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ピアノの効果

大人がピアノを習うことで得られるもの

「いつか機会があれば、ピアノをやってみたい」そう思いながら、なかなかその機会に巡り合わないまま大人になった人は多いと聞きます。

子育て卒業や定年を迎え、少し時間に余裕ができた時ですら、よほどのタイミングがない限り、最初の一歩が踏み出せない人は少なくないのではないでしょうか。

この記事では、ピアノをいつかやってみたいと思いながらも、最初の一歩がなかなか踏み出せない方へ、ピアノを習うことで得られるもの、また最初の踏み出し方についてお伝えします。

音楽・ピアノを習う楽しみ

音楽は、日常生活の中で欠かせないものであり、人生を豊かにするものです。目に見えない分、想像力をかき立てたり、人の心を揺さぶるような力があります。

そして自分で楽器を演奏することは、聴くこと以上に得られる喜びがあります。

ピアノを習うことで味わえること

多くの人は、ピアノや楽器を始めたことがきっかけとなって、それまでより世界が広がったような感覚を経験します。それによって、更なる楽しみや喜びにつながると言います。

具体的には次のようなことがあります。

・楽譜が読めるようになったり、両手で弾けるようになったりなど、出来なかったことができるようになる喜び

・演奏が上手になっていく喜びと曲を完成させた時の達成感

・演奏上達への向上心が身につくこと

・音楽の知識が増えていく楽しさ

・アンサンブルなどで音を合わせる楽しさや心地よさ

・憧れの曲を自分で演奏したという長年の想いから来る感動

・いい音楽を聴く耳が育つこと

アンチエイジングやボケ防止にも

ピアノを弾くことで喜びが味わえるとともに、さらに嬉しいおまけの効果があります。

①運動機能への効果・・・指の筋肉や関節の働きは加齢とともに低下しますが、演奏することによってそれを遅らせる効果があります。

②認知機能への効果・・・人間の記憶は加齢と共に機能が衰えていくものです。演奏にはその衰えを軽減する効果があり、記憶力の低下を緩やかにすることが実証されています。

③聴力の低下の抑止効果・・・音楽を聴くだけでも聴力低下の効果があり、演奏することはさらに抑止効果があります。

④好きな音楽を聴くと、ドーパミンという若返りホルモンが脳内で分泌します。そして、同じ曲であってもただ聴くだけよりも、演奏する方が分泌量は多いと考えられています。

⑤ピアノは左右の手が別々の動きをするので、他の楽器と比べ、さらに脳の神経細胞や繊維が増え、脳の発達が期待されます。

以上のことが挙げられます。楽器の演奏が脳に与える影響は科学的根拠に基づくものです。

「ボケ防止を考えるには早すぎる」と思うシニア世代より若い方も、人ごとではありません。健康な人でも、20代後半から認知機能は落ち始めると言われているのです。やり続けると、脳が成長しつづけるピアノ。楽しみながら、アンチエイジングしませんか?

ピアノは何よりも安全な趣味

健康対策のために、運動系の趣味を持つ方もいます。しかし、ピアノの方が安心して続けられる理由があります。

例えば、激しい運動は、怪我をすることもありますし、活性酸素が発生し、むしろ健康に悪影響を及ぼします。つまり、運動全般が必ずしも身体にいいとは言えないということなのです。

運動量的なことで言うと、ピアノも体全体を使って表現しますし、手指の運動なので、適度な有酸素運動となります。続けることで、体脂肪を減らす効果もあるくらいです。健康にも良く、危険性が低いので、安心して続けられます。

仲間が増える

音楽教室に習いにいくと、他にも音楽を楽しむ生徒さんがいます。

大手の音楽教室であれば、ピアノだけでなく、別の楽器を嗜む生徒さんとアンサンブルするのも楽しいかもしれません。共演することも楽しさが倍増し、脳が喜びます。

また、仲間とのつながりを持つことで、励ましあったり、情報を共有しあったり出来ます。1人で続けるよりもずっとピアノを楽しめることでしょう。

ピアノの体験レッスへ行ってみよう

さあピアノを始めよう、と思った時に、未経験や初心者であれば、何から手をつけていいのか、分からないと思います。

そういう時のために、ここでは最初の一歩の踏み出し方について説明します。

ピアノの体験レッスンへ

近くに音楽教室があるのなら、ぜひ体験レッスンへ行ってみましょう。体験レッスンでさえも勇気がいることだというのは重々承知です。

しかし、その勇気は最初だけ。そのハードルを乗り越えた先にはきっと、今まで知らなかった世界が広がります。

もし楽器を持っていないという人も、諦める必要はありません。楽器購入についての相談をするつもりで、音楽教室の門を叩くというのもひとつの方法です。

電子ピアノであれば、予算もお手頃なものがありますし、無理せずに希望価格を伝えてアドバイスをもらうのがいいと思います。その時の応対が親切かどうか、そういうやり取りは今後、その教室に長くお世話になりたいかの判断基準になるでしょう。

尚、大手の音楽教室では、生徒さんであれば未使用時、練習室を無料で使わせてくれるところもあるそうです。

万が一その教室の応対が期待していたものと違っていても、それは失敗ではありません。その教室があなたとは合わなかった、それだけのこと。あなたが踏み出したピアノ人生は、ゼロではなく、少なくとも1歩進んだと言えます。この先、違う方向(別の音楽教室)を探せばいいだけです。

習いに行く勇気がまだでない場合は

それでも、やはり体験教室に行くにはまだ抵抗がある、という方。

全く何もしないよりは、独学でも始めてみるのもいいかもしれません。やった分だけあなたの糧になります。今は、ネットの情報やネットの動画などで、初心者にも分かるような音楽・ピアノの知識の解説をしてくれている人たちが沢山います。参考になるような人を見つけて、少しずつ練習をするのもいいでしょう。

そうすることで、いつか実際に習いに行く時にも、経験ゼロの自分でいるより、わずかでもリードできているかもしれません。

ただし、情報過多の時代。どのやり方がいいのか迷いが出ると思いますが・・・。

続かなかったら…と不安な時

もし、「しばらく習ううちにやめてしまいたくなったら・・・」と不安で体験レッスンに踏み出せない人もいるかもしれません。

やめたくなる時が来る時、それは「思ったより楽しくなかった」「求めているレッスン内容・条件と違っていた」そのような理由がほとんどです。

それでやめるようなことになっても、それはあなたのピアノ人生の終わりということではありません。それによって、本当は自分がどんなレッスンを希望し、どういう指導を望んでいたのか、ということが以前より明確になったということです。それもラッキーなことです。

最初の体験レッスンでは自分の希望やレッスンに望むことを、先生にあまり伝えられていなかったのかもしれません。それによってしばらく続けるうちに、当初とのギャップが生じたのでしょう。

そうなると、次に出会う先生には、最初に伝えるべきことことを伝えられるので、今後はあなたの理想の音楽教室や先生に出会える可能性が増えるということになりますよ。

大人用のレッスンは

大人が習う趣味のピアノのレッスンは、子どもが習い事で習うように、必ずしも毎日の練習が求められるような厳しいものではありません。

あくまでも気分転換や趣味としての場所なので、生徒側の希望はある程度伝えてOKです。

仕事や家庭の用事などで、月のレッスン回数もにも希望があるかと思います。無理のない範囲で通えるように、希望を伝えてみましょう。

その他にも、自宅の練習はほとんど出来ないことや基礎練習は望んでいない、など、とにかくあなたの希望を最初に伝えることが長続きする秘訣です。

まとめ:大人がピアノを習うことで得られるもの

ここまで、大人がピアノを習うことで得られるもの、その踏み出し方について説明しました。

音楽は、日常生活の中で欠かせないものであり、人生を豊かにするものです。そして、楽器を演奏することは、聴くこと以上に得られる喜びがあります。

ピアノを習うことは、楽しみや喜びにつながる感覚を味わえます。その上、アンチエイジングやボケ防止になることが脳科学的にも実証されています。

運動系の趣味もいいですが、ピアノも適度な有酸素運動となりますし、なんと言っても、危険性が低く、安心して続けられます。

このように、ピアノを習うことはいいメリットばかり。ぜひ体験レッスンをしているところを見つけて、最初の一歩を踏み出してみましょう。

大人用のレッスンは、趣味や気分転換のためのもの。あなたの希望をしっかり伝えることで、理想の音楽教室を見つけられるはずです。

踏み出した人にしか分からない、音楽の世界が広がりますよ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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ピアノの効果

ピアノで脳を活性化!シニア世代におすすめの理由

日本の平均寿命はますます長くなっています。また、人生100年時代という言葉も、よく耳にするようになりました。

しかし、ただ長生きするのではなく、身も心も健康でいること、それが誰もが望む理想の姿ではないでしょうか。

実は、認知機能は、健康な人でも、20代後半から落ち始めると言われています。

また、個人差はあるにしろ、どんなに健康で鍛えている人でも、60歳以上のシニア世代になると、さらなる老化が現れます。

それが落ちる速度を遅めるにはどうしたらいいのでしょうか。

その方法のひとつに、「ピアノ学習」があります。

この記事では、ピアノが脳を活性化するしくみと、シニア世代の方へ、ピアノ学習を強くおすすめする理由について説明します。

 

ピアノで脳が活性化するしくみ

ピアノを弾くことで脳が活性化すると言われます。ここでは、その理由について説明します。

全ての指を使うということ

「指を動かす」という行為だけで、脳は活性化するそうです。

しかし、使うのが毎回同じ指だと、脳はたいした刺激を感じなくなります。実際に、私たちは日常生活の中で、どうしても、利き手、利き指ばかり使っています。

日頃あまり使わない指、特に「薬指」「小指」を使うことで、脳への刺激が増え、血流量が多くなるとのこと。また、左右の手が同時に「異なる動き」をすることで、さらに血流量が増えるそうです。

ピアノを弾くという作業は、そういった日常生活にはなかなかない指の動きを、自然にやることになります。

パソコンのタイピングも全ての指を使うかもしれません。しかし、ピアノは「左右の手が同時に、異なった動きをする」という点ポイントです。

脳の血流量増加は認知症予防

『脳の血流量の増加は、認知症の予防になる』ということが研究で明らかになっています。

つまり、全ての指をまんべんなく使うピアノは、認知症予防につながる大きな役割を果たすわけです。

もし、ピアノを弾くシニア世代が増えれば、認知症になる人が減り、本人だけでなく、家族までもがいつまでもハッピーでいられます。

平均寿命よりも、日常生活に制限のない「健康寿命」を伸ばすことこそ、長寿大国である日本の理想の姿ではないでしょうか。

脳の回路の増加

ピアノ学習者であるシニア世代の人たちに、課題をやってもらうと、最初はできないのですが、数週間後にはできるようになります。もちろん、個人差はありますが。

課題ができるようになるのは、「練習することによって、神経細胞が活発に働き、脳の回路の先に新たな回路ができるから」と考えられています。

加齢や老化により、脳の回路は減少するのが自然です。それなのに、新たな回路ができるというのは、脳の老化に逆らっているという現象です。それって、すごいことだと思いませんか?

このような理由から、ピアノ学習は脳を活性化すると考えられるのです。

ドーパミンの分泌

ここまでの内容で、ピアノの練習の過程そのものに、脳の活性化の効果が期待できることが分かりました。

それだけではありません。

ピアノの練習をがんばった先には、「曲が弾けるようになるという喜び」が待っています。

そのような成功体験や達成感によって、「ドーパミン」という神経物質が分泌されます。これは、健康によいホルモンで、長寿や若返りの効果もある、と研究で明らかにされています。

ドーパミンは、快楽を感じたり、仕事や作業に効率を高めたり、疲れが感じにくくなったり、という効果もあるそうです。

シニア世代にピアノがいい理由

ここまで紹介した効果だけでも、充分にピアノが健康にいいことが理解できたと思います。他にもピアノがシニア世代にいい、と言われる理由があります。

指の筋力が保てる

必要最小限にしか身体を使っていないと、どんどんと筋力は衰えてしまいます。手や指の筋力も同じです。

ピアノはそれぞれの指を動かすため、脳にいいだけでなく、指の筋肉や関節の働きを維持するための運動にもなります。

お箸やペンを落としやすくなったり、という手先の筋力老化の予防にも、効果が期待できます。

昔の曲を懐かしむことはよいこと

子どもの頃までに遡ると、よく歌った曲、好きだった曲、感動した曲など、それぞれに思い出の曲があると思います。

ピアノを練習することをきっかけに、選曲するだけでも、色々な曲を思い返すことになります。

また、音楽は、人間の潜在意識に深く根付いていることがあります。音楽を聴いたり、ピアノを弾いたりすることで、深く眠っていた昔の記憶がよみがえり、当時の感情を鮮明に思い出すことがあります。

このように、若い頃の感情を思い出したり、人生の楽しかったことをふりかえることは、心理学的にも、とてもよいことなのだそうです。

年を重ねたからこその深み

同じ曲を弾くのでも、たくさんの経験を重ねた人だからこそできる音楽表現があります。

たとえば「ふるさと」を弾く時。

子どもの頃を思い出し、故郷に想いを馳せながら弾く音楽には、子どもや若者には表現できない深みがあります。

ピアノを長続きさせるコツ

ここまで、ピアノがシニア世代にとっていいことだらけだということは分かっていただけたと思います。ただし、せっかくスタートしても、すぐにやめてしまっては、効果がありません。一般的に難しいのは、始めることではなく、「続けること」です。

ここでは、練習を継続させるためのコツを紹介します。

習慣化させる

ハミガキをしたり、ご飯を食べたりするように、毎日の習慣とは、意識せずにやれてしまいます。同じように、ピアノの練習も習慣化させてしまいましょう。

「顔を洗う前の10分練習」「ご飯前の20分練習」など、毎日の習慣の前後に練習をくみこんでしまうと、大きなエネルギーを必要とすることなく、自然に練習ができます。

目標を作る

目標がある方が、長続きします。

この曲集を1冊仕上げたい、孫の好きな曲を弾いてあげたい、発表会で弾きたい・・・

何でもいいのです。「お友達の前で好きな曲を弾く」、というささやかなことでもいいのです。

何かひとつ、目標を作って取りくみましょう。

ピアノ仲間を作る

ピアノは基本、孤独な時間の多い楽器です。どうしても練習へのモチベーションが下がることも避けられません。

そういう時にピアノ仲間がいると、とても心強いです。

共にがんばる仲間がいるのといないのでは、継続力の差が出る、という実験結果も出ています。

ピアノ教室を選ぶ時に、グループレッスンをしているところを選んだり、個人レッスンであれば、同世代の仲間を見つけたりすることをおすすめします。

練習メニューを工夫する

比較的、時間に余裕があるシニア世代のように、充分に練習を確保できる場合は、まだ練習時間があるのに、途中で飽きてしまうことがあります。

特に、ある程度、譜読みが終わって、曲を深める段階に入った時。その曲への新鮮さも薄れて、飽きやすくなります。

もし集中力が途切れたら、気分転換に、新しい曲に挑戦してみるといいでしょう。それが譜読みの練習になり、読譜力が身につきます。読譜力が身につくほど、ピアノがさらに楽しく感じられるようにもなります。

また、前に終わらせた曲を、久しぶりに弾くなどして、練習内容に変化をつけましょう。

1度完成させた曲でも、しばらく練習しないと、あっという間に弾けなくなるものです。それを防止するためにも、時々は弾いて、思い出すようにしましょう、

※譜読み…初めて弾く曲を、ある程度すらすら弾けるようになるまで練習する作業のこと

動画に撮る

練習用でも、記録用としても、どちらの目的でもOK。動画に撮ることで、思っていたように弾けていないことに気づき、課題が見えてきます

また人前で披露する機会がない場合は、完成した曲を動画に撮って、ためていくことを目標にするのもいい方法です。

上達はほんの少しずつでも、あとで振り返った時に、練習の成果を感じることができます。また、自分の頑張りの積み重ねが、記録され、やる気をキープすることにもつながります。

人と比べないこと

前述したように、ピアノ仲間を作ることが、モチベーションアップにつながることを説明しました。

ただし、ひとつ注意していただきたいことは、「人と比べないこと」です。

同じ世代であっても、シニア世代だからこそ、経験や能力の差があって当然です。

自分より上手な人と比べると、自信をなくし、嫌になってしまうことがあります。

比べるなら、ぜひ過去の自分と比べましょう。上達は目に見えて分かることではありませんが、楽譜が前より読めるようになった、レパートリーが増えた・・・など、半年、1年前の自分よりはできることが増えているはずです。

ほんの少しでも進んでいる自分を認めて、とにかく、楽しく続けましょう。

まとめ:ピアノで脳を活性化!シニア世代におすすめの理由

ここまでピアノが脳を活性化する理由と、シニア世代におすすめする理由について説明しました。

日本は長寿大国で、平均寿命が伸びています。

寿命が伸びても、身体と心が健康でいなければ、意味がありません。

そんなシニア世代の老化の速度をゆるめるための方法として、ピアノ学習がいい効果をもたらします。

その理由をまとめると次のようになります。

ピアノで脳が活性化する理由

①普段使わない指を使うことで、脳への刺激が増え、血流量が増える。

②脳の血流量が増えることは、認知症予防につながる。

③脳の回路に新たな回路ができる。それはシニア世代でも起こることあり、老化に対抗する現象である。

④成功体験や達成感により、ドーパミンという健康ホルモンが分泌され、長寿や若返りの効果をもたらす。

上記以外にも、シニア世代は子どもや若い世代よりも、年を重ねた分、深みのある音が出せるようになる、という利点があります。

ある程度の練習は必要かもしれませんが、沢山の経験を経た人によって表現されるものは、音楽に限らず、豊かなものです。

表現力に正解や到達点はありません。

だからこそピアノ学習は、やればやるほど難しくもなり、面白さも感じられるようになる分野です。

初心者の方も再開組も、興味を持った時が始め時です

好きな音楽でピアノを楽しみながら、この先も、心と身体の健康維持をしていきませんか?

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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ピアノの効果

ピアノ学習が勉強に与える効果

昔からピアノは、子どもの教育によいと言われてきました。「ピアノが弾ける人は勉強もできる」ということを耳にしたこともあるのではないでしょうか。近年では、脳科学的にも、ピアノが子どもの脳に与える影響が証明されています。ここではピアノを習うことが勉強にもいい効果をもたらすことについて、脳科学的な観点から、紹介します。

ピアノは頭がよくなる?

ピアノは楽器の王様と言われます。オーケストラの音域以上の広音域を担う楽器であり、メロディー、和声、リズム、オブリガード、などを1つの楽器でできてしまいます。両手それぞれに複雑な動きをさせ、さらに、ペダルを使うようになると、足にまで動きが必要となります。動きが複雑である分、脳を刺激しやすく、他の習い事をさせた場合と比べても、脳の効果が大きく向上すると言われています。

ピアノを習っている子どもの例

筆者の学生時代を振り返ると、中学校時代にピアノを習っていた同級生は、ほとんどが学区内か私立のトップ高校に合格していました。全員ではなかったかもしれませんが、私の覚えている限りではそうでした。

また、ピアノを教えるようになってからのこと。高校受験を機にピアノのレッスン通いをやめてまうことも多い中、数年前に教えていたピアノの生徒は、高校受験中も休まずにレッスンに通っていました。そして見事に合格したのは、県内のトップ高校でした。

そしてもうひとつ。高校(進学校)で音楽の授業を教えていた時にも、思いあたるエピソードがあります。ある男子生徒がいつも授業前に音楽室のピアノを楽しそうに弾いていたのですが、ショパンのエチュードなど、音大を目指すレベルの曲でした。別の先生によると、その生徒はかなり成績がいい、とのこと。部活も運動部で忙しいのに、かなり器用に時間を使えてる印象を受けました。

ここで挙げたのはほんの一例ですが、ピアノが上手な子は成績がいい、というのはだいたい当てはまるような印象があります。

東大生の小学生時代の習い事

ピアノを習っている子どもの学力は高い、というのはデータ上でも情報があります。難関大学の学生にピアノ経験が高いことも有名な事実です。

東大生の2人に1人はピアノを習った経験がある、という調査結果もあります。さらに、東大生を対象に、小学生時代の習い事が東大合格に役立ったかどうかの「貢献度」についての調査が行なわれました。

その結果、ピアノは非学習である学習塾と英会話を除いた習い事の中で、習字の次に高い貢献度でした。つまり、小学生時代にピアノを習っていた現役東大生の多くは、ピアノの経験が東大合格に役立ったと考えているということになります。

ショパンコンクールの出場者の中には…

また音楽コンクールの最高峰、国際ショパンコンクール2021年の出場者の中には、東大卒・大学院修士課程卒と名古屋大医学部医学科の学生がいるそうです。その異色の高学歴にはさすがに驚きました。ショパンコンクールに出場するだけでも、狭き門なのに、ピアノ以外のことにも長けているなんて…!びっくりです。

ピアノが脳にもたらす効果

ピアノを習わなかったとしても、同じだけの成績を残せていたのでは?と聞かれたら、そうではないとは言いきれません。「同一人物が、ピアノを習った場合と習わなかった場合」、という実験ができれば証明できるかもしれませんが…。それは不可能ですので、ここからはもっと客観的な「脳科学の観点」より、ピアノが脳にもたらす効果について紹介します。

脳が活性化し、頭がよくなる

ピアノを弾くときは、メロディー、和声、リズム、テンポ、など様々なことに集中する必要があります。譜面を目で追いながら、一時的に覚えて、両手それぞれが、複雑な違った動きをします。これだけ多くのことを、自然に行っています。

これは他にはない、非常に高度な作業です。つまり、ピアノをやることで、自然にすべての脳の機能を高めていけるというわけです。そういう理由から、ピアノは、脳の広い領域が同時に活性化されると言われます。そして脳の構造までも変えてしまう効果もあり、子どもの教育にとても効果があります。

ワーキングメモリーの機能が鍛えられる

ピアノをすることで、「ワーキングメモリー」の機能がよくなるとも言われます。ワーキングメモリーとは作業や動作に必要な情報を記憶・処理する能力のことです。この機能は会話、読み書き、計算など日常のあらゆる判断や行動に必要となります。ですので、機能が弱いと様々なことに支障をきたします。練習の時間を増やせば増やすほど、機能的によくなるそうです。

運動能力が上がる

ピアノは考えながら手を使うので、脳と手の運動部分をつなぐ回路も鍛えられます。継続することで、脳の機能がまんべんなく鍛えられ、学力だけでなく運動能力にまでよい影響を及ぼすと言われます。

人間性知能が上がる

ピアノを習うことで、問題解決力、主体性、協調性、思いやりなど、人間らしいと言われる能力が高くなります。他の習い事をやっている子よりもこの能力が高いことが、脳科学の研究で分かっています。

将来、認知症を発症しにくい

アメリカの研究では、幼少期からピアノを習うことにより、将来の認知症リスクを抑えることができる、ということも分かっています。ピアノを弾くことそのものが「脳トレーニング」になっていて、ワーキングメモリーの能力も発達し、脳全体が活性化するためだと考えられます。

曲を仕上げるまでの過程で身につくこと

ピアノをやることそのもので脳トレとなりますが、曲を仕上げる作業をくり返すことによって、養われる能力もあると考えられています。それらの能力について、紹介します。

集中力・持続力

1曲新しい曲を仕上げるためには、時間と努力が必要です。まず完成までの目標を設定し、先の見通しを立て、譜読みをします。ピアノの譜読みにはとても時間がかかるので、集中力が必要です。また、楽曲について正しく理解し、内容を深めながら弾きこみます。その際、持続力・忍耐力が必要ですし、続けることで、さらにその力が身についていきます。

想像力・表現力

楽譜上の音符をピアノでただ再現するだけでは、音楽とは言えません。譜面にある情報を全てを読みとりながら、音楽的な表現力が出来るところまで追求することが求められます。

ピアニストの演奏を聴くと、楽譜だけでは読みとれなかったイメージが湧いたりします。楽曲分析をしたり、作曲された時代背景などの情報も取り入れたりすると、さらにその曲への理解が深まります。そして自分なりにどう表現するか、考える。そして音で表現する。正解はひとつではありません。迷いながら、自分なりの表現にしていく…そうやって深めていくことで、想像力、表現力が養われていきます。

記憶力

最後の仕上げとして暗譜をします。その時、ただ機械的に覚えるのではなく、豊かな響きで、どのように表現するかを考えながら、記憶します。その作業により、脳にとてもいい影響を与えますし、続けることで記憶力の向上にもつながります。

達成感

ピアノは、あらゆる音楽的な要素が1つの楽器で表現できる楽器です。その分、1曲を仕上げるまでに、他の楽器よりも大変な作業となり、時間も多く必要となります。ただし、時間をかけ、その壁を乗り越えた分だけ、仕上げられた時の達成感は大きなものとなります。それによって、脳が活性化される「ドーパミン」が分泌され、脳の機能が高められます。

時間管理が上手になる

ピアノは他の楽器と比べて音符の数が、とても多く、譜読みをするだけでもかなりの時間を要します。だからといって、学校生活や他の習い事、部活などで忙しい中、ピアノの練習ばかりに時間をかけるわけにはいきません。

練習時間以外で、他のことが終わるよう、時間をやりくりする必要があります。それによって時間の使い方が上手になってくると、ピアノも上達しますし、同時に勉強や他の面でも、役に立ちます。

まとめ:ピアノ学習が勉強に与える効果

ここまでピアノ学習が勉強に与える効果について紹介しました。まとめると次のようになります。

両手がそれぞれ同時に複雑な動きをさせるピアノは、脳科学的に見ても、脳を刺激しやすく、脳機能が大きく向上することが分かっています。

・頭が良くなる
・ワーキングメモリーが高まる
・人間性知能が高まる
・運動能力が鍛えられる
・将来、認知症が発症しにくい

それは、他の習い事をさせた場合と比べても明らかということです。

また、ピアノは広音域で、奏でる音数も多いため、新しい1曲を仕上げるまでに、多くの時間と努力が必要となります。その作業をくり返すうちに、次のことが身につけられると考えられています。

集中力、持続力、想像力、表現力、記憶力、達成感、時間管理能力

弾くことそのものが脳トレとなる上に、上手になる段階で多くの能力を体得できるピアノ。勉強や他の面でもそれを活かすことで、物ごとが効率よく進んでいきます。そのような沢山の理由から、「ピアノが弾ける人は勉強もできる」ことにつながっているのだと思われます。

ピアノを学ぶことは、良いことだらけです。習い事を始めるなら、ぜひピアノを選んでみませんか。続けた先には、きっとピアノ以外の可能性も広がっていくと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

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ピアノの効果

脳に効果大!大人こそピアノを楽しもう

ピアノは子どもの習い事として昔から定番ですし、幅広い年代に人気があります。そのステキな音色という以外に、大きなメリットがあることでも知られています。ひと言でいうと「脳の発達に有効である」という、脳科学的に証明されている内容によるものです。

脳を活性化する、ということは大人こそ必要な効果なのではないでしょうか。ここでは大人こそピアノを始めるべき理由を紹介します。

ピアノが脳にいいと言われる理由

脳科学の観点から、ピアノを弾くことが脳の発達を促すということが分かってきました。その理由について紹介します。

使わない指を使うことが脳を刺激する

指を使うと脳の広い範囲を刺激する、ということはよく言われることです。ピアノをやると、日常生活で使う機会の少ない薬指・小指を使います。ピアノを弾くときも、この2つの指は動きが悪いのですが、普段使わない指を使うことで、脳が活性化するという脳科学的な実験結果があります。たとえ思うように弾けないとしても、よく動く指を動かすより、脳にはとても良いそうです。

ピアノは同時に多くのことが求められる

たとえば、パソコンも全ての指を使いますが、ピアノは同時に両手で違う動きをします。ピアノは、弾きながら、目は楽譜を追います。音の高さ、リズム、指づかいなどいくつもの情報を同時に読みとっていきます。先を追いながら、奏でているメロディーや和声を耳で聴こうとします。音程の幅を正しくとることにも気を配る必要があります。

このように、ピアノを弾くというのは、自然と多くのことを同時に行っています。これは他にはない、非常に高度な作業です。つまり、ピアノをやることで、自然にすべての脳の機能を高めていけるということです。脳の構造までも変えてしまう効果もあり、子どもの教育にとても効果があります。そしてそれは、大人の脳にも同じことが言えるのです。

大人こそピアノ

子どもの能力を伸ばすには、ピアノは早いうちから始めた方がよいと言われます。実際、他の習い事と比べても、早いタイミングで始めるお子さんが多いです。ではその時期を逃した場合は、ピアノを学ぶことに意味はないのでしょうか?

もちろんそんなことはありません。むしろ年を重ねた人だからこそ、ピアノを学習するメリットがあります。その理由をいくつかに分けて紹介します。

新しいことに挑戦するということ

好きなことをやると、「ドーパミン」が多く分泌され、幸福感や意欲を感じるようになります。ドーパミンとは、脳の1番の栄養素で、脳が刺激を受けると分泌されるものです。新しいことに挑戦することも、これまで使っていなかった脳の部分を使うことになり、ドーパミンが分泌され、脳が活性化すると言われています。

一般的に、健康な人でも、20代後半から認知機能は落ち始めると言われています。さらに年を重ねるにつれ、思考や判断、コミュニケーションなどの能力も落ちてきます。昔から知っていることや、確実にできることだけをやっているだけでは、人間の体は老化とともにドーパミンを作る細胞が減ってしまいます。好奇心がかき立てられる趣味や習い事には、こうしたことを抑える効果があります。同時に脳が成長しつづけることにもつながります。

また、ドーパミンは、楽器を演奏することで分泌されるとも言われています。もし「いつかピアノをやってみたい」「ピアノを再開してみたい」と思っているのに行動に移せてないとしたら…もったいないことです。先延ばししている理由は、何でしょうか。忙しいからでしょうか。もしそうであれば、今後もベストなタイミングって、なかなかやって来ないと思います。

ピアノに限らず、チャレンジしてみたいことがあって、忙しさのせいで先延ばしにしているなら、細々とでも、今始めてみませんか。これから先、何才になっても始めるのに遅いことはありません。ただ、あなたにとって、今の脳が1番若い。きっと「やってみたい」と思った時がベストなタイミングなのです。

大人ならではの楽しみ方がある

子どもは大人にはない才能がありますが、逆に大人だからできることが沢山あります。ここでは大人だからこそできる、ピアノの楽しみ方を紹介します。

本人の意思で始める

ピアノを始めた人の大半が「親きっかけ」である子どもと違い、大人からスタートする人は、ほとんどが「本人の意思」です。あの人みたいに弾けるようになりたい、憧れの曲が弾けるようになりたい、などそう感じたことがこれまで幾度となくあったのではないでしょうか。その感情を大切にし、その意欲をぜひ形にしましょう。

経験を糧にできる

大人の皆さんにはあって、子どもにはないもの。その1つが「経験の多さ」です。人それぞれが思い出を持って生きています。曲のタイトルから想像できるイメージ、またその曲を耳にした時のイメージは大人の方が大きいかもしれません。それらを音楽的な表現力や深みにつなげていきましょう。

また昔からの憧れの曲があれば、挑戦するのもいいですね。憧れた年数、想いの深さなどは、なかなか子どもが大人に勝ることはありません。

知識や情報を増やす

取りくむ曲について、知識を増やしましょう。作曲家が生まれ育った時代背景や、作曲された時の想いなどを知ると、ぐっと身近に感じ、その曲への想いも深まります。たとえば、作曲された背景が「外国への亡命中に、祖国を思いながら作った曲」だと知ると、その曲への捉え方が変わってきませんか?情報が加わることで、演奏の表現も変わってくるはずです。子どもには理解が難しくても、大人だからこそ感じとれるものがあります。

あなたにとってのピアノとは?

ピアノを学習することが、脳の活性化につながることを認識できた今、ぜひピアノを楽しんで欲しいと思いますが、あなたにとって今、ピアノはどんな存在でしょうか?

ピアノは身近なもの

既にピアノを弾くことが、習慣になっている方。素晴らしいことです。これからもずっと続けてください。初めての作曲家やジャンルにも、チャレンジして、どんどん音楽の世界を広げてみましょう。

ピアノを始めようか、と検討中

初心者

初めてピアノにチャレンジしてみようという方。さらにはピアノの購入から検討しているという方。ピアノが手元に届くまでは、ピアノがなくてもできる練習方法があります。まずはそのトレーニングで、今できる練習をしつつ、時間をかけてピアノ選びをしましょう。

またピアノ教室に習いに行くかどうかも悩む…という方。もちろん、プロから習うことは上達への近道です。しかし、先生と合わなかったら…?続けられなかったら…?そいういうことを気にしてスタートすることをためらってしまうくらいなら、独学でもいいので始めてみましょう。今はたくさん、本やネットでの動画で初心者向けのものがあります。自分で練習しながら、ピアノ教室を探すという順番でも遅くありません。

ピアノ初心者にもできる!独学練習方法

昔、ピアノの経験あり

少しでもピアノの経験があれば、早速再開しましょう。昔の教本を、引っ張り出して復習しつつ、楽譜を読む感覚や鍵盤をタッチする感覚を、少しずつ思い出していきましょう。新しく曲集を、購入するのもいいですね。楽器店や大きな書店、図書館などに足を運んで、手にとってワクワクするような曲集を選んでみてください。

ピアノが眠っている

ピアノが家に眠っているのなら、使わないでいることはとてももったいないことです。

特にアコースティックピアノが長年眠っているお宅は、宝の持ち腐れです。ぜひ活用してください。久しぶりに使う時は、調律しましょう。最後の調律から時間が経っているのであれば、かなり狂っている可能性が高いです。調律代が多めにかかるかもしれませんが、アコースティックの楽器をいい状態で管理することはとても大切なことです。

久しぶりに日の目を浴びることは、ピアノにとっても嬉しいことですし、家にあるものを活用して脳の機能を高められるなんて、最高の環境だと思います。

長くピアノを楽しむ秘訣

せっかくピアノを始めたのに、それが続かなければ意味がありません。ここではずっとピアノを楽しんでいくための秘訣を紹介します。

練習はコツコツ

始めることそのものは簡単でも、これまで習慣の中になったことを継続するのは大変なことです。気がつけば何日もピアノを触らないまま過ごしていた、ということにもなりかねません。しかし1度習慣化してしまえば、エネルギー最小限で、取りくめます。毎日の習慣の中に取り入れ、少ない時間でもコツコツと続けましょう。

練習過程を大事にし、楽しむ

ピアノはメロディー、和声、リズム、オブリガード、など1人であらゆる音楽的な要素が表現できる楽器です。その分、1曲を仕上げるまでに、他の楽器よりも大変な作業となり、時間も多く必要となります。ただし、大変な分だけ、脳は活性化され、脳の機能を高めていくことができます。
また、時間をかけ、その壁を乗り越えた分、仕上げられた時の達成感はひとしおです。ドーパミンも分泌されます。曲の仕上がりが思ったように進まなくて、諦めてしまいそうになったときは、ぜひこのことを思い出してください。ピアノ学習は、仕上がるまでの過程そのものが、その結果と同じだけ価値があることなのです。

自分のペースで

これまでのピアノの経験年数は人それぞれ違います。ネットの動画などで、ピアノにおける様々な参考動画があると思います。目標にすることはいいことですが、自分のペースで進めましょう。自分が弾きたいと思う曲、また今の自分が無理せずに弾けそうなレベルの曲を選びましょう。楽しく取りくめると、ずっと続けられます。1週間、1か月後の上達を目指して、練習過程そのものを楽しみながら、進めて行きましょう。

レパートリーを持つ

暗譜でいつでも弾けるような、得意な曲を1曲、持つようにしましょう。急に「弾いて」と言われた時に弾けると、自信にもつながりますし、周りも楽しい雰囲気になります。一部分でもいいのです。いつでもすぐに弾けるように、仕上げた後も終わりにせず、これからもその曲を時々練習するようにしましょう。

目標を作る

1年間で弾きたい曲をピックアップしたり、憧れの曲を期限を決めて仕上げる、など目標を作りましょう。そうすることでモチベーションが上がり、自然と行動に移せるようになります。

人に聴いてもらう

人前で弾く機会を作りましょう。1曲弾けるようになるだけでも大きな喜びですが、誰かに聴いてもらうと刺激となりますし、緊張しながらも弾ききったときはさらに大きな喜びにつながります。

また人に聴かせようと思って練習することで、いい緊張感が生まれ、練習中の集中力も増します。自分のレベルで聴いてもらうのは…と、ためらう気持ちもあるかもしれませんが、家族や身近な人であれば、好意的に聴いてくれるはずです。あなたの頑張る姿勢に、刺激を受け、これからも応援してくれると思います。また、友人・知人の中にも、ピアノ好き・音楽好きがいませんか?その人たちを巻き込んで楽しむのもいいと思います。

まとめ:ピアノは脳に効果大!大人こそ始めよう。

ここまで、ピアノが脳に効果が大きい理由と、大人こそ始めるべき理由を紹介しました。

ピアノはメロディー、和声、リズム、オブリガード、などあらゆる音楽要素を表現できる楽器です。その分、一度に多くの作業をするため、自然と脳の多くの機能を高めることができます。

健康な人でも、20代後半から認知機能は落ち始めます。ピアノを続けることで、脳を刺激することができ、認知機能の低下をゆるやかにすることができます。

また新しいことへの取りくみは、いくつになっても価値があります。ずっと昔にやっていたことを再開することも、当時と経験値が違うため、新たな挑戦みたいなものです。記憶を呼び起こすことで、脳の眠っていた分野が開花するかもしれません。ピアノをやってみたい、再開してみようかな、と迷っている人は、始めてみませんか。

ただ、スタートすることはすんなり出来たとしても、難しいのは「継続させること」。それさえ出来れば、あなたのピアノの力は伸び続けますし、脳もずっと活性化し続けます。三日坊主で終わってもOK。三日坊主を、また始めればいいのです。続ける限り、終わりませんから。ピアノを触ったという経験は、やった分だけ、残ります。

あなたにとって脳は、今が1番若いのです。やりたいと思った時が始め時。今というベストなタイミングでピアノを始めましょう。ステキなピアノライフとなるよう、応援しています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。