこみます。

また、練習番号や指番号を書いたり、ミスしやすいところに印をつけたりして、自分が練習しやすいように使いましょう。そういった書き込みをすることは、譜読みや練習時間の短縮につながります

新しい曲をやる度に、筆記用具代やコピー代がかかることにはなりますが、レッスン代に比べたら微々たるもの。

数回のレッスンを受けっぱなしにするより、1度のレッスンの復習をしっかりすることが確実に上達します。上達が目指せる上に、レッスン回数も最小限ですませられます。面倒でもやらない手はありません。

同じ曲のお手本を聴く

習っている曲のお手本を聴くことも、上達へのカギです。これなら、移動中や家事をしながらでも、聴くことができるでしょう。今はネットやYouTubeなど、無料でも聴く方法があります。

このように、ピアノの前に座る以外の時間も使いながら、無理なくピアノ上達を目指したいですね。

もちろん、その曲を集中して聴く方がより勉強になります。時々はそのような「聴く」時間を持つように心がけましょう。

まとめ:ピアノのレッスンの学びを最大に吸収する方法

ここまで、ピアノのレッスンでの学びをしっかり吸収する方法についてお伝えしました。まとめると次のようになります。

レッスン中の過ごし方

・鉛筆を準備し、必要なことをメモする

・録音する

次のレッスンまでの自宅での過ごし方

・レッスンで学んだこと中心に、しっかり練習する

・そのためにレッスンの録音を必ず聞いて復習する

・練習用楽譜を作り、細かく書き込んで、練習をしやすくする

せっかくお月謝を支払うなら、学んだことをその金額以上の学びにつなげられたらいいですよね。

先生の教えを効率よく吸収して、ぜひ上達につなげていただけたらと思います。

皆さんの音楽ライフが楽しいものになりますように。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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ピアノ上達に向けて

ピアノ学習には絶対音感が有利?

流れてきた音楽を、楽譜もなくピアノで演奏できる人を見て、「絶対音感がある人はいいなぁ」と羨ましく思うことはありませんか?

しかし、そのピアニストは必ずしも「絶対音感がある」とは言えません。むしろ、別の能力が優れている可能性の方が高いのです。

この記事では、ピアノを学習する上で、絶対音感があると有利なのかどうかについて、説明します。

絶対音感とは

絶対音感とは「ある音の高さを他の音と比べずに判別する能力」のことです。

それは、楽器の音だけに限りません。世の中には、楽器の音以外に、様々な音が存在します。絶対音感とは、そういう日常の生活音ですら、瞬時に「音名(ドレミ…)」で分かる能力のことを言います。

例えば、車のクラクションが瞬時に「ラ」に聞こえたり、鳥の声が「ミ」に聞こえる、というようなことです。もちろん、そういった音はピアノの鍵盤でも表せないことがあります。日常の生活音や自然音には、「ド」と「ド♯」の間の音、のように曖昧な音が多いからです。

尚、絶対音感は、先天的に持っている人は非常に稀で、なおかつ、幼少期(7才位)までに訓練しないと身につかないと言われています。

相対音感とは

一方、基準の音を聞いて音を判別できる能力を「相対音感」といいます。

では、ピアノの音を1音だけ弾いて、鍵盤を見ずに音名を当てられる能力は、どうでしょう?他の音と比べずに当てられたので、ある意味、絶対音感と言えるのかもしれません。実際にそれを絶対音感と呼ぶ人もいます。しかし、これは絶対音感とは言えません。

楽器の音程を他の音と比べずに判別できる能力は、「相対音感」の範囲内なのです。音程のある音は全部で12コ。これは大人でも訓練すれば、他の音と比べずに認識できるものです。

多くの楽器演奏者や音楽家は、ある程度のレベルの相対音感は、自然と身につけています。あるレベル以上になると、訓練が必要となります。

ピアノの上達には相対音感を訓練すべき

他の楽器と比べてもピアノの上達には、相対音感の訓練で十分な理由があります。それについて説明します。

相対音感を身につけるとメリットがたくさん

冒頭で紹介したような、「聞こえた音楽を楽譜もなく、ピアノで演奏できる人」は、絶対音感というよりは、「相対音感が非常に優れている」ということになるわけです。

実際に、プロの音楽家ですら、相対音感だけを持つ人がほとんど。もちろん、絶対音感を持っていれば、恐いものなしなんでしょうけど、残念ながら、それは幼少期までにしか身につけられないものですし、そもそも音楽の仕事をする上では相対音感で十分なのです。

相対音感を身につけるほど、ピアノ学習においては、音楽の理論が分かる、初見や譜読みが早くなる、即興演奏ができるようになる、など多くのメリットがあります。

つまり、多くのピアノ学習者にとって「絶対音感があるって羨ましい」と嘆くよりは、相対音感を訓練する方が、ピアノ上達への道としてはるかに現実的な方法なのです。

※譜読み・・・初めて弾く曲の譜面を見て、ある程度正しく弾けるようになるまでの作業

ピアノは音程を作る必要がない楽器

バイオリンなどの弦楽器は、「ド」「レ」「ミ」などの正しい音程を自分で作らければなりません。一方、ピアノは、ある鍵盤を弾けば確実に「ド」の音が出せる楽器です。

そのため、ピアノ奏者は音程における、微妙なピッチの違いを判別する必要はありません。そういう意味でもなおさら、ピアノは相対音感を鍛えるだけで十分な楽器と言えるわけです。

ただし、ある一定レベルの相対音感を身につけるには、それ相応の訓練が必要となります。

相対音感の身につけ方について、もっと知りたい方はこちら→ソルフェージュとは?ピアノ学習と併用する効果。

手っ取り早く鍛える、音感トレーニング

まとめ:ピアノには絶対音感が有利?

ここまで、ピアノを学習する上で、絶対音感があると有利なのかどうかについて説明しました。

絶対音感とは、「ある音の高さを他の音と比べずに判別する能力」のことを言います。これは、生活音や自然音ですら、瞬時に音名で分かる能力のことです。

一方、基準の音を聞いて音を判別できる能力を「相対音感」といいます。

楽器の音を判別できる能力においては、たとえ他の音と比べずに判別できたとしても、「相対音感」の範囲内なのです。

ピアノは鍵盤を押さえれば、必ず音程のある音がでますので、絶対音感がなくても、何の不利にもなりません。

つまり、ピアノ学習者にとって、相対音感を身につけることが、ピアノ上達へつながる方法なのです。相対音感は大人になっても訓練することで身につきますから、ぜひ身につけることをおすすめします。

あなたの音楽ライフが充実したものになりますように。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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ピアノ上達に向けて

ピアノ上達へのシンプルな考え方

ピアノは1つの楽器で、あらゆることができる「楽器の王様」です。ある程度弾けるようになるためには、何年もの練習の積み重ねが必要となります。

情報が溢れている昨今。ピアノ上達のための練習方法など、数えきれないくらいほど紹介されています。しかし、情報過多により、結局何が大切なのか分からなくなってしまうことありませんか?

この記事では、多くのピアノ経験者やプロたちが口を揃えて言われているピアノ上達への考え方を、「シンプルに」お伝えします。

ピアノ上達で大切なこと①自分のレベルに合った練習をする

せっかく練習をしていても、その練習が合っていないと、上達に時間がかかることもあります。それについて説明します。

背伸びをしないこと

ピアノを練習する時「少しでも早く上達したくて、速く弾いてしまう。」

ピアノを始めた人やなかなか上達しない人ほど、そのような練習をやりがちです。しかし、これは上達への遠回りとなってしまう行為。

もちろん、間違えずに弾けるのであれば、速く弾くことはステップアップとなります。

しかし「正しく弾けていないのに、速く弾いてしまう。」その結果、「途中で演奏が止まったり、何度も同じ箇所を弾きなおしたりする。」

そのくり返しでは、残念ながら上達は遠ざかってしまいます。つまり、背伸びをしないことが大切です。

正しく・丁寧に練習する

ゆっくりでも確実に弾けること。それができてから、ほんの少しずつテンポを上げていく。それが、着実にレベルアップする方法です。

ピアノ学習において、そっちの方が断然、背伸びするより近道なのです。

ということで、次のような練習をおすすめします。

1.テンポ(速さ)を落として、丁寧に練習する(弾きたい速さで雑に練習しない)

2.せまい範囲を正しく練習する(広く浅い練習にしない)

このような練習を、積み重ねていくこと。それが実力の底上げにつながります。

ピアノ上達で大切なこと②続けること

ピアノの練習は言うまでもなく、練習量も大切です。しかし、1度に頑張りすぎて、その反動で練習が嫌になり、やめてしまっては意味がありません。大切なのは、たとえ毎日ではなくとも「続けること」です。そのためのヒントをお伝えします。

目標設定をする

ピアノを始めたいと思ったきっかけは何ですか?動機があってピアノを始めたとしても、人は続けるうちに最初のやる気など、段々と忘れていってしまうものです。そうなると続きません。

そうならないために、長期的な目標と、月・週などの短期的な目標を立てましょう。1日の練習目標や練習メニューまで作ると効果的です。

練習の目標を「1時間練習する!」よりも、「この1段の譜読みを確実に終わらせる」など、時間よりも練習内容にフォーカスするのが早く上達できるコツです。

習慣化させる

朝起きて歯を磨いたり、ご飯を食べたり、お風呂に入ったりする習慣のどこかに、「ピアノの練習」をくみ込んでみましょう。無理なく練習できるタイミングがあるはずです。

習慣化すると、無意識でも行動できるようになるので、エネルギー最小限でピアノの練習が毎日続けられます。

仲間を見つける

ピアノに限らず、同じ方向を向いて頑張る仲間の存在は、何よりも継続の秘訣です。自分のモチベーションが上がらない時でも、仲間の練習報告を聞くと、再び「頑張ろう」と思えます。

ピアノ教室に通って、そういう仲間を探すのもひとつの方法です。

今は、SNS(インスタグラム、ツイッター、フェースブック)やWEB上で、ピアノ初心者から色々なレベルの人たちが、練習経過を投稿しているようです。その中で刺激をもらうのもいいと思います。長く応援できる人を探すと、モチベーションが続くかもしれません。

ピアノ上達で大切なこと③人や自分の音をよく聴く

音楽はとにかく「聴く」ことが大切です。それについて説明します。

興味のある音楽を沢山聴く

様々なジャンルの音楽や、いつか自分が挑戦したい音楽を聴くことはとてもいいことです。それらを聴いて、音楽に対してイメージが膨らむと、自分の演奏にもいい影響をもたらしてくれます。

自分の音をよく聴く

ピアノを弾く時は、どうしても「正しく指を動かすこと」に意識が行きがちですが、極力、自分の音(表現的な音)もよく聴くように心がけましょう。

そして時々は、録音などをして聴くようにしてみてください。想像と違うような演奏になっていることに気がつくはずです。ピアノの上達というのは、単に指がスラスラと動くようになることだけではありません。「こう歌いたい」という音楽性を表現することがとても大切なのです。

その大切さは、ピアノ初心者の段階でも同じ。初心者のうちから音楽の表現を身につけることで、テクニックが上達した時に、より思いのままに演奏することが可能になります。

まとめ:ピアノ上達へのシンプルな考え方

ピアノ上達の考え方を、シンプルに紹介しました。まとめると次のようになります。

自分のレベルに合った練習をすること

自分のレベルに対して背伸びをせず、今のあなたが確実にできる練習を、正しく丁寧に行うことが大切です。

練習を継続させること

たとえ毎日でなくても、続ければ成長しつづけます。短期的・長期的な目標を立てたり、ピアノ仲間を見つけたりして、やる気を維持させましょう。1度習慣化してしまえば、後がとても楽です。

人や自分の音を聴くこと

様々なジャンルの音楽を聴くことは、自分の音楽性を高めるために効果的です。また自分自身の演奏を聴くことも大切です。録音を活用しましょう。

以上、3つを紹介しました。当たり前のことだったかもしれませんが、練習に余裕がなくなると大切なことが見えなくなることがあります。時々、ここで紹介した「上達への考え方」を思い返してみてください。

皆さんのピアノライフが素敵なものになるよう、応援しています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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ピアノ上達に向けて

ピアノは毎日練習が必要?練習に大切なこと。

どんな分野でも上達するには、継続的な練習が必要です。特にピアノは、週に1度のレッスンとは別に、家での練習も必要となります。

そしてよく言われるのは「ピアノの練習は1度に長時間するより、短時間でも毎日やる方がよい」ということ。

はたして、本当にそうなのでしょうか。

この記事では、ピアノは毎日練習するべきか、という問いについての筆者なりの答えと、その理由についてお伝えします。

ピアノの練習は毎日すべき?

結論からいうと、必ずしも「YES」ではありません。その理由について説明します。

子どもの場合は毎日がよい

お子さんについて言うと、ピアノは毎日練習した方がよいでしょう。それは、習慣づけをするためにもなるからです。

子どもが何かを継続して成し遂げることは、その子自身の大きな成長になります。ピアノがきっかけで、他のことにも自信が持てるようになるかもしれません。また、音楽の道に進むことにつながるかもしれません。

このように、子どものピアノ習得には様々な可能性があります。

その際「習慣化」はとても強い味方。ピアノが1度習慣化されると、ピアノに向かうエネルギーは最小限ですみますし、がんばらずに前進できる方法となるのです。

そのため子どもにとっては、毎日練習することがおすすめです。

また、教員免許や保育士の資格のために早く上達する必要がある人も、可能な限りは毎日の練習が必要です。言うまでもありませんが、練習すればするほど、上達するためです。

一方で、プロを目指すわけでない限り、大人のみなさんは、無理に毎日する必要はありません。仕事、家庭など、自分だけの時間が取れないことが多いと思います。自分のペースでOK

「毎日練習しないと、指が動かなくなる」わけではない

毎日練習しないと、指が動かなくなったり、動きを忘れたりする、という考えの人もいます。

確かに筆者自身、長期に渡って長時間練習する日が続くような時期は、1日空くだけで、指が鈍くなったように感じることがあります。特にテクニカルな練習や、ハードな練習を長時間した時です。そういう時は、1日練習しないだけで、指が重く感じたり、後もどりしたように感じたりします。

しかし、その「ハードな練習の時期」を除けば、少々練習しない日があっても、腕が落ちた感じがすることはほとんどありません。

「毎日練習しないと指が鈍る」というのは、普段から超ハードな練習を、長年続けている人の言葉なのではないかと思います。

毎日短時間&週末まとめて練習、どちらがよい?

同じだけ練習するなら、下記の①と②の練習パターン、どちらがよいでしょうか。

①週に一回、70分練習する

②10分の練習を毎日(10分×7日=70分)する

一般的には②の方がいい、という答えが多いかもしれません。少なくとも筆者は、②を推奨している人を多く見かけます。正直、ずっとそれが疑問でした。

ピアノは練習の度に「ウォーミングアップ」が必要です。その日初めて弾く時は、指は思うように動きませんよね?動かしていくうちに、やっと指が動くようになっていく。今あなたができる最良の指の動きになるまで、少し時間がかかるものです。

たとえば1日10〜20分の練習となると、そんなに多くのことはできません。そうなると、弾き始めて、やっと「指がピアノに慣れてきた、さあこれから!」と思った時に、練習が終わってしまいます。

そうなると、毎回「上達への手応えがない練習となってしまう可能性」があります。

一方、ハノンなどの指の練習(テクニカルな練習)を行い、指のコントロールがより自由になった後に楽曲を練習する。そういった練習を行った方が確実に上達への変化も実感できます。

つまり、たとえ毎日できなくとも、長めに練習し、『のってきた』と思えるくらいまで、まとめて練習した方がよい場合もあるのです。

ここで誤解しないでいただきたいのは、1度に1時間以上練習しないと意味がない、ということではありません。「毎日欠かさず練習しなきゃ。」と気負う必要はない、ということをお伝えしたいのです。

ピアノを練習する上で大切なこと

前述のように、ピアノの練習は「毎日続けること」ばかりが大切なのではありません。それよりも、自分に合った時間の使い方を工夫し、「無理なく続けられること」こそ、いい方法です。

そして限られた時間の中ですから、質のいい練習をすることが大切です。

練習時間に応じた、ふさわしい方法をお伝えします。

短時間の練習を毎日する時は

毎日、10〜20分という短い時間しか確保できない人の練習としては、短い範囲を確実に弾けるように練習することがよい方法です。

長い範囲をざっくりと練習すると、所々間違えてしまったり、雑になったりしてしまい、なかなか上達しにくいです。

わずか1段、1小節でも、「片手ずつで正しく弾く」「正しく両手で弾く」など、正しい音・リズムで丁寧に練習することです。それが積み重なっていくことで、短時間でも確実に上達します。

週末にまとめて練習する時は

長時間練習をする時は、集中力が切れる前に、休憩をこまめにはさむようにしましょう。

また「時間がある」と思い、何となくの練習をやってしまうと貴重な練習時間が無駄になってしまいます。曲が仕上がるまでは、通し弾きは少なめに、部分練習を多めに行いましょう。やはり、「正しく」「丁寧に」練習することが大切です

なお、可能であれば、平日に1回でも追加で弾くことができれば、週末に長めに練習したことがより記憶に残りやすくなります。

そうなると、約1週間ぶりに練習する際、感覚を取り戻すのに、「10分かかっていた」ものが、間をはさむことによって、「5分ですむ」など、時短につながります。

普段の生活でできる工夫

ピアノに向かわずとも、普段の生活でできることがあるとすれば、指のストレッチです。

意外と気がつきにくいことなのですが、身体が硬い人は、手が大きい人でも指が開きにくいので、「オクターブが掴みにくい」などのちょっとしたハンデがあります。

たとえピアノに毎日触れなくても、お風呂に入った時など、指の間を無理なくストレッチし、練習できる時の負担を最小限にするのもよい方法です。

まとめ:ピアノは毎日練習が必要?練習に大切なこと。

ここまで、ピアノは毎日の練習が必要なのかということについて説明しました。

もちろん、ピアノは練習すればするほど上達します。しかし、仕事、家庭などで多忙な中、「毎日練習しなきゃ!」と気負う必要はありません。

毎日、短時間しか練習できないのであれば「週末に少し長めに練習する」というスタイルでも充分、上達できる理由があるということです。

無理なく続けられること、また質のよい練習をすることの方がより大切です。

ぜひ自分にふさわしい方法を見つけて、ピアノライフを楽しんでいただきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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ピアノ上達に向けて

ピアノの練習におけるメトロノーム活用方法。

ピアノには練習方法がたくさんあります。皆さんは、「メトロノーム」は活用していますか?

メトロノームはピアノの上達を目指すためには、なくてはならない必需品です。音楽を勉強するにあたって、「テンポ感」を身につけることはとても大切だからです。

筆者にとっても、「メトロノームなしにはピアノの上達は語れない」そのくらい大切なものです。

この記事では、メトロノームがピアノの練習に欠かせない理由や、メトロノームを使った練習方法について、説明します。

ピアノの上達にメトロノームが効果的な理由

メトロノームを使った練習が効果的である理由を説明します。

音楽にはテンポ感が大事

音楽の大切な要素の中に「テンポ(速さ)」があります。一定のテンポを刻むことは音楽の基本でもあります。

時間の流れは、誰に対しても平等です。ところが、人によって、また感情によって時間の流れる感じ方は異なることがよくあります。

例えば、楽しい時間は早く過ぎたり、逆に退屈な時間は長く感じたりします。大人の方が子どもよりも月日の流れを早く感じると言われています。

音楽をやる上でも、音楽の流れを知ることは、とても大切なことです。基本的なテンポがあり、その中で、たっぷりとした「うた」のような表現があったり、前向きなテンポで進んでいったりします。

その「テンポ感」が主観的だと、音楽の流れが不自然になったりします。客観的な流れを知っておくことは演奏のテクニック的にとても大切です。

客観的な時間の流れを掴むこと

自分では一定のリズムで刻んでいるつもりでも、いざ他の共演者やメトロノームに合わせてみると、合わないことがあります。

速い曲だと感じていたものが、実は意外とゆっくりだったりすることもあるのです。

また、始めたテンポと同じように弾いていても、気がつかないうちに段々と速くなってしまうこともよくあります。演奏に余裕がない時ほど、自覚しているテンポと実際のテンポは違うものです。

客観的な速さを知るためには、メトロノームが大活躍します。

正しいリズムが分かる

正しく譜読みをしているつもりでも、メトロノームと合わせて弾いてみると、途中で合わなくなったりすることがあります。

どこかで誤ったリズムで弾いてしまうと矛盾が生じて、このようなことが起こります。

このようにメトロノームの練習をすることで、誤った練習をした時の「気づき」にもつながります。

メトロノームの種類

メトロノームのタイプについて、紹介します。

振り子式

電池不要のタイプです。ネジを回せば、故障しない限りは、永遠に「カチカチ」鳴ってくれます。筆者の人生初のメトロノームはこのタイプ。20年以上、壊れずに動いてくれました。

初めてメトロノームを買うならば、最初にこの王道のタイプを持っておくと良いでしょう。種類にもよりますが、修理が可能な物もありますし、とにかく長持ちします

ただし、速さやリズムの選択が電子式よりは種類が少ないというデメリットがあります。

電子式

リズムや速さの種類が多いので、細かいリズムに合わせて練習したい人にはおススメです。

チューナーが付いているタイプが多いため、ピアノ以外のチューニングが必要な楽器の人にも人気です。さらには軽量なので持ち運びにも便利。

デメリットがあるとすれば、電池が必要なのと、電子機器なので、寿命は振り子式より短めかもしれないところです。

アプリ

無料でインストールできるので、手っ取り早く手に入れたい時や、単発的に使う場合に便利です。

昔はシンプルなものであれば、無料でも広告なしの物がありましたが、今はほぼ広告が流れますので、長時間練習したい時には向きません。すぐにスマホの充電がなくなってしまいますし、流れる広告が目障りです。

有料版であれば、無料版より使いやすいかもしれませんね。

ピアノの練習におけるメトロノームの考え方

古典派(ハイドン、モーツァルト、ベートーベン)の曲は比較的、一定のテンポで音楽が流れます。そのため、練習には、そのテンポ感を身につけるために、メトロノームの練習を多めにすることをおススメします。

ロマン派以降の曲は、テンポが自由な曲が多いです。それでもやはり、楽譜上の正しいリズムをテンポ通りで弾けることは基本。譜読みの段階では、ぜひメトロノームを使って練習してみることをオススメします。それが確実に出来た上で、表情豊かにうたったり、自由にゆらしたりします。

基本のテンポが刻めないうちに自由に弾いてしまうと、音楽の流れが不自然になってしまいます。音楽には豊かな表現力が求められますが、それ以前に安定感も必要なのです。

メトロノームの使いすぎには注意

メトロノームの練習は沢山やればやるほど、音楽の安定感は増します。しかし、目的を見失ったり、やり過ぎたりしてしまうと次のようなことが起きてしまいます。

・音楽性のない、機械的な演奏になってしまう。

・自分一人(メトロノームなし)では、一定のテンポを刻めない。

・「帳尻が合えば、正確だ」と判断しかねない。

メトロノームの意外な活用方法

メトロノームの練習がテンポ感を身につけるために効果的であることは前述の通りです。もうひとつ、効果的な方法を紹介します。

1つの曲を暗譜し、仕上げの段階に入った時。

暗譜したままメトロノームに合わせて弾いてみましょう。

・・・調子が狂って、意外と上手に弾けないことがあります。

何度も弾きこんで、自分なりの音楽に仕上げたその自由な弾き方は、豊かな表現をするために、素晴らしい演奏だと思います。

その段階で、メトロノームの練習をするのはとても久しぶりなはずです。だからこそ、もう一度、基本に戻って弾いてみる。そうすると、暗譜の確認にもなりますし、あなたの演奏は更に安定し、確かなものとなります。

このようにメトロノームは、曲の仕上げの段階の練習にも、とても効果的なのです。

まとめ:ピアノの練習におけるメトロノーム活用方法。

ここまで、メトロノームの練習が効果的な理由と活用法について説明しました。

音楽は、正しいテンポ感を身に付けることがとても大切な要素です。

時間の流れは人やその時の感情によって異なることがあり、客観的な時の流れを身に付けることはとても大切。

メトロノームはそのための練習の必需品です。多くやればやるほど、正しいテンポ感は身に付きます。

ただし、機械的すぎる演奏にならないように、目的を理解して練習するが大切です。

また、仕上げの段階までに磨いた曲でさえも、メトロノームと合わせて弾いてみると、いい練習になります。暗譜の確認にもなるし、さらに安定した演奏になること間違いありません。

豊かな音楽表現とメトロノームの練習。一見すると、相反することのように感じますが、決してそうではないことが分かっていただけたと思います。メトロノームはピアノの上達に欠かせない存在。いい音楽を奏でるために、どんどん練習に活用してみてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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ピアノ上達に向けて

ピアノが上達しない理由とは?

ピアノの上達は練習量と比例します。しかし、上手な人と同じだけ練習すれば同じように上達するかといえば、必ずしもそうとは限りません。逆に言えば、効率の良い練習をすると短時間でも、上達は見込めるものです。

では、ピアノが上達する人としない人の違いはどこにあるのでしょうか。

この記事では、ピアノが上達しない理由について説明すると共に、その対処法をお伝えします。それが分かれば、ピアノの挫折防止にもつながります。

ピアノが上達しない理由

ピアノが上達しない理由は様々あります。当然、練習しないと上達はしません。それ以外でも、意外と気づかない理由もあります。

ここではピアノが上達しない理由とその対処法について説明します。

練習しない

ピアノのレッスンに通っていても、自宅での練習の習慣が身についていなければ、上達は難しいでしょう。

週1回の30分〜1時間のレッスン時間も大切な時間ですが、それ以上に、残りの週6日間でどれだけ練習するか、それがいかに上達するかの大きな決め手となります。

この問題は、習慣化してしまえば、解決するものです。

やる気がない

ピアノを習っているお子さんの中には親の意思で始めた子も多いと思います。そうだとしても、なぜやる気がないのでしょうか?

ピアノに全く興味がない場合…だんだんと楽譜が読めたり、曲が弾けるようになると、ピアノの楽しさが分かってくることも多いです。

もし、その時期を通り越してもやる気が出ず、練習しなければ、残念ながら、ピアノ上達は難しいかもしれません。

楽譜が読めない場合…ピアノが好きであっても、最初のうちは楽譜が読めないことで、理想と現実のギャップに戸惑うこともあります。

宿題に出されたことを、ひとつずつ、丁寧にとりくむようにしましょう。できることが確実に増えることで、ギャップが埋まり、楽しさを感じられるようになります。

練習時に集中できていない

練習中に違うことを考えたり、ついスマートホンを触ったりすることありませんか?

同じ時間でも、集中している時間とそうでない場合は、上達に差がでます。

そういう場合は、練習時間を設定するのではなく、「練習内容」を設定するようにしましょう。

例えば、「30分練習する」よりも、「このページを◯回練習する」「このページをスラスラ弾けるようになったら練習終わり!」など、内容を優先して決めることです。

小さいお子さんの場合は、回数を設定してあげる方が、分かりやすいかもしれませんね。ただし、回数だけの支持だと、子どもによっては、雑に弾いてしまう場合もあるため、丁寧に弾くように声かけしてあげてください。

弾けるところ・好きなところばかり練習する

得意分野を伸ばすことはとても大切なことです。ただし、ピアノの練習においては、必ずしもそうとは言えません。苦手なことを克服することは、上達への近道です。

嫌いな曲・嫌いな部分の練習は、どうしても後回しになりがちです。そもそも、嫌いである理由は、「弾けていない」という理由からくることが多いです。弾けるようになれば、ある程度は好きになりますし、テクニックの底上げとなっていきます。

弾けないところ、嫌いなところこそ、ピックアップして回数重ねましょう。弾けるようになるまでは辛い作業ですが、それが上達のカギとなります

目標が曖昧

ピアノが好きで自分の意思で始めた人にとっても、目標が曖昧だと、途中で練習への意欲がマンネリ化したり、飽きてしまうこともあります。

昔からピアノに憧れていたから始めた、という強い気持ちがあっても、目標を持つことはモチベーション維持には必要です。例えば、次の目標は一例です。

【目標の例】

・ピアノ教室の発表会に参加する

・友人・知人の前で披露する

・ストリートピアノで弾いてみる

・録画して記録に残していく

・YouTubeに投稿してみる

上に挙げた例は、比較的長期的な目標ですが、短期的な目標を作ることも効果的です。

例えば「次のレッスンまでに、このページまでミス無しで弾く」という目標を作り、そのために、1週間でやるべき練習を計画的にやることです。

大人の方は忙しく、練習時間が限られていることも多いので、そういう工夫をすることで短時間でも効果的に練習ができます。

目標が高すぎる

目標が高すぎることも上達に結びつかずに、挫折をしてしまう原因になります。

もしあなたにずっと憧れていた曲があったとします。

しかし、いざ練習を始めると、想像よりはるかに難しかった場合どうしますか?弾けないから諦めてしまう、それだけは避けましょう。

難しいければ、まずは簡単な曲から挑戦することは良い方法です。

また、目標が高い人ほどありがちな、「誤った練習パターン」があります。自分の実力を自覚せずに練習してしまうと、上達から遠ざかってしまいます。

【ついやりがちな誤った練習パターン】

・まだ弾けてないのに、両手で弾こうとして止まる→片手ずつの練習を増やそう。両手で合わせられるまで、片手ずつの練習は十分に行いましょう。

・速いテンポで弾いて、止まってしまう→遅すぎる!と思うくらいゆっくりのテンポで弾こう。遅すぎても止まらない方が早く上達します。

・まだ弾けていないまま、次の箇所へ進もうとする→ゆっくりでもいいので、インテンポ(一定の速さ)で弾けるまでは、その部分をくり返し練習しよう。弾けないところだけゆっくり弾く、というのはまだ先へ進むべきではありません。

憧れの曲がとても難しい曲で、それでもチャレンジしたい気持ちがある時は、長期的なスパンで考えましょう。自分の実力と練習にかけられる時間を考え、無理のない目標を設定することがコツです。例えば、1か月1ページだけ、などです。

この時に大切なのは「欲張らないこと」

少し低いかな?と思うくらいの目標を設定をしましょう。それよりも頑張れそうなら少しずつ目標を上げていけばいいのです。

「低い目標」というのは具体的に言うと、テンポ(速さ)を落とす、片手ずつやる、狭い範囲を練習する、などです。自分でも確実にできるくらいレベルを落として、ただし、正しく譜読みしましょう。

毎日少しでも続ければ、1年後には随分と弾けるようになります。続ける限り、必ず上達します。

自分の音を聴いていない

自分の音を聴くというのはとても大切なことです。ピアノを弾くことでいっぱいになり、自分の音を聴くことがおろそかになりがちです。聞こえているよ、と思うかもしれませんが、ただ耳から聞こえる音を「聞く」のと、どういう音質でどのような表現をしているのかを「よく聴く」ことは違います。

1番分かりやすい方法としては、曲が完成に近づいてきたら、自分の演奏を録音や録画をしてみましょう。上手に弾いていたつもりでも、思ったように弾けてないことが多いものです。

録音・録画をすることで、より自分への課題が見えてきます。客観的に自分の演奏を聴くことは、上達するにはとても大切な要素なのです。

もっと効率良く上達するために

ピアノの習得には終わりがありませんから、前述したことを克服できるようになったとしても、練習をやめない限り、さらにピアノは上達はします。その手助けとして次のようなものもあります。

聴音やソルフェージュのレッスンを受ける

聴音やソルフェージュという訓練があります。ピアノのレッスンと別にそういったレッスンを受けると、演奏された音を正しく聴きとったり、ピアノの音を鳴らさなくても、楽譜のメロディーを歌ったりすることができます。

その訓練をすると、さらにピアノでの初見や譜読みが早くなり、上達速度が上がるというわけです。

もちろん、ピアノのレッスンの中にそういう練習を取り入れてくれる先生もいますが、「ソルフェージュ」という単独のレッスンをしている教室もありますので、情報として参考にしてみてください。

ソルフェージュについてもっと知りたい方はこちら→ソルフェージュとは?ピアノ学習と併用する効果。

音感トレーニングをする

「音感」とは音に対する感覚のことで、音の高低、音色などをききわける能力をいいます。音感を養うと、ピアノの上達が早くなります。なお、前述の「聴音」「ソルフェージュ」のレッスンを受けることでも音感の能力が養えます。

レッスンに通わずとも、ある程度の音感を鍛える簡単な方法がありますので、この記事を参考にしてみてください。

手っ取り早く鍛える、音感トレーニング

まとめ:ピアノが上達しない理由とは?

ここまで、ピアノが上達しない方法と、その対策方法について紹介しました。まとめると次のようになります。

【ピアノが上達しない理由】

・練習しない

・やる気がない

・練習時に集中できていない

・弾けるところ、好きなところばかり練習する

・目標が曖昧

・目標が高すぎる

・自分の音を聴いていない

以上の理由がありました。そのための対策をするのとしないのでは、同じ時間だけ練習をしても、力に差が出てきます。

さらに上達を目指すには、「聴音」「ソルフェージュ」「音感トレーニング」というものがありました。これはピアノの上達の手助けになるような訓練のことです。ピアノのレッスンと別に、そのような訓練をすると、上達速度が上がります。そういう教室もありますので、興味のある方は調べてみてください。

この記事で紹介した内容が、少しでも今後のピアノ学習の参考になれば、幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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ピアノ上達に向けて

本番にも使える、ピアノの暗譜方法。

ピアノの暗譜は大変です。

ピアノは1人でメロディー、和音、バスの主要な動きに加えて、さらに第二のメロディーや飾りの音型など、様々な要素があります。

以前、バイオリニストである友人がピアノの発表会の様子をみて、「なぜピアノを弾く人は、よく止まってしまうのか」と言っていました。バイオリン学習者はステージの上で間違えたとしても、止まることはないのだそうです。

弦楽器や管楽器と違って、ピアノはメロディーだけを覚えればいいわけではありませんから、1音分からなくなっただけで、その後、ボロボロに崩れることは不思議ではありません。

それに、人前で弾くまでの道のりは、それは他の楽器より、時間とエネルギーはかかります。

練習ではちゃんと弾けていたのに、本番では思いもよらぬハプニングが起こることも、ピアノ学習者なら「あるある」でしょう。

この記事では、人前で弾く時に頭が真っ白にならないための、暗譜の練習方法を紹介します。

ピアノの暗譜とは

暗譜とは、楽譜を見ずに曲を弾くことです。楽器、声楽、合唱などの伴奏では、本番のステージでも譜面を見ますので、暗譜の必要はありません。

一方で、ピアノソロの場合は、暗譜で弾くことがほとんどです。

ここではピアノの暗譜について、説明します。

譜読みに時間をかける場合

「譜読み」とは、楽譜に目を通すことだけでなく、「ある程度、曲がスラスラと止まらずに弾けるまでの作業」のことです。

譜読みが終わる頃に、暗譜がほとんとできていることもあります。

特に、譜読みが遅い場合は、完成までに練習に時間をかけるわけですから、ある程度弾けるようになった時には、自然と暗譜ができていることも珍しくありません。

なかなか暗譜ができない場合

譜読みが終わってもなお、なかなか暗譜ができない場合。

1段ずつ、1小節ずつなど、とにかく自分が覚えられる範囲で少しずつ覚えていきましょう。

その時に「楽譜を視覚的に見ること」「楽譜から目を離して弾いてみること」「鍵盤と指を視覚的に見ること(←慣れていないと、以外とこれが難しい)」、など色々な角度からアプローチしながら、暗譜を意識してとりくむことが大切です。

人前で弾くことは別もの

楽譜なしで弾けるようになったつもりでも、人前で弾いてみると、実は意外と弾けていない、ということがよくあります。自分一人で弾けることと、人前で暗譜で弾けることは別ものです。人前やステージで弾くには感覚的に暗譜するだけでは危険なので、確実に暗譜で弾くための練習が必要となります。

確実な暗譜をするために

人前やステージでも弾けるための、暗譜の方法を紹介します。

指づかいは毎回同じにする

もし、弾く度に指づかいが違っていては、その曲に対する指の感覚がなかなか身につきません。暗譜は視覚的に意識することも大切ですが、身体で覚えることももちろん大切です。しっかり感覚をつかむために、指づかいは練習の度に、必ず同じにしましょう。

実は、本番で思わぬところで止まってしまう原因のひとつに「いつもと違う指づかいをしてしまった」という場合があります。そうなると途端に脳が混乱し、次の音を続けて弾くことができなくなります。

他の楽器にはそれが理由で止まってしまうことは考えられないことかもしれません。

ピアノの場合、音楽の流れを止めないためにも、指づかいはとても大切な要素なのです。

緊張感の中で弾く機会を活かす

緊張感のある中で弾くと、日頃は何ともないような所で間違えたり、「ヒヤッ」としたりすることがあります。また、暗譜に自信がないところも見えてきます。

そういう時に、自信がなかったところや、暗譜ができていなかったか所には印をつけて、重点的に見直しましょう。その少し前から弾けるようにします

その時のポイントは、再びスタートする時の指づかいまでも確実にしておくこと、です。

さらに楽譜をじっくり見て、頭に楽譜を叩きこんだり、ゆっくり弾いてみたり、その部分に多めに時間をかけて向き合います。

緊張感を作り出すためには、本番を意識して録音したり、家族や友人にお願いして、聴いてもらったりすることです。「発表会ごっこ」をしましょう。

楽譜を見直す

人前で弾くとどうしても、予期せぬところで頭が真っ白になってしまいます。どんなに一流のピアニストですら、本番でしか味わえない緊張感があると言います。一般の学習者ならなおさらです。

それを前提に、万が一止まってしまっても、どこからでも始められるようにしておきましょう。その際に、楽譜を頭の中で視覚的に覚えることも、とても有効です。

メトロノームを活用する

メトロノームを活用することで暗譜が定着しているか確認ができたり、強化できたりします。その具体的な方法を説明します。

インテンポで合わせる

「インテンポ」とは、正しい速さで、という速度に関する意味を表します。

メトロノームに合わせながら、楽譜を見ずに、インテンポで通し弾きをしてみましょう。それだけでも、思わぬところでミスしたり、暗譜が定着していないところが見えてくることがあります。

片手ずつ合わせる

片手の練習はとても重要です。両手では何となく弾けていたところでも、片手では弾けないことがよくあります。メトロノームあり、無し、両方で試してみましょう。片手ずつ練習することで暗譜が確実に強化されます。

2、3倍遅いテンポに合わせる

普段弾くテンポより、遅いテンポで弾いてみましょう。意外と難しいことに気がつくと思います。

ゆっくりで弾けないということは、暗譜が曖昧だということです。ゆっくりのテンポで確実に練習し、暗譜を強化しましょう。

1番細かい音符を200くらいのテンポで

2、3倍遅いテンポに合わせるのが意外と大変だったと思いますが、さらに細かく、ゆっくりのテンポに合わせる練習をします。

曲にもよりますが、例えば、一番細かい音符が16分音符だった場合、16音符を1拍とカウントし、200位のテンポで合わせて弾くのです。この練習は全て、響きのあるフォルテで練習するのが良いです。

不思議なのですが、筆者はこの練習をした時に、暗譜に自信が持てた感覚がありました。大学受験の時に初めて師匠に教わった方法でしたが、おかげで、試験本番に、最高に緊張している中でも冷静に弾くことができたことを覚えています。

発表会やステージ演奏などを控えている人には、個人的にはおすすめの方法です。

意外と難しいので、この練習は楽譜を見ながらやってみてもいいと思います。

でも楽譜なしでできたら、強いですよ!!

まとめ:本番にも使える、ピアノの暗譜方法

ここまでピアノの暗譜方法を説明しました。

一人で暗譜で弾けることと、人前やステージで暗譜で弾けることは別ものです。人前で弾くとなると、さらなるエネルギー、準備、練習が必要となります。

その準備のために、本番前には必ず「発表会ごっこ」をして、一人の練習では感じられない、緊張できる場を作りましょう。そこで暗譜ができていなかった所には楽譜に印をつけて、重点的に暗譜の強化しましょう。その際、指づかいをしっかり確認することも大切です。

メトロノームを使っての練習も効果的です。具体的には以下の4つです。
①インテンポで
②片手ずつで
③2〜3倍のゆっくりなテンポで
④1番細かい音符を1拍でカウントし(←超ゆっくりです)、フォルテで

また、頭が真っ白になることを前提に、楽譜のどこからでも始められるように、楽譜を視覚的に捉えることも大切です。もちろん、指づかいも、セットですよ。

暗譜に不安があると、せっかくのステージが台無しになってしまうかもしれません。それはそれで、成長するためには必要な経験となることもありますが、できる限りのことは準備して、本番に挑みたいよね。

筆者にとっても、暗譜は永遠の課題です。ただ、緊張も含めて、これからもピアノを楽しんでいけたらと思います。皆さんにとってもピアノが人生を豊かにするものであるよう、願っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。