「いつか機会があれば、ピアノをやってみたい」そう思いながら、なかなかその機会に巡り合わないまま大人になった人は多いと聞きます。
子育て卒業や定年を迎え、少し時間に余裕ができた時ですら、よほどのタイミングがない限り、最初の一歩が踏み出せない人は少なくないのではないでしょうか。
この記事では、ピアノをいつかやってみたいと思いながらも、最初の一歩がなかなか踏み出せない方へ、ピアノを習うことで得られるもの、また最初の踏み出し方についてお伝えします。
音楽・ピアノを習う楽しみ
音楽は、日常生活の中で欠かせないものであり、人生を豊かにするものです。目に見えない分、想像力をかき立てたり、人の心を揺さぶるような力があります。
そして自分で楽器を演奏することは、聴くこと以上に得られる喜びがあります。
ピアノを習うことで味わえること
多くの人は、ピアノや楽器を始めたことがきっかけとなって、それまでより世界が広がったような感覚を経験します。それによって、更なる楽しみや喜びにつながると言います。
具体的には次のようなことがあります。
・楽譜が読めるようになったり、両手で弾けるようになったりなど、出来なかったことができるようになる喜び
・演奏が上手になっていく喜びと曲を完成させた時の達成感
・演奏上達への向上心が身につくこと
・音楽の知識が増えていく楽しさ
・アンサンブルなどで音を合わせる楽しさや心地よさ
・憧れの曲を自分で演奏したという長年の想いから来る感動
・いい音楽を聴く耳が育つこと
アンチエイジングやボケ防止にも
ピアノを弾くことで喜びが味わえるとともに、さらに嬉しいおまけの効果があります。
①運動機能への効果・・・指の筋肉や関節の働きは加齢とともに低下しますが、演奏することによってそれを遅らせる効果があります。
②認知機能への効果・・・人間の記憶は加齢と共に機能が衰えていくものです。演奏にはその衰えを軽減する効果があり、記憶力の低下を緩やかにすることが実証されています。
③聴力の低下の抑止効果・・・音楽を聴くだけでも聴力低下の効果があり、演奏することはさらに抑止効果があります。
④好きな音楽を聴くと、ドーパミンという若返りホルモンが脳内で分泌します。そして、同じ曲であってもただ聴くだけよりも、演奏する方が分泌量は多いと考えられています。
⑤ピアノは左右の手が別々の動きをするので、他の楽器と比べ、さらに脳の神経細胞や繊維が増え、脳の発達が期待されます。
以上のことが挙げられます。楽器の演奏が脳に与える影響は科学的根拠に基づくものです。
「ボケ防止を考えるには早すぎる」と思うシニア世代より若い方も、人ごとではありません。健康な人でも、20代後半から認知機能は落ち始めると言われているのです。やり続けると、脳が成長しつづけるピアノ。楽しみながら、アンチエイジングしませんか?
ピアノは何よりも安全な趣味
健康対策のために、運動系の趣味を持つ方もいます。しかし、ピアノの方が安心して続けられる理由があります。
例えば、激しい運動は、怪我をすることもありますし、活性酸素が発生し、むしろ健康に悪影響を及ぼします。つまり、運動全般が必ずしも身体にいいとは言えないということなのです。
運動量的なことで言うと、ピアノも体全体を使って表現しますし、手指の運動なので、適度な有酸素運動となります。続けることで、体脂肪を減らす効果もあるくらいです。健康にも良く、危険性が低いので、安心して続けられます。
仲間が増える
音楽教室に習いにいくと、他にも音楽を楽しむ生徒さんがいます。
大手の音楽教室であれば、ピアノだけでなく、別の楽器を嗜む生徒さんとアンサンブルするのも楽しいかもしれません。共演することも楽しさが倍増し、脳が喜びます。
また、仲間とのつながりを持つことで、励ましあったり、情報を共有しあったり出来ます。1人で続けるよりもずっとピアノを楽しめることでしょう。
ピアノの体験レッスへ行ってみよう
さあピアノを始めよう、と思った時に、未経験や初心者であれば、何から手をつけていいのか、分からないと思います。
そういう時のために、ここでは最初の一歩の踏み出し方について説明します。
ピアノの体験レッスンへ
近くに音楽教室があるのなら、ぜひ体験レッスンへ行ってみましょう。体験レッスンでさえも勇気がいることだというのは重々承知です。
しかし、その勇気は最初だけ。そのハードルを乗り越えた先にはきっと、今まで知らなかった世界が広がります。
もし楽器を持っていないという人も、諦める必要はありません。楽器購入についての相談をするつもりで、音楽教室の門を叩くというのもひとつの方法です。
電子ピアノであれば、予算もお手頃なものがありますし、無理せずに希望価格を伝えてアドバイスをもらうのがいいと思います。その時の応対が親切かどうか、そういうやり取りは今後、その教室に長くお世話になりたいかの判断基準になるでしょう。
尚、大手の音楽教室では、生徒さんであれば未使用時、練習室を無料で使わせてくれるところもあるそうです。
万が一その教室の応対が期待していたものと違っていても、それは失敗ではありません。その教室があなたとは合わなかった、それだけのこと。あなたが踏み出したピアノ人生は、ゼロではなく、少なくとも1歩進んだと言えます。この先、違う方向(別の音楽教室)を探せばいいだけです。
習いに行く勇気がまだでない場合は
それでも、やはり体験教室に行くにはまだ抵抗がある、という方。
全く何もしないよりは、独学でも始めてみるのもいいかもしれません。やった分だけあなたの糧になります。今は、ネットの情報やネットの動画などで、初心者にも分かるような音楽・ピアノの知識の解説をしてくれている人たちが沢山います。参考になるような人を見つけて、少しずつ練習をするのもいいでしょう。
そうすることで、いつか実際に習いに行く時にも、経験ゼロの自分でいるより、わずかでもリードできているかもしれません。
ただし、情報過多の時代。どのやり方がいいのか迷いが出ると思いますが・・・。
続かなかったら…と不安な時
もし、「しばらく習ううちにやめてしまいたくなったら・・・」と不安で体験レッスンに踏み出せない人もいるかもしれません。
やめたくなる時が来る時、それは「思ったより楽しくなかった」「求めているレッスン内容・条件と違っていた」そのような理由がほとんどです。
それでやめるようなことになっても、それはあなたのピアノ人生の終わりということではありません。それによって、本当は自分がどんなレッスンを希望し、どういう指導を望んでいたのか、ということが以前より明確になったということです。それもラッキーなことです。
最初の体験レッスンでは自分の希望やレッスンに望むことを、先生にあまり伝えられていなかったのかもしれません。それによってしばらく続けるうちに、当初とのギャップが生じたのでしょう。
そうなると、次に出会う先生には、最初に伝えるべきことことを伝えられるので、今後はあなたの理想の音楽教室や先生に出会える可能性が増えるということになりますよ。
大人用のレッスンは
大人が習う趣味のピアノのレッスンは、子どもが習い事で習うように、必ずしも毎日の練習が求められるような厳しいものではありません。
あくまでも気分転換や趣味としての場所なので、生徒側の希望はある程度伝えてOKです。
仕事や家庭の用事などで、月のレッスン回数もにも希望があるかと思います。無理のない範囲で通えるように、希望を伝えてみましょう。
その他にも、自宅の練習はほとんど出来ないことや基礎練習は望んでいない、など、とにかくあなたの希望を最初に伝えることが長続きする秘訣です。
まとめ:大人がピアノを習うことで得られるもの
ここまで、大人がピアノを習うことで得られるもの、その踏み出し方について説明しました。
音楽は、日常生活の中で欠かせないものであり、人生を豊かにするものです。そして、楽器を演奏することは、聴くこと以上に得られる喜びがあります。
ピアノを習うことは、楽しみや喜びにつながる感覚を味わえます。その上、アンチエイジングやボケ防止になることが脳科学的にも実証されています。
運動系の趣味もいいですが、ピアノも適度な有酸素運動となりますし、なんと言っても、危険性が低く、安心して続けられます。
このように、ピアノを習うことはいいメリットばかり。ぜひ体験レッスンをしているところを見つけて、最初の一歩を踏み出してみましょう。
大人用のレッスンは、趣味や気分転換のためのもの。あなたの希望をしっかり伝えることで、理想の音楽教室を見つけられるはずです。
踏み出した人にしか分からない、音楽の世界が広がりますよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。