カテゴリー
音楽の知識

クラシック音楽の歴史を限りなく簡単に解説

現在でも、愛されているクラシック音楽(西洋音楽)ですが、その歴史はとても長いものです。

最初から詳しく知ろうとすると、言葉も難しかったりして、大きな流れが分かりづらいかもしれません。

そこでこの記事では、初めて学ぶ方のために、クラシック音楽の歴史をざっくりと解説します。最低限の内容を学ぶだけで、今後もっと詳しく学習する時にとても役に立つはずです。

クラシック音楽(西洋音楽)とは?

クラシック音楽というと、上品なイメージがあり、敷居が高く感じる人もいるかもしれません。

元々クラシック」の言葉の意味は「古典的」という意味です。「クラシック音楽」は、主にヨーロッパで始まり、数百年の時を超えて発展し、今も愛され続けている音楽のジャンルのことを言います。

今ではクラシック音楽として定番の曲も、作曲された当初は今でいうポップス音楽のように新曲だったり、流行りの音楽だったりしたのです。決して、敷居の高いものと感じる必要はありません。

クラシック音楽の始まり・歴史

ここでは、クラシック音楽の歴史を簡単に説明します。

実は、歴史として紹介されている以外にも、一般市民の間でポップス音楽的なものはあったとのことですが、当時、楽譜として記録されることはほぼなかったようです。

一般的に歴史を語れるのは、バッハなど、しっかりした文化のある貴族たちが残した資料があるものだけ。そういう時代背景だったことも、頭の片隅に入れておきましょう。

中世・ルネサンス時代

8世紀〜16世紀頃。グレゴリオ聖歌という、単旋律による聖歌が修道院や教会で歌われていました。宗教的なものをお経のように唱える際の言葉の抑揚が、徐々に音楽的な形へと変わっていったのが始まりだと考えられています。

つまり当時の音楽は、主に神に捧げるためのものでした。

西洋音楽はこのような、簡素な旋律が楽譜に記され、演奏される中で、徐々に形成されていくことになります。

バロック時代

17世紀初め〜18世紀半ば。神のための音楽から、貴族が娯楽として楽しむものへと変わって行きます。宮廷では、バレエやオペラが流行しました。

また、貴族に気に入られてスポンサーになってもらうというのがこの時代の音楽家の第一条件でした。

バロック時代の終わり頃には、「宗教的なものは時代遅れ」とされます。そのため、宗教的な要素の強いバッハの音楽よりも、「音楽は楽しむもの」というヘンデルの音楽の方が当時は人気でした。

尚、音楽用語はイタリア語が多いのは、イタリアから音楽の発展が始まったからなのですが、後半はドイツに移行していきます。

古典派時代

18世紀前半〜19世紀前半。さらに音楽が成長、広がりを見せる時代です。

18世紀後半からの革命期(市民革命や産業革命など)で、世の中の流れが変わり、市民が力を持つ時代へとなっていきます。つまり、貴族が独占していた音楽から、市民が音楽を楽しむ時代となります。

貴族に支えていたのはハイドンやモーツァルト辺りまででした。

その後、ベートーヴェンは、貴族の好き勝手さに嫌気がさし、フリーランスとして活動します。そして自分でチケットを売ったり、コンサートホールで演奏したり、という新しいスタイルを築いていきました。

交響曲は、ハイドンが発展させ、ベートーベンが完成させます。

ロマン派時代

19世紀前半〜20世紀初め。一般家庭にもピアノが普及し、音楽がより身近な存在になりました。

それまで、厳格に決まっていた音楽のルールに捉われず、作曲家たちは自由に人の心や愛、自然など、個性を表現するようになっていきました。

古典派時代に発展した表現方法を駆使して、この時代に広がりを見せたということです。

ショパン、リストは作曲家としてだけでなく、プレイヤーとしても名手で、今でいう芸能人のような人気ぶりでコンサートホールを満席にしました。

音楽が自由になったのは、やっとこの1800年代です。長い音楽の歴史で言うと、比較的最近のことだと言えるでしょう。

また、1850年頃から、後期ロマン派と言われ、ロシアを中心に民族性を取り入れた音楽(国民楽派ともいう)が発展します。これらの時代を、次項の「近代(の時代)」と捉える場合もあります。

近現代以降

現代以降にクラシック音楽がアメリカにも渡り、ポップスというジャンルになって、それが日本にもやってきたという流れです。

まとめ:クラシック音楽の歴史を限りなく簡単に解説

ここまで、クラシック音楽(西洋音楽)について説明しました。歴史の流れをざっくりとまとめると次のようになります。

中世・ルネサンス時代神に捧げる音楽(修道院や教会)

バロック時代貴族が娯楽として楽しむ音楽へ(宮廷) 音楽にはまだ宗教的な要素があった。

古典派時代市民が楽しむ音楽へ(コンサートホール) 音楽の形式としてはルールがあった。

ロマン派時代:一般家庭にもピアノなどの楽器が普及し、音楽がより身近に。作曲家は人の心、愛、自然などを自由に表現。

西洋の歴史はここで紹介した以上に、様々な時代背景、特徴があり、それによって音楽にも沢山の影響があります。この記事では、細かいことは抜きに、できる限り簡潔にまとめました。

この時代にも残り、長く愛されるクラシック音楽を、歴史的なことからも理解できると、音楽を聴く意識も深まるかと思います。

クラシック音楽の知識が今後も増え、あなたの音楽ライフがもっと充実したものになるよう、応援しています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

カテゴリー
音楽の知識

カデンツとは?ピアノ初心者でも簡単!

「カデンツ」とは、音楽における終止形の和音進行のことです。英語における「文法」と同じように、音楽の和音進行にも「型」のような決まりがあります。これが弾けるようになると、ピアノを弾くことがとっても楽になりますし、上達も早くなります。

実践的な練習としては、「ハノンピアノ教本」の「スケール(音階)の練習」の、全ての調のそれぞれ最後にあります。

スケールの練習をやっている人でも、最初は「カデンツ」を弾くのは難しいと感じるものです。そこで、カデンツにおける決まりを頭で理解することで、カデンツをもっと身近に感じてみましょう。

この記事では、カデンツについて、その意味と役割などについて説明します。

「カデンツ」とは

カデンツとは、音楽における終止形の和音進行のことです。

前述のように「ハノンピアノ教本」の「スケール(音階)の練習」の中で、全ての調のそれぞれ最後にあります。

スケールの練習もカデンツの練習も、ピアノ学習者にとってはとても大切な練習です。

しかし、カデンツを全ての調でスラスラ弾けるまで、スケールより時間がかかる人が多いものです。それはカデンツが和音の連続だからだと思われます。

カデンツを手の感覚だけでなく、頭でも理解することで、上達への近道にしてしまいましょう。

和音上の音階

和音の構成音について、説明します。

下の譜面はハ長調の音階上の和音です。英語ではこれらの和音のことを「ダイアトニックコード」と呼びます。

音階上の三和音は、全部で7つの和音があり、ローマ数字で上記のように「Ⅰ」「Ⅱ」「Ⅲ」「Ⅳ」「Ⅴ」「Ⅵ」「Ⅶ」と表されます。この表し方を「和声記号」と言います。

この和音の中で、特に大切な和音が、赤印が付いている「Ⅰ度(イチド)」「Ⅳ度(ヨド)」「Ⅴ度(ゴド)」の3つの和音です。

主要三和音

音階上の和音の中で、特に大切な和音を「主要三和音」と言います。

主要三和音は前項でも登場した「Ⅰ度」「Ⅳ度」「Ⅴ度」の和音のことです。

ハ長調の主要三和音

Ⅴ度の和音は4つ目の和音を足して、「属七の和音」として使用されることが多くあります。

和音の機能

主要三和音を中心とした、和音における性格や特徴などについて説明します。

トニック/Tonic

・Ⅰ度の和音=主和音

・落ち着いた性格

・Ⅵ度もトニックの仲間

ドミナント/Dominant

・Ⅴ度の和音=属和音

・緊張感があり、主和音へ進もうとする性格

・「属七の和音」もドミナントの仲間

サブドミナント/Subdominant

・Ⅳ度の和音=下属和音

・広がりのある和音で、ドミナントとトニック、どちらにへも進む性格

・Ⅱ度の和音もサブドミナントの仲間

スケール(音階)練習におけるカデンツについて

ここでようやく、前述でも紹介した「スケール練習のカデンツ」がどの和音に当たるのかを説明します。

下の譜面で、青文字は「和声記号」、アルファベットのT S D は「トニック(T)」・「サブドミナント(S)」・「ドミナント(D)」を意味します。

なお、ハ長調だけでなく、全ての調において、スケール練習のカデンツは「T– S –T –D –T」という進行パターンとなります。和声記号も全ての調で同じです。

それ以外でも、主な和音進行のパターンとして

T – S – T

T – D – T

T – S – D – T

などがあります。

和音進行は曲によって異なります。ほとんどの曲は「T(主和音)」で終わります。

まとめ:カデンツとは?ピアノ初心者でも簡単

ここまで、カデンツについて、簡単に説明しました。

「カデンツ」とは、音楽における終止形の和音進行のことで、「型」のような決まりのことです。実践的な練習としては、「ハノンピアノ教本」の「スケール(音階)の練習」の、全ての調のそれぞれ最後にあります。

カデンツについてまとめると次のようになります。

カデンツの特徴

・主要三和音で構成されることが多い

・和音の機能はトニック(T)、ドミナント(D)、サブトミナント(S)で表される

・スケール練習のカデンツの和音進行はT – S – T – D –  T

スケール(音階)の部分に比べて、最後のカデンツ部分は難しく感じるかもしれません。

しかし、これが弾けるようになると、ピアノを弾くことがとっても楽になります。また、カデンツにおける決まりを頭で理解することで、カデンツがもっと身近に感じられ、上達へのステップアップにつながります。

少しでもこの記事が、皆さんのピアノ上達へのヒントとなれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。