ピアノは習い事として、子どもにも大人にも人気の楽器です。
それでも、お子さんの場合、親の意思で習わせる場合が多いでしょうから、子どもの反応は、親の期待通りにならないこともあります。
ある程度興味を持ってピアノに向かってくれるとしても、音楽の道に進まない場合、いつまで習うのが妥当なのでしょうか。
この記事では、ピアノのやめどきについて、説明します。
ピアノのやめどきを考える理由
やめどきを考える理由は人それぞれです。ここでは、その理由に応じての対策方法について説明します。
練習をしない・レッスンに行くのが面倒くさい
習い事をすることそのものに興味がない子もいます。レッスンに行くことを面倒に感じたり、家では練習をしなかったり・・・
だからと言って、習い始めたばかりでやめてしまうことは、親もまだ知らないその子の可能性を閉ざしてしまうことになります。
よい先生であれば、ひとまずは数年間習うことをお勧めします。楽譜が読めるようになっていくと、少しずつ楽しさを感じられるようになるかもしれませんし、この世には続けることでしか分からないことがたくさんあるからです。
また、ピアノの習い始めは幼少期が多いですが、多くの楽器はもっと遅めです。管楽器や声楽などは、小学校や中学から始めても、プロになる人は沢山いるくらいいです。他の楽器や歌に興味を持った時に、ピアノの経験があると、未経験者よりスムーズに習得しやすく、役に立ちます。
ピアノが嫌い
前項のように、ピアノに興味があるかないか分からない、というレベルであれば、その先の可能性を伸ばすために続けることをお勧めします。
一方で、「辞めたい」と自分から発するのはよほどのことです。その時に、なぜ辞めたいのか、本人のきちんと気持ちを確認しましょう。
「ピアノが嫌い」なのか「ピアノの先生が嫌い」なのか。グループレッスンの場合は、「一緒に習っているお友達が嫌」などの理由が関連していることも。
ピアノそのものが嫌いであれば、無理強いせずに辞めさせてあげた方がいいでしょう。
ただし、ピアノ教室を変えることで解決することであれば、できる限りのことはやってあげましょう。そうすることで、その子のピアノへの可能性を潰さずにすみます。
ピアノの先生、または一緒に習う子が嫌
前項のように、ピアノの先生が嫌い、または一緒に習っている子が嫌、などの理由でピアノを辞めたいと思っている場合は、ピアノ教室を変えることで、解決できます。
新たな環境でピアノを習えるようになれば、心置きなくピアノに向き合えるでしょう。
そういう場合、先生本人に、辞める本当の理由は伝えづらいでしょうから、理由を多少ごまかすことは止むを得ないと思います。
先生の指導方法に疑問を感じる
学年が上がっても、なかなか上達しない時などは、ただの練習不足であれば、本人だけの問題です。中には先生の指導力や指導方法に疑問を感じることがあるかもしれません。
長年習っていた教室を辞めることは、とても勇気がいることです。しかし、せっかくお月謝を支払うのであれば、遠慮してずるずると習い続けることになるのはもったいない。習う本人の時間も、もったいないことになってしまいます。
実は筆者も、中学1年生の頃このパターンで、先生を変わりました。発表会というきりのいい時期を狙い、「勉強についていけなくなってきた」という理由で6年以上習った教室をやめました。
辞めることは勇気が必要ですが、その勇気は必ずいい方向に向かいます。
環境が変わる・受験生になる
楽しんでピアノを習っていたとしても、音楽の道に進むわけではない場合、いつかは辞める時がやってきます。「いつまで続けるのか」というタイミングが、ひとつのポイントになってくると思います。
1番多いのは、高校受験を控えた「中学3年生の1学期辺りまで」のパターン。これであれば、先生も予測できるパターンなので、生徒側も辞めることを比較的、伝えやすいかと思います
続いて、小学校卒業のタイミングで、部活などで忙しくなることを理由に辞める生徒もいます。
興味がある間は、習い続けるのが理想
この記事では、ピアノを辞めることばかりに言及してきたわけですが、可能であれば続けることが理想です。その理由について説明します。
受験勉強中にピアノを習うということ
不思議なのが、受験勉強中もピアノを続けている子は好成績で、名門高校にも受かりやすい、というデータがあります。
実際に筆者が過去に指導した生徒も、高校受験中も休まずレッスンに通っていた子は、トップクラスの高校に合格しています。
筆者自身、高校は普通科を受験しましたが、受験勉強中も休まずにレッスンに行っていました。「ピアノを続けた方が高校に受かるよ」という師匠の言葉がありましたし、ピアノの練習が受験勉強の邪魔になると感じたことは1度もありませんでした。
最近では、ピアノを弾くことは「脳にいい影響がある」「集中力が上がる」など、脳科学的にも報告されています。成績を伸ばしたい人こそ、ピアノはむしろ続けた方がいいことなのかもしれません。
音楽の道を目指さなくてもピアノを続けること
高校生になると、進路にもよりますが、音楽の道に進もうとしない限り、ピアノを習う子は少ないです。
しかし、ピアノが好きであれば、習い続けることはとてもいいことだと思います。社会に出て、一時中断したとしても、ピアノを続けた経験が必ず役に立つ日がきます。
実際にそういう大人が多いのは事実なのです。
まとめ:ピアノのやめどきはいつ?
ここまで、ピアノのやめどきについて説明しました。
ピアノをやめどきを考えるタイミングは、人それぞれだと思います。まとめると次のようになります。
・練習しない/習うのが面倒くさい
・ピアノが嫌い
・ピアノの先生・一緒に習う友達が嫌い
・先生の指導力・指導方法に疑問
・環境が変わる・受験生になる
それらの理由によって対処法は異なりますが、基本的にはピアノそのものが嫌いでない限りは、最低でも小学校の間は続けるべきだと思います。
ピアノには脳科学的に見ても、子どもの成長にはとってもいい影響をもたらすと報告されていますし、子どもの可能性を伸ばすためには、ある程度は続けることが必要だからです。
現実的に言うと、ピアノが好きな子でも、高校受験をきっかけにやめる子が1番多いです。
しかし、興味がある限りは、ピアノを続けることをお勧めします。長い人生を歩んでいく中で、ピアノを習った経験が役に立ったという大人が多いことは事実だからです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。