コードとは「和音」のことです。コードが分かると音楽のしくみがよく分かり、音楽がより身近になります。ピアノ初心者にも経験者にも、知っておくとおすすめの内容です。
この記事では、コードの基本を説明をします。使う調(キー)は、Cメジャーです。Cメジャーとは「ド」から始まる音階のことで、「ハ長調」のことです。♯(シャープ)や♭(フラット)のような黒鍵を使わない調なので、初心者にも比較的、理解しやすいと思います。
この記事で説明されている内容は、ただ読むだけでなく、ピアノで実際に弾いてみると、ぐっと意味が理解できやすくなります。
なお、コードが分かるとメリットが沢山あるのですが、それは別記事にしています。そのメリットを知りたい方は、こちら↓へどうぞ。
楽譜の読み方がまだ分からない人は、この記事は少し難しいかもしれません。先にこちら↓へどうぞ。
コード(和音)について
コードとは和音のことです。種類がいくつかあるので、それについて説明します。
和音とは
「和音」は3つ以上の音で構成されている音のことを言います。これを英語では「コード」と呼びます。
2つの音の構成音も、場合によっては和音と言うことがありますが、厳密には「重音」といいます。
重音と和音(コード)の例
基本の和音
3つの音でできた和音を「三和音(トライアド)」と呼びます。
根音(ルート)、の上に第3音(サード)と第5音(フィフス)を乗せた形が「基本形」です。
この和音がCメジャー(ハ長調)の中で、1番基本の形です。『主和音』ともいいます。
また、この「基本形」と呼ばれる和音のことを、3つの音程の関係から「長三和音(ちょうさんわおん)」ともいいます。
Cメジャー以外の調(キー)、つまり他の調においても、基本形は「長三和音」となっています。
ちなみに、Cメジャーの調(キー)とCメジャーの和音のことを、それぞれ、シンプルに「C」と呼ぶこともあります。むしろその呼び方が一般的かもしれません。後に出てくる「Cマイナー」の和音と区別するために分かりやすく「メジャー」という言葉をつけているのです。
つまり、「C」は「Cメジャー」のことです。この記事では分かりやすく、毎回「Cメジャー」と表現しています。
三和音
上の「基本形」を元に、第3音、第5音の音程が半音下がったり上がったりすることによって、コードの種類が確定します。
Cマイナー(短三和音 たんさんわおん)
♭(フラット)は半音下がることを意味します。
Cオーギュメント(増三和音 ぞうさんわおん)
♯(シャープ)は半音上がることを意味します。
Cマイナーマイナスファイブ(減三和音 げんさんわおん)
以上、「Cマイナー」「Cオーギュメント」「Cマイナーマイナスファイブ」の三和音を、ピアノで弾いて、主和音(Cメジャー)との響きの違いを感じてみましょう。
音階と和音
ここからは、音階と和音について説明します。ひきつづき、1番基本的なCメジャー(ハ長調)を使って説明します。
Cメジャーの音階
下の楽譜は、Cメジャー(ハ長調)の音階です。音符の下にある「C D E F G A B」は「ドレミファソラシ」の英語音名です。読み方はそのままアルファベット読みで「シー、ディー、イー、エフ、ジー、エー、ビー」です。
ちなみにドレミ…はイタリア語です。コードでは主に、英語音名を使います。
↑この音階、7つの音を根音とし、それぞれ和音を作ってみます。音は3度音程(ひとつおき)ずつ重ねます。
するとこうなります↓
これで、Cメジャー(ハ長調)の音階の音、全てを根音(ルート)とする和音が出来ました。
それらの和音に、それぞれコードをつけるとこうなります↓
「C」「Dm」「Em」「F」「G」「Am」「Bdim」と7つのコードが出来ました。
このように、ある音階上に作られている和音を「ダイアトニックコード」と呼びます。
つまり、上に記された全てのコード『「C」「Dm」「Em」「F」「G」「Am」「Bdim」は、Cメジャー(ハ長調)のダイアトニックコード』と言えます。
尚、音符の上に記されている「和声記号」は和音の並びを表しているもので、コード進行を表すときなどに役にたちます。クラシック音楽で、音楽理論などによく使用されます。
主要三和音
なお、全てのダイアトニックコードが、Cメジャーの曲の中で、同じ頻度登場するわけではありません。
「主要三和音」と呼ばれる和音が特に多く登場します。
和声記号でいうⅠ(1度)、Ⅳ(4度)、Ⅴ(5度)が主要三和音です。
Ⅰ (1度)・・・1番目の和音=主和音
Ⅳ (4度)・・・4番目の和音=下属和音(かぞくわおん)
Ⅴ (5度)・・・5番目の和音=属和音(ぞくわおん)
この3つが、よく使われます。それはどの調にも言えることです。この3つの和音は、とても重要な働きをします。
和音の転回形
Cのコード(ドミソ)を弾く時、いつも下から「ドミソ」の順番で押さえるわけではありません。「ミソド」や「ソドミ」という順番になったりもします。
このように、基本形の並びが少し入れ替わった押さえ方を「転回形」と呼びます。
転回形でも、その音が構成する和音の組み合わせが「ドミソ」であれば、Cコードとなります。
まとめ:ピアノでコードを弾こう①入門編
ここまでコードについて説明しました。
言葉で説明すると、最初は分かりにくいかもしれません。
もしピンとこない時は、この記事で出てきた和音や音符を、ひとまずピアノで弾いてみましょう。
実際にピアノの音を聞けば、響きの違いが分かります。「明るい響き」「暗い響き」「不思議な響き」「不穏な響き」など、和音によって印象がそれぞれ違うことが、感じとれるでしょう。
まずはピアノで、Cメジャーの和音を耳で聞き、鍵盤上でも確認した上で、もう一度この記事を読み返してみてください。最初よりも、意味が理解できるはずです。
ここで説明した内容は、全ての調に共通する内容です。他の調は♯や♭が登場するので、少し難しく感じるかもしれませんが、他の調もひとつずつ、丁寧に確認していけば、大丈夫。ぜひ他の調にも当てはめて、少しずつコードに慣れていきましょう。
音楽のしくみが分かり、音楽の世界がより広がっていきます。ピアノの上達にも役に立つこと間違なしです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。